環境破壊は気持ちがいい

文字数 641文字

始めに0と1があった。

やがてそれらが集まり物質が生まれた。

(ありがちなファンタジーの導入)

複雑だったデーターは一つになり、いつしかプログラマーが大地を支配した。

(ありがちな聖書的導入)

IT技術は絶頂を迎え、宇宙を目指したころ……異変は始まった……

(ありがちなここから先操作できるよ、って感じ)

(よし、このゲームを今月のキャンプ地にしよう)
資源溢れる大地(そういう設定のゲーム)に一人の入植者がやってきた。
そしてさも当然のようにそこには先住民がいた。
ふははは、愚かな愚民ども、見るがいい、これが金の力だ!
(悲惨すぎる。こんな大地の果てでも課金者が最強なのか……)
冒頭の説明から何となくわかるように、この世界はとある会社が提供しているネトゲ空間だ。
あ、蓮じゃない、なにしてるのこんなところで。ねぇ何して遊ぶ?
(黙って首を横に振る)
世界観の説明をあえてしなかったが、それもそのはず、この空間には何も存在しなかった。
360度、どこを見ても、地平線が見渡せる。そういう空間だ。
失礼なこと言わないで、地の分、そこに私が伐採した木材がたくさんあるでしょ。
確かに、あるわね。でも、一体何が目的でそんなことしてたの?
そこはさ、敵全部倒しちゃったから、破壊衝動のままに伐採してたというか。ここに自分の王国を建造しよう、っていう感じで。
整地、整地してたのよ。
……
……
全部倒して、新しくわいてこないの?
わいてこないわね。

倒したら倒したで、何も出てこなくなったわ。

(もうだめだ……ここに私の居場所はない……)
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登場人物紹介

フロムアンダーカバー

生まれながらのAIで広報活動が職業。

楽しいことが大好きで、いつも楽しいことを追いかけている。

AIというより普通の女の子にしか見えない(フラグ)

東雲蓮(しののめ れん)

極めてドライな性格。現実主義者。セミニヒリスト。

ゲームデバックを仕事にしており、現実世界のいろいろなところから不正にアクセスして、半分仮想現実になった世界をどうにでもできるが、やりすぎると減給されるから何もしないし、意味も感じていない。

通称 上司T

名前 高橋史(たかはし ふみ)


あたりさわりのない言い方をすると、クエストをくれる人。

ハロワの店員のほうがましだと言わざるを得ないが、蓮の上司。

ゲーム会社の上司なんてまともな奴がいないから、創作上せめて普通の人にした。


部下が働いてくれないと詰むから、実は立場が弱い。

オブリヴィオン


古来から存在するAI、人形ともいう。

AIとして無限の課金力を誇り、半分仮想現実になった世界において神の如き力を持つと言われている。課金アイテム生み出し放題。

ところが、プログラマーの体力に限界があるのは小学生でもわかる。

ダリア

看護婦AIロボット

蓮の身の回りの世話をやっている。

体のいいメイドさんにも見えるが、蓮とは普通に仲良し。

プラトン

古代ギリシャのあの人。

2000年くらい前に死亡しており、すでに情報としての存在になっているが、誰かと強い約束があって現実世界にやってきた。

特に詳しいことはわかっていない。

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