第54話 第5683次宇宙大戦1

文字数 1,074文字

航行の方法は各種属で違うし、次元航行など実体化して来ないと索敵に引っかからないので戦闘は唐突に始まる。

なぜ始まったのかを説明出来る者はいないように思う

まだまだ手付かずの宙域はたくさんあるしそこにどの程度の進化度合いの種族がいるのかも未調査だったりする。

進化度合いが低ければ好戦性が強いって言うのは偏見で、強力な武力を持つ高度知性体も存分に好戦的だ。

種族が滅びてしまっては進化も何もあったもんじゃないから。

宇宙の広さは計り知れないので宙域は連合が示す所の基準星を中心にして8方向に分割してそこから距離によって辺境度合いを区分していくパラグルピ法で示される。

ところがこの方法だと中心から離れるほど宙域は拡大して曖昧になってしまう。

それでもそれが罷り通るのは連合が辺境にあまり関心がない事の現れかもしれない。

実際の所辺境にそんな高度な知性体種族がいるとは考えにくいし。

当然これは航行座標とは異なる。

航行座標がそんな曖昧だとどこに実体化するのか訳がわからなくなるからね。

航行座標はメルクトロパチル法で宇宙を分割して座標軸を求める方法だ。

具体的には、んーと、あーっと第5知性体の筆者では理解も説明も出来ない。

第2知性体のピータンにでも聞いてみて。

で事件は第16宙域3276区の3丁目6番付近で始まった。

極めてというか、全くと言って起こり得ない事なんだけどリニア航行中の連合船籍の小型バス(エデンで言うシナイ型)の進行方向に突然船籍不明の宙空艦隊の旗艦が実体化した。

推定では第4.75種知性体の技術レベルでまだアカシックネットワークの存在を知らない。
言わば非Z種族のようだ。

60艦程の艦隊が毎秒5000光年でリニア航行するバスの前方に現れてしまったので緊急停止は間に合わなかった。

やむを得ず前方の艦を次元収納で拿捕する方法で衝突を避けた。

一件ポンっと弾ける様にして旗艦が消えてしまったのだから艦隊は攻撃を受けたと認識してしまった様だ。

「かなり旧式の航法を使っているね。」

ピータンが言う。

そりゃ第2知性体のヴァイ星人からすればそうだろうな。

「なんか戦闘隊形をとっているよ。まずいんじゃない?」

「彼らにとってね。」

「チャネルなのか通信手段が違うのかなんの連絡も来ない。」

ビーム砲らしいもので撃ってきたけどヴァイ製の航行バス「 ピム15」はシールドを展開して弾き返す。

「どうしよう、通信機を持って行って言い訳を聞いてあげる?」

「とりあえず向こうに行ってみればいいんじゃないかな。」

ラドがそう言うとパッと周りの風景が変わる。

おーっいかにも軍艦の中って言う感じの艦橋だ。

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