第53話 異種属
文字数 818文字
「インセクトタイプの種族ってあんまり見ないよね。」
シンがピータンに話しかける。
「連合にはあんまりいないかな?幼体はインセクトタイプだけど成体になるとヒューマノイド型ってのはあるけどね。」
「インセクトタイプって少ないの?」
「いいや、ヒューマノイドタイプよりもたくさんの種族があるよ。でもねー、お互いに相容れないところがあるので接触を避ける傾向があるよ。」
「それで問題は起きないの?」
「おそらく接触する方が問題。シンはGは嫌いだろう?」
「Gは別に攻撃してくる訳でもないし、うるさく吠えもしないし臭くもないだろう?じゃあなんで怖くて嫌いなの?」
「うーん。」
シンは答えられない。
「多分インセクトタイプの種族の方がヒューマノイドタイプに対して友好的だし理解があると思う。」
ピータンはいくつか映像を示す。
多くのインセクトタイプの種族は硬そうな外骨格で節のあるボディにたくさんの手足が生えている。
そして頭部にはたくさんの複眼。
生物としてのスペックはインセクトタイプの方が高そうだ。
一度にたくさんの手で機械や楽器などが操作できるし、たくさんの目でいろんな情報を捉えることができる。
シンが考え込んでいると何かを感知したのか何人かの子供達が集まってくる。
子供達に取り囲まれて不思議そうしていると子供達の形状が変わっていく。
大きな複眼が2つと小さな複眼が4つ。
2本の触角。
4本の腕に2本の足。
光沢のある外骨格。
小さな仮面ラ◯ダーの様だ。
ピータンが笑っている。
「かわいいだろう?普段はヒューマノイドタイプに合わせて変態することができるんだよ。」
ピータンがニコニコして子供達の頭を撫でる。
「インセクトタイプは変態するのが得意だし性格が優しいから合わせてくれるんだよ。素敵だろう?」
「シンなら大丈夫だと思って変態を解いたんだよ。」
本当はインセクトタイプの種族はいっぱいいるけど姿を見せないようにしているって事なんだ。
虫嫌いな人多いからなー。
うーむ宇宙は面白いなー。