第32話:義理の母の老人シェアハウス入所

文字数 2,674文字

 近くのもう1棟も見に行きましょうと車で10分の一番新しい2006年に出来た施設を見せてくれた。どの施設も施設内部は、ほぼ同じ作りで建坪150坪の大きな家だった。見学後、もう一度事務所に戻り具体的な入居分担金と生活費を聞いて木下貴子さんが、この金額なら出せそうだと言った。現在、満室なので空きが出たらお知らせするという事で良いですかと言われ了解した。

 見学終了後、レストランに立ち寄り昼食をとりながら、淑子さんが、お母さんどうだっと聞くと入りたいわと言い幸いな事に小田急線の駅が近いので木下家に行くのにも便利で良かったと言った。特に要介護がなくても住み始められるしゴミ出しや庭の手入れなども今と一緒だし特に自分で自立して、もし何かあっても、近くに人がいるのが安心だわと言った。

 次に犬山重臣が、こんな素晴らしい設備の老人シェアハウスがあるなんて、知らなかったと言い、営利目的でなくて宣伝してないせいもあり、知ってる人は少ないのかも知れないと言った。お母さんが気に入ってくれれば、それで良いと納得した。空きが出たら引っ越すので持っていく荷物を分けておくと母が言い、その時は引越も手伝ってと言ったので犬山重臣が了解しましたと答えた。

 夕方16時に義理の母を木下家で下ろして自宅に帰った。そして暑い夏が終わり、秋、冬になり、今年も3人でクリスマスパーティーをして来年、老人シェアハウスに入れると良いなーと母が言った。そうして2008年となった2008年は寒く毎週、母の所へ聞き風邪を引かない様にインフルエンザにかからないように娘の淑子さんが、うがい液や消毒石けんが入っているか、マスクがなくなってないか確認した。

 その後、2008年2月10日に貴子さんから電話、空きが出たと連絡があり、来週、入れると言われたと連絡してきた。2月13日に引っ越ししたいと言うので犬山重臣が商用のバンのような車を借りると話すと、お願いねと言って電話を切った。当日、朝8時に木下家に着いて荷物を後部に全て乗せ、再度、忘れ物がない事を確認し出発した。その時、貴子さんが犬山重臣に、このノートに残金と銀行口座と通帳と情報が全て書いてありますと言い渡した。

 インターネットでも入金できますから依頼したら、お願いしますと言うので了解と答えた。そして車に乗って入居先が海老名市となっていたので用賀に向かって用賀から東名高速に入り横浜インターで降りて国道246を走り海老名市に入り目的のシェアハウスに到着した。管理人さんに部屋を聞き荷物を運び込み。テレビ、パソコンを接続を終えた。

 その後。入居分担金と月々の支払先を聞いて入金するため。近くの銀行で振り込みと毎月の自動振り込みの手続きをとった。また戻ってくると管理人さんが入居負担金の入金を確認して届きましたと答えた。その後、来た道を帰っていった。帰ってから淑子さんが、お母さん上手くやれるかなと心配していた。翌日、淑子さんが母に電話すると大丈夫よと言い今迄と同じペースでやっていけますと明るい声で話した。

 2月18日昼頃、突然、電話が入り自宅に戻ってきてるのと言うので慌てて車で木下家に行くとリビングでゆったりと座っている貴子さんに、どうしたのですかと聞くとシェアハウスの人が用事で車で出るというので海老名駅まで送ってもらい小田急線急行に乗って下北沢で普通に乗換え参宮橋からバスに乗って家の近くでおりて、帰って来たのよと言った。

 たまに東京にも出て来ますから宜しくと言った。淑子さんが勝手に出て来て大丈夫なのと言うと、ちゃんと行き先と帰宅時間を書いたので大丈夫と答えた。老人ホームじゃなく、かなり自由なのと言い、そのうち暖かくなればハイキングやカラオケに行ったりもするようよ話した。この自由な感じが気に入ってシェアハウスに入ったのよと言った。

 話を聞き、それは良いですねと犬山重臣が言ったが、もし今度、来る時には一度電話していただけるともっと安心なのですがというと、あら、ごめんなさい、今度からそうするわと言った。その後、貴子さんが、そのうち、この家に住んでいただけないかしらと言いだした。その理由を聞くと人が住まなくなった家は直ぐに壊れていくと聞くし、あなた方も高い家賃を払って中野の家に住まなくて済むと語った。


 もし犬山重臣さんの、ご兄弟が近くに住んでらっしゃるなら一緒に住んでもらっても全く問題ないのよと言った。それを聞いて犬山重臣は、ありがとうございます、姉たちとも相談してみますと答えた。その後、寒くなる前に帰りますというので犬山重臣が下北沢駅まで貴子さんを送り淑子さんが改札口まで行き見送って自宅に帰った。

 久しぶりに犬山重臣がに姉の所へ行き、木下家に入って欲しいと言う話をすると和子が、え、ホントと言い、うちの旦那さんが60歳で定年となったが病気をして働けない。そのため
「私1人で給料と彼の年金では家計が厳しい」と言い子供達も
「独立して地方に転勤しているので金を借りる訳にも行かず困っていた」と話した。

 家賃はいくらと聞くと、家賃は無料と言い炊事、洗濯、家事、留守居番をしてくれれば、それで良いと言うと、
「えー、そんな、うまい話なんて信じられない」と言った。そこで内情を話し自分達も月16万の家に住んでるが、そこを出ると楽になるから家賃は大丈夫だと言うと、それは助かるは、喜んでくれた。

 奥さんの淑子さんが時間があれば見に来られますかと聞くと良いんですかと言い、淑子さんがえー結構ですと言った。そこで和子さんと犬山夫妻の3人で
木下家に向かった。和子さんが
「木下家の玄関を入ると、すごい大邸宅ねと叫んだ」。

 玄関を上がり廊下を進むと
「20畳のリビングと10畳のダイニングと大きなキッチンには2つの流し台。
「その先に8畳の和室と洋室が2つあった」。更に。現在、物置になっている
「10畳の洋間と仏壇のある12畳の洋室に8畳の洋間1つ」、
「こんなに広いのに誰も住まないなんて信じられない」と、あっけにとられた。

 和子さんが掃除できてないから物置場の10畳を片付ければ、たくさんの人が住めますと笑った。とにかく片付けた方が良いわと言った。すると淑子さんが手伝っていただけますかと聞くと無料で住まわしてもらえるのだから、喜んで片付け掃除しますよというと、それは助かりますと言った。そして引越の日を決める事になり3月1日を目標に引越の準備をする事になった。
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