病院暮らし
文字数 1,117文字
病院の休憩室。
AIは休まなくても働けるのであるが、高度に発達しすぎたAIというのは疲れという感覚を理解してしまうので、AIが活動する場所ならどこにだって休憩室がある。
彼女の名前はダリア。病院で働くAIだ。
休憩室には何もなかった。
パソコンもないのでネットサーフィンもできない、本が置いてないので何も読めない、ゲームが置いてないので遊べない。そういう予算削減されまくりの空間だった。
人間、やることを失うとスマホを眺めるのが行動の落としどころである。
ところが、AIであるダリアにそういうことをする趣味はなかった。
何を隠そう蓮のライフラインはAIダリアによって支えられているので、蓮はこの手の話を無視できるはずがない。