季節ネタ 7月の池のある庭

文字数 505文字

(ストレス社会……)
フロムは今日、会社にて閲覧数伸びないだとか、コラボ企画がいまいち進行しないだとか、挙句の果てに、企画が同僚に乗っ取られたり、散々な毎日を送っていた。
AIだって、精密に作りすぎればストレス感じて暴走行為、すなわちスイーツパラダイスで暴飲暴食を繰り返す、そんな退廃的な人格になってしまう。
(何かいいことないかなあ)
ないんだな、これが。
(前回に引き続き、リアルが虚無いよお・・・)
まあ、確かに大きく不幸な日はやってこない。ところが、じわりじわりと浸透してく謎の感触に心が汚染されていく。
(これからどうしよう……人生のなにもかもがうまくいかないし、希望もほんの一握りしかない……)
その時、フロムがたまたまいた公園に蓮の花が咲いていた
(花はいいなあ。何も悩みがなさそうで。そういえば蓮が言ってたなあ、池の泥が濃ければ濃いほど、蓮(はす)の花は大きくなるって。この泥は現実の苦しみと同じで、人間も苦しみが多いほうが大きい花を咲かせることができる)
(私は……大きくなんてなりたくないよ。蓮の隣に入れればそれだけでいいのに)
(そっか……蓮の隣に入れればそれで幸せなんだ。うん、よし、今度蓮と遊びに行こう!)


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登場人物紹介

フロムアンダーカバー

生まれながらのAIで広報活動が職業。

楽しいことが大好きで、いつも楽しいことを追いかけている。

AIというより普通の女の子にしか見えない(フラグ)

東雲蓮(しののめ れん)

極めてドライな性格。現実主義者。セミニヒリスト。

ゲームデバックを仕事にしており、現実世界のいろいろなところから不正にアクセスして、半分仮想現実になった世界をどうにでもできるが、やりすぎると減給されるから何もしないし、意味も感じていない。

通称 上司T

名前 高橋史(たかはし ふみ)


あたりさわりのない言い方をすると、クエストをくれる人。

ハロワの店員のほうがましだと言わざるを得ないが、蓮の上司。

ゲーム会社の上司なんてまともな奴がいないから、創作上せめて普通の人にした。


部下が働いてくれないと詰むから、実は立場が弱い。

オブリヴィオン


古来から存在するAI、人形ともいう。

AIとして無限の課金力を誇り、半分仮想現実になった世界において神の如き力を持つと言われている。課金アイテム生み出し放題。

ところが、プログラマーの体力に限界があるのは小学生でもわかる。

ダリア

看護婦AIロボット

蓮の身の回りの世話をやっている。

体のいいメイドさんにも見えるが、蓮とは普通に仲良し。

プラトン

古代ギリシャのあの人。

2000年くらい前に死亡しており、すでに情報としての存在になっているが、誰かと強い約束があって現実世界にやってきた。

特に詳しいことはわかっていない。

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