第8話 島と海のある公園
文字数 582文字
どう、タンデムする? と誘う夫を置いて、久々にひとりでミッションをやってみた。
ミッションは、スマホに現れたチェックポイントに歩いて近づきタップ、目標をクリアしていくという単純作業だ。ミッションによっては一日中歩いていることもある。
ダイエットになる。
しかし、これだけやっても少しも減らないのはなぜ……(涙)
ミッション開始。小さなことからコツコツと。ひろでん井口駅周辺から、雁木をおりて公園にはいっていく。公園内の遊具。滑り台、トイレ、公民館。道なりに進む。
目を疑った。
公園の真ん中に、池と島がある!
島頂上だけに青々しげる松。白っぽい岩肌。島の裾には、透明な水が貯まっている。底は見えない。島は小山のようだが、小山は池を同心円状にめぐらしたりはしない。
岸辺におじさんがぼんやり立っていたので、
「こんにちは!」
声をかけると、おじさんは腰を抜かした。
「ぎゃっ」
「驚かせて済みません。ここって、池の中に山があるんですね!」
「そうですね、この池は海と繋がってましてね。潮の満ち干もあるんです」
ここにお参りすると子宝に恵まれることから、子乞い明神――
「おじさん、いっしょにミッションしませんか?」
「ミッション? マニュアル車のことですか?」
お互い、昭和レトロ人間ですね☆