第32話 メデューサは美人すぎる

文字数 664文字

  広島市東区牛田(うした)には、メデューサ・ミッションというものがある(名古屋などにもあるらしい)。
 そのミッションをこなすと、メデューサと出会える……かもしれなかった。
 18個のメダルが並ぶ、歯ごたえのあるミッションである。18連なら、すでに「ナタリー号の思い出」など、廿日市(はつかいち)方面でクリアしていたので、時間が掛かってもなんとかメダルアートが完成するだろう、と思っていた。

 しかし、なんということか。
 メダルアートは、二つに裂けてしまったのである。

 それというのも、この18連ミッションをやっている最中に、別のミッションをしなければならなくなったからだ。
 まあ、アートにはこだわっていない。もともと、ダイエットが目的なのだし。

 メデューサ・ミッションで印象的だったのは、広島発祥という、『エスキーテニス』の存在を知ったことだった。エスキーテニスは、戦後まもなく、もののない広島で、スポーツをしたいという事ではじまったらしい。けっしてエスパーとは関係ない。

ウィキペディアによると、『1947年頃から第二次世界大戦後の広島の復興に寄与した教育科学文化研究所 (Education Science and Culture Institude) の頭文字をとって「エスキーテニス」と呼ばれるようになった』

わたしの見るところ、科学と文化は相性が良くない。科学は文化を育む人の心には、ノータッチだからね。

一目みるだけで、人を石にするというメデューサには巡り会えなかったが、
牛田の美女たちは、一目見るだけで――
 男の一部分が、硬くなるのは間違いない。


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