第37話 ステップアップ
文字数 1,214文字
エデン製航行バス 「シナイ」はM76星団 ウリアレス恒星団の宙政特区に実体化する、惑星ヴァイまではリニア航法に切り替えて5分の距離だ。
「おめでとう。ようやく自星製の航行器が実用化したってわけね。」
星間通商連合の宗主国M76星団 ウリアレス恒星団、惑星ヴァイ統一国家の星間通商連合新規事業部開拓課課長ピータンが言う。
「ピータンに技術や知識を教えてもらったから早い方だと思うわ。」
ZZX295星系ソル恒星系文明レベル第4.5種知性体辺境惑星ペコ改めエデン。
5000年ほど前に第5種から第4.5種に格上げしている。
エデン統合政府副首長アキが感慨深く答える。
第2種知性体であるピータンは技術や知識は与えてくれたが実際の製造については種族として自力開発が必要だと言って製造機械などの輸出も禁止していた。
その頃のエデンには次元航行バスの製造の為の製造インフラがなかった。
まず製造するための機器の開発から取り組む必要があった。
製造する為の機械の部品を作るための道具を製造する機器の開発と言う具合に果てしのない技術開発の連鎖が続いていた。
実際ヴァイ製の人造人間(Artificial Human)アーフは全てを知っていたのだけれどこの件に関しては利用制限がかけられていた。
遺伝子操作によるネオテニー(幼形成熟)化によって老化も寿命もなくなったため開発者はインフラ開発のための技術をどんどん蓄積して停滞することなく進められた。
政府の方針もシンが居続けることで5000年間ブレることがなかった。
「これであなた達エデン人も文明レベル第4種知性体の仲間入りって事ね。」
「改めて星間連合法に基づく連合加盟のための条約の締結をしなくちゃ。」
モニターに映るピータンは第3の目である額の目をまばたきさせて満足そうにしている。
「近頃のエデンのアニメって5000年前に発表された物のスピンオフみたいな作品多くない?」
「そうかな?起承転結だとか三人称だとかのセオリーを吹っ飛ばした新しい物が主流だと思ってた。」
「最近ではフアゲン星の作家の作品が秀悦だよ。」
「原点はエデンにあるのかもしれないけど他の星の作家の作品も面白くなって来たよ。」
この5000年の間にエデンの文化は連合の各星に広まってさまざまなコンテンツが楽しまれる様になったし、模倣し、模倣の域を超えたオリジナルなコンテンツを発信する様になった。
エデンは連合では有名な星なのだ。
巨大な壁面のモニターに無数のコンテンツを同時に表示したエデンの執政府のホールでシンはカレーせんべいをかじっている。
ラドも隣にいる。
「あーっ、アキがいる。」
ラドが声を上げるとシンの周囲の風景が変わる。
唐突にエデン製航行バス 「シナイ」の中に転移した。
ラドは最近アキにも懐いている。
アキは目の前に現れたラドを普通に抱き上げる。
「久しぶりね、ラド。シンも。」
シンはラドに巻き込まれてあっちこっちに転移する。
だいたい、いつも唐突、自由だ。
「おめでとう。ようやく自星製の航行器が実用化したってわけね。」
星間通商連合の宗主国M76星団 ウリアレス恒星団、惑星ヴァイ統一国家の星間通商連合新規事業部開拓課課長ピータンが言う。
「ピータンに技術や知識を教えてもらったから早い方だと思うわ。」
ZZX295星系ソル恒星系文明レベル第4.5種知性体辺境惑星ペコ改めエデン。
5000年ほど前に第5種から第4.5種に格上げしている。
エデン統合政府副首長アキが感慨深く答える。
第2種知性体であるピータンは技術や知識は与えてくれたが実際の製造については種族として自力開発が必要だと言って製造機械などの輸出も禁止していた。
その頃のエデンには次元航行バスの製造の為の製造インフラがなかった。
まず製造するための機器の開発から取り組む必要があった。
製造する為の機械の部品を作るための道具を製造する機器の開発と言う具合に果てしのない技術開発の連鎖が続いていた。
実際ヴァイ製の人造人間(Artificial Human)アーフは全てを知っていたのだけれどこの件に関しては利用制限がかけられていた。
遺伝子操作によるネオテニー(幼形成熟)化によって老化も寿命もなくなったため開発者はインフラ開発のための技術をどんどん蓄積して停滞することなく進められた。
政府の方針もシンが居続けることで5000年間ブレることがなかった。
「これであなた達エデン人も文明レベル第4種知性体の仲間入りって事ね。」
「改めて星間連合法に基づく連合加盟のための条約の締結をしなくちゃ。」
モニターに映るピータンは第3の目である額の目をまばたきさせて満足そうにしている。
「近頃のエデンのアニメって5000年前に発表された物のスピンオフみたいな作品多くない?」
「そうかな?起承転結だとか三人称だとかのセオリーを吹っ飛ばした新しい物が主流だと思ってた。」
「最近ではフアゲン星の作家の作品が秀悦だよ。」
「原点はエデンにあるのかもしれないけど他の星の作家の作品も面白くなって来たよ。」
この5000年の間にエデンの文化は連合の各星に広まってさまざまなコンテンツが楽しまれる様になったし、模倣し、模倣の域を超えたオリジナルなコンテンツを発信する様になった。
エデンは連合では有名な星なのだ。
巨大な壁面のモニターに無数のコンテンツを同時に表示したエデンの執政府のホールでシンはカレーせんべいをかじっている。
ラドも隣にいる。
「あーっ、アキがいる。」
ラドが声を上げるとシンの周囲の風景が変わる。
唐突にエデン製航行バス 「シナイ」の中に転移した。
ラドは最近アキにも懐いている。
アキは目の前に現れたラドを普通に抱き上げる。
「久しぶりね、ラド。シンも。」
シンはラドに巻き込まれてあっちこっちに転移する。
だいたい、いつも唐突、自由だ。