若草物語NEO①
文字数 3,760文字
課題1「若草物語NEO」
作/
~とある世界の
わたしの名前はジョー、活発で男の子みたいな名前だけれど、本当は美人でカワイイ15歳の女の子よ"ジョセフィン・マーチ" というのが本名なの。
だけどわたしは「ジョー」と呼ばれる方が好き!昔から呼ばれているし、言いやすいし、ペンネームでもあるから・・・あっ、実はわたし小説を書いているの、将来の夢は小説家になること、こう見えてコンテストに応募すれば、けっこうイイ線まで行くのよ、まだ本になったことはないけれどね。でもまあ人気作家になるのは、ほぼ決まったようなものだわ、オホホホ・・・
わたしには姉妹が他に3人いるの、長女の「メグ」は16歳、結婚願望が強くて、しょっちゅう婚活パーティに行ってるわ、もともと美人なんだから、黙っていても殿方たちはよってくるのに、
次女がわたし、未来の大作家ジョーよ「ヘミングウェイ」をしのぐ有名小説家になる予定・・って、彼はまだ生まれてなかったわね、ごめんなさい。
三女が「ベス」、わたしとは正反対の性格で、おとなしくて、内気でインドア派、ピアノが上手で、青い瞳の病弱な13歳・・・何、このテンプレのオンパレード?こんな設定が広まってしまったら、はるか遠い島国あたりで「萌え」が発生してしまうじゃないの?
ダメよ、ダメダメ~
そして四女の「エイミー」、おしゃれでおませな12歳、鼻が低いことがコンプレックスみたいだけれど・・・わたしから見ても全然フツウだわ、てか12歳で「わし鼻」とかだったら、そっちの方が異常でしょ?洗濯バサミを鼻に付けるのはおやめなさい!跡が残るわよ。
お母さま(ミセス・マーチ)私たち四姉妹を年子で産んだ、ゴイスーな肝っ玉母ちゃ・・いえ母上様、ウィキペディアで設定読んだら、ぶっとんだわー。
最後にお父様(ミスター・マーチ)は、いま戦争に行ってるの「従軍牧師」として戦場で神様関連のお仕事をしているわ、「牧師」だからプロテスタントよ、カトリックではないから間違えないようにね、外国は宗教にはナーバスだから、海外旅行に行く日本人は注意してね(わたしは何を言ってるのかしら?)
好きなジャンルを書けば良い、と言っただろうがぁ、賞を気にかけるな、とも言っただろ、それとサイトの傾向も調べるな、変な「縛り」が発生してしまうから。気にかけるのは応募規定と文字数だけにしろ、要は面白いものを書きゃ良いんだよ、書きゃー・・
小説家のタマゴのわたしは、今マズい状況なの、新聞社の〆切は明日、でも原稿はまっ白・・ああ、どうしようどうしよう?ほんの短編なんだけど、何も思い浮かばないわ、早く書かなくちゃ書かなくちゃ・・・作家ってこういう点がストレスよね。
ジ~~ッと白紙をながめているジョー・・・
紙とペンって、よく考えたら受けと攻めよね・・
ぺん「ぐへへへぇ・・・その白いカラダをオレのインクで染めてやるぜぇ、うひうひ・・」
紙 「やめてぇ、くだらないギャグとヤオイはガイドラインに引っかかるわよ、没よボツ~」
ぺん「うるせぇ、もうネタがないんだよ!最後の手段つかうしかねーだろうがぁ・・げひひひ」
紙 「キャーッ」
(シュールすぎるかしら?・・・ええい、ままよ、新境地開拓よー)
決意をして書き進めるジョー
やっと今日、地元新聞社に納品してきたわ、四コママンガにでも使ってくれないかしら?
だけどお母さまは、わたしが小説家になるのは反対らしいの、帰って早々に親子ケンカよ。
「ジョー、物書きになるのなんておやめなさい。あなたは女の子なのよ、ブンヤなんて不規則で身体こわすし、嫁にも行くなと言われるのよ!」
「ブンヤじゃないわよ、作家よ、小説家よ!」
「おなじ物書きじゃないの?作家なんて無職がなるものです、不良です」
「無職=不良なんて偏見はヤメテよ、全国のニートやヒッキーの人たちがカワイソウでしょ」
母(その言い方はかわいそうじゃないの?)
「ジョー、お向かいの三軒となりにOHya(オーヤー)氏って人が住んでるでしょ、あの人も仕事はフリーランスなんて言ってるけど、平日の昼間からぶらぶらしてるのよ、あんなオッサンが小学校や中学校の近く歩いてるだけで不審者よ、通報ものだわ!」
「(ひどい言い方ね)そんなことないわ、きっとテレワークなのよ、ほら今感染症で危ないから・・」
「違うわ、きのう道端で会ったので『こんにちは、今日はおやすみですか?』と聞いたら」
「いやーこれからスタバで執筆なんですよ、あそこのラテが好きなんでね。まあフリーは忙しいものです、それじゃ、ヤーハハハハ・・(カンラカンラ)」
「なんて笑っていたけど、ウソね。スタバで見かけた近所の奥さんの話では、ず~っとユーチューブを観ていたらしいわよ、要するにスタバでパソコンを広げるのがステイタス、だと思っているんじゃないの?」
「やめてよ、図星は傷つくのよ!」
「ほとんどの作家なんて、兼業バイトしなきゃ食べていけないボンビー職なのよ!だからダメです、単発デー万(2万)仕事もロクにないくせに、翌々月払いでやっていけるわけないでしょ!」
「に、2並びくらい、ちゃんとあるもん」
お母さまのバカァ・・(暴露しちゃダメじゃない!)
ダダダッ、と部屋を出てゆくジョー
「あっ、待ちなさい」
~ジョーの部屋~
窓際の机でうなだれ、落ち込んでいるジョー
「お母さまはわかってくれない(そして、なぜ詳しすぎるのお母さま?)
「ああ、こんなとき、お父さまがいてくれたら・・」
机にうっぷすジョー
「お父さま、今ごろどうしているのかしら・・・」
傷心のジョーは、窓から空を見上げるのであった。
~つづく~
「バサッ」・・と原稿用紙をカウンターに置く直さん、右手を頭に当て「う~むむ…」と悩んでいるようだ。
(おまえも、たいしたタマだな)
つまりな、ビフォーアフターで例えるなら、土台は昔ばなしでも現代風な家は建つわけで、えっ、これ元は同じモノ?てな感じで「なんとゆうことでしょう、あの古典みたいな話が最新の未来話に・・」ってことだ
わかれよ、鬼退治、孫悟空、海賊・・・要するに昔話や有名な話を土台にしても、組み合わせ、二次創作のさらにリニューアル・・って感じで作れば良いんだよ。
だから女性の活躍や自立などをテーマとした話は、遠回しに‟若草物語”のリニューアル版、といえなくもないんだよ、それが「元が古典でもわからないように書く」ということなんだ