第60話 アポカリプス

文字数 749文字

エデンの星間航行器シナイver.12.7のコンパートメントのベッドの上で配信グループ「アポカリプス」の作曲と演奏を担当 するユキルが頭を抱えてゴロゴロしている。

新曲を作っているんだけどなんだかポリツが書いた詞とマッチしていない様な気がしてパッとしない。

詞が悪い訳じゃないんだけど曲にリアリエの声を合わせた時のイメージがわかない。

AIでマッチングさせて曲を作ってもいいんだけど。

思いついたようにリアリエの声をAIで生成して曲にのせてみる。

「悪くないんだけどなー。」

コンパートメントの扉が開いてエアリアが入ってくる。

「私の声を生成していたでしょう。言ってくれればいいのに。」

「もう寝ているのかと思ったんだ。」

「生成した自分の声が聞こえたから目が覚めたのよ。」

「ごめん、声だけじゃ無くて耳もいいんだね。」

エアリアはうふふと笑ってディスプレイの歌詞を見てスピーカーから流れる曲に耳を傾ける。

「相変わらずいい詞といい曲ね。」

しばらく聴いていたかと思うとエアリアは唐突に歌い始める。

ユキルが目を見開いて聞き入る。

歌い終わるとユキルは言う。

「Alとは違うんだ、はじめっから頼めば良かった。」

「そうよ、AIは最善で最良のアレンジをするわ。」

「でもね、人が欲しいのって最善で最良じゃないみたいなの。」

「変ね。」

「えー最高だったよー。」

いつの間にかポリツや動画作成と作画をするピルウス。

コーディネーター兼スタイリスト兼コスチュームデザイナーのトリトス。

記録と編集ディレクターのグンタ。

振り付け師のウアウア達が集まっている。

「かっこいい振り付け思いついちゃった。」って言ってさっそく動き出す。

それにあと2人の歌い手のクミンと第4種知性体ウェクイ惑星人ルキルカも。

「私も練習しないと。」

「みんなをおこしちゃったみたいね。」


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