第33話 惑星ウサミミ 4

文字数 938文字

制圧はあっという間に完了した。
ウサミミ星人は武装解除された。

再教育プログラムが全ウサミミ達の脳にダウンロードされて連合に対する反感などは一切持つ事が出来なくなった。

側で見る限り完全な洗脳で極悪だ。

これが惑星ペコ改めエデンに行われた事とどれほど違うのだろう?

しかし、もう誰も疑問すら感じることはない。

議員や軍人も同じで完全に無抵抗だ。

ウサミミ達の居住空間は地下にあり高度に都市化されている。

エデンでは上に向けてビルが屹立するがここではより地中深くに向けて建造物が作られる。

こんな構造の都市の軍事施設や製造施設をピンポイントで攻撃出来るっていうのはどんな技術力なんだろう。

地表は広大な耕地と山林でところどころに木造の小屋がある。

耕地の管理棟だ。

「さっきさー、急に頭ん中にさーいろんな知識とかがぎゅーって入って来てビックリだよ。」

小屋から2人のウサミミが出てくる。

「畑の水分と窒素量の管理方法とか全然知らなかった事とかポンポン頭に浮かんでくるんだよ。来シーズンは面白いことが出来そうだよ。」

「私も頭ちぎれるかなってぐらい驚いたんだけど、その後直ぐめっちゃ効率のいい収穫方法とその道具を思いついちゃったんだ。楽しみにしてよー。」

なんかこの惑星で何が起こったのかについては知らない様子。

一般のウサミミの方々にとっては別に問題はないみたいだ。

彼らにとって喜ばしいことにこの戦闘での犠牲者が全くいなかったことだ。

ウサミミの艦艇が収縮する様に消えていったのはカプセルに収納していたからだ。

彼らは全て解放された。

後は連合のアーフが6体配備されて統治する。

他の連合や帝国は撤収モードに入る。

「ちょっと時間食っちゃたわぅ。お土産は買えた?」

ミルゥカさんが言う。

「トイレ休憩が終わったのでぇ予定通り宇宙星域285、ネコの足星系 クツシタノアナ惑星のぅ観光にぃ戻りまーすぅ。」

お土産?う、うん、ウサギ饅頭を買ったけどこれって連合の人が売っていたけど?

シンは相変わらずラドを膝に乗せてバスの窓から外を見ている。

確かウサミミの宇宙船と遭遇してから、15分くらいしか経っていないのに対応早すぎないかな?

「近頃連合ではエデンブームなんだぅ、エデンの文化をなんでもぉ真似して楽しむぅ奴がぅいっぱいいるんだよぅ。」
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