第63話 愛玩動物?

文字数 964文字



「ピータンぅ何ぃかわいいものぅ連れてんのぅ?」

ミルクァがピータンの足元にいるものに目をつける。

「ミルクァこれはねペットって言うんだよ。」

「ペット?」

ペット?そういえば過去に異種の、生命体を飼育するという文化がエデンの古代史にはあったようだ。

上位知性体にはそういう概念はない。

基本的に他の動植物はタンパク源であったりエネルギー源に過ぎない。

とは言っても生体を育成して屠殺するという事は動物愛護団体の活動によりかなり以前から無い。

古代エデン史ではそれはヴァイ星との接触以前から無くなっている。

食用の動物蛋白質はタンパク生成プリンターで作られる。

味覚や食感などのDATAがあるので各種類が自在に生成できる。

現在動植物は博物的価値として保護、管理される。

主たる知性体以外は寿命があまりに短いため感情移入する事が出来なかったので今ではペットという概念は失われている。

「エデン古代史を検索してたら小型の生物と一緒に暮らしている様子があってなんだか楽しそうだったんで作ったの。」

ピータンはその何だか動物っぽいものを抱えあげて撫でている。

「で、それってぇなんなのぅ?」

ハムスターにしては大きいような、うさぎのような長い耳をしているけれど猫のような長いしっぽがある。

「ハムットだよかわいい?」

「え?自分でしゃべった。」

シンがびっくりする。

「自分でしゃべっちゃダメなの?」

「あんまり自分でしゃべるペットはいなかったと思うけど。」

「でも古代のアニメでは動物がしゃべっていたよ。」

「う、うん。アニメだからね。でもしゃべったらいいなって思っていたからいいんじゃないかな。」

「アーフの形を変えただけだからね。」

「なんだかそれだとペットに面倒を見られてしまうような気がする。」

生き物にすると不死のピータンにとってはペットがたちまち死んでしまうことになってペットロスとかになっても困るし、その点アーフなら自己修復するし、世話がいらない。
見た目もいろいろカスタマイズできる。

これは流行りそうだね。

「データはあるから3D生成プリンターですぐに作れるよ。」

ピータンはご機嫌だ。

「ピータン、私を撫でてもいいよ。」

とかハムットが飼い主?に言っているのを見て少し複雑だけどね。

でもハムットは宇宙中で大流行したんだ。

ハムット用のおやつとか服などのマーケットも出来てしまった。
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