第27話  宙族の襲撃  1

文字数 856文字

第27話 宙族の襲撃 1
宇宙星域285、ネコの足星系 クツシタノアナ惑星の周回軌道上に実体化する。

地上から衛星軌道に上がるまでは通常飛行だったし、こうして惑星の周回軌道にのっている間も外が見られるし、宇宙旅行気分は満点だ。

アキも初めての宇宙旅行に目を輝かせている。

眼下にエデンに似た緑色の星が見える。

多分海が小さくて緑地が星の多くを占めているのだろう。

サービスで何周か惑星の衛星軌道を周回してくれるみたいだ。

この航行器自体がAI端末になっていて全て自動で動作しているようだ。

ガイドのミルゥカさんが言うには。

「快適ー。」とか「カッコいい。」

などとみんなで言っていたからなのか航行器はやや機嫌がいいらしい。



宇宙星域285、ネコの足星系 クツシタノアナ惑星周辺にワープして来た。

キチフェス船長はこの星域をテリトリーとする文明レベル第4.5種知性体ウサミミ星人の宙族だ。

文明レベルの低い種族をターゲットに強襲、掠奪を行っている。

それ自体は別に犯罪でもないし、裁かれる謂れもない。

どの知性体も程度の違いこそあれそう言う時期を経験する。(無意識でも)

例えば全くの無人だと思って探索機を送り込んで地質調査とか言ってその星の表面を掘り返す。
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ところが実はそこには超微細な住人や文明、重要な施設があって無意識のうちに大破壊や大虐殺、掠奪をしてしまっていたなんて事は茶飯事なのだ。

特に上位知性体は下位知性体に対して無神経だ。

レベル第4.5種知性体ウサミミ星人は恒星間航行の技術を手にしたばかりだ。

それでも第5種知性体と比較するとその技術力や武力は隔絶している。

キチフェス船長は時空モニターを見て首を傾げる。

自然現象なのか?宇宙船の実体化にしては波紋が小さく反応が短時間だった。

通常なら見逃すレベルだ。

これから宇宙星域285、ネコの足星系 クツシタノアナ惑星を強襲して浮遊大陸を浮かせている反重力鉱石を入手する。

この惑星には第5種知性体の小さな生物しかいないし交渉するまでもないだろう。

「バーンのドーンのギューだ。あははははは。」


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