第14話 こらっ! 把握し切れんっ!
文字数 573文字
石川チームと別れることになり、わたしは東海チームに拾われて香川アノマリーへ行くことになった。2017年の頃だ。
わたしの母校は、東海地区にある。フィギュアスケート界では有名。わたしにとっても身近だから、という石川チームの判断だ。
ひろってくれてありがとう、の感謝の印に、もみじまんじゅうを持って行く、とチャットツールで言ったら、愛知の人々は口々に、
「中身は、おれはチーズがいい!」
「抹茶にしよう」
「チョコ!」
こらっ! 把握し切れんっ!
ボヤきつつ、香川の町をひたはしる。歩いて行くには間に合わない。車で行ったら、うっかりまんじゅうを包んでいた袋を、車内に忘れて行ってしまった。運転手さん、ごめんなさい。
街角で、スマホをにらむこと30分。
小学生が、話しかけてきた。
「ポケモンGO?」
ちょうどブームだったのである。
「似たようなもの」
リーダーは、したり顔で答えた。
違うだろ。
あとで、敵さんチームから、
「陰でみてたよー。余裕だったねー」
とからかわれたが、その日のゲーム結果は、敵チームの勝ちであった。
正直、もみじまんじゅうを持っていっておごっただけのイベントだったが、香川のうどんは安くてうまかった。
ファッショナブルな垂れ幕のかかる、きらめく商店街で、列を成して歩きながら、香川ってわりと拓けてるじゃん、と思ったのはナイショである。
わたしの母校は、東海地区にある。フィギュアスケート界では有名。わたしにとっても身近だから、という石川チームの判断だ。
ひろってくれてありがとう、の感謝の印に、もみじまんじゅうを持って行く、とチャットツールで言ったら、愛知の人々は口々に、
「中身は、おれはチーズがいい!」
「抹茶にしよう」
「チョコ!」
こらっ! 把握し切れんっ!
ボヤきつつ、香川の町をひたはしる。歩いて行くには間に合わない。車で行ったら、うっかりまんじゅうを包んでいた袋を、車内に忘れて行ってしまった。運転手さん、ごめんなさい。
街角で、スマホをにらむこと30分。
小学生が、話しかけてきた。
「ポケモンGO?」
ちょうどブームだったのである。
「似たようなもの」
リーダーは、したり顔で答えた。
違うだろ。
あとで、敵さんチームから、
「陰でみてたよー。余裕だったねー」
とからかわれたが、その日のゲーム結果は、敵チームの勝ちであった。
正直、もみじまんじゅうを持っていっておごっただけのイベントだったが、香川のうどんは安くてうまかった。
ファッショナブルな垂れ幕のかかる、きらめく商店街で、列を成して歩きながら、香川ってわりと拓けてるじゃん、と思ったのはナイショである。