若草物語NEO①

文字数 3,760文字


課題1「若草物語NEO」

作/鎌出狩夫(かまでかるお)


~とある世界の亜米利加(あめりか)、ニューイングランド地方1860年代~


わたしの名前はジョー、活発で男の子みたいな名前だけれど、本当は美人でカワイイ15歳の女の子よ"ジョセフィン・マーチ" というのが本名なの。

だけどわたしは「ジョー」と呼ばれる方が好き!昔から呼ばれているし、言いやすいし、ペンネームでもあるから・・・あっ、実はわたし小説を書いているの、将来の夢は小説家になること、こう見えてコンテストに応募すれば、けっこうイイ線まで行くのよ、まだ本になったことはないけれどね。でもまあ人気作家になるのは、ほぼ決まったようなものだわ、オホホホ・・・


わたしには姉妹が他に3人いるの、長女の「メグ」は16歳、結婚願望が強くて、しょっちゅう婚活パーティに行ってるわ、もともと美人なんだから、黙っていても殿方たちはよってくるのに、()り好みが激しくて、医者とか弁護士以外はNGって・・・高望みしすぎじゃないの?


次女がわたし、未来の大作家ジョーよ「ヘミングウェイ」をしのぐ有名小説家になる予定・・って、彼はまだ生まれてなかったわね、ごめんなさい。


三女が「ベス」、わたしとは正反対の性格で、おとなしくて、内気でインドア派、ピアノが上手で、青い瞳の病弱な13歳・・・何、このテンプレのオンパレード?こんな設定が広まってしまったら、はるか遠い島国あたりで「萌え」が発生してしまうじゃないの?

ダメよ、ダメダメ~


そして四女の「エイミー」、おしゃれでおませな12歳、鼻が低いことがコンプレックスみたいだけれど・・・わたしから見ても全然フツウだわ、てか12歳で「わし鼻」とかだったら、そっちの方が異常でしょ?洗濯バサミを鼻に付けるのはおやめなさい!跡が残るわよ。


お母さま(ミセス・マーチ)私たち四姉妹を年子で産んだ、ゴイスーな肝っ玉母ちゃ・・いえ母上様、ウィキペディアで設定読んだら、ぶっとんだわー。


最後にお父様(ミスター・マーチ)は、いま戦争に行ってるの「従軍牧師」として戦場で神様関連のお仕事をしているわ、「牧師」だからプロテスタントよ、カトリックではないから間違えないようにね、外国は宗教にはナーバスだから、海外旅行に行く日本人は注意してね(わたしは何を言ってるのかしら?)

か~ま~で~、これが投稿作だとぉ~~


(怒りの直さん、背景に炎が見える)


(ギクッ・・・)

誰が「若草物語」をパロれと言ったぁ?しかも全員、女、規定にある恋愛ものにならんだろうがぁぁ?

イヤ、あの・・その・・・(あわてる鎌出)


規定の4人登場人物が思い浮かばなくて、4人出るの何かないかなあって考えていたら、ちょうど4人姉妹だったもので・・つまり姉妹愛ですよ、愛・・(汗)


男が出てこんだろうが?

お、お父様のことを少し言ってます・・親子愛ですよ、愛・・家族です、(きずな)です(汗)

お涙ちょうだい映画のポスターみたいなコピー言ってんなよ、こんなんで読者(きゃく)がつくのか?

(プロデューサーみたいなこと言ってるわ?)

(商業主義者め)

そもそも何で〝若草物語”なんだよ?(おまえらしくないのだが)

ボクはラノベしか持っていないので「ノベルでぃず」みたいな意識高い文学系な所へ応募するなら、昔の名作を参考にした方が良いかなーって思い、女神ちゃんに相談したら・・・

「私の持ってる、唯一の名作小説を貸してあげる」と言って借りたのが「若草物語」なんです

だって女性が主人公の名作でしょ?それ以外はハー●クインロマンスしか持ってないもん(プイッと横を向く女神ちゃん)

好きなジャンルを書けば良い、と言っただろうがぁ、賞を気にかけるな、とも言っただろ、それとサイトの傾向も調べるな、変な「縛り」が発生してしまうから。気にかけるのは応募規定と文字数だけにしろ、要は面白いものを書きゃ良いんだよ、書きゃー・・


小説家のタマゴのわたしは、今マズい状況なの、新聞社の〆切は明日、でも原稿はまっ白・・ああ、どうしようどうしよう?ほんの短編なんだけど、何も思い浮かばないわ、早く書かなくちゃ書かなくちゃ・・・作家ってこういう点がストレスよね。

ジ~~ッと白紙をながめているジョー・・・

紙とペンって、よく考えたら受けと攻めよね・・


ぺん「ぐへへへぇ・・・その白いカラダをオレのインクで染めてやるぜぇ、うひうひ・・」


紙 「やめてぇ、くだらないギャグとヤオイはガイドラインに引っかかるわよ、没よボツ~」


ぺん「うるせぇ、もうネタがないんだよ!最後の手段つかうしかねーだろうがぁ・・げひひひ」


紙 「キャーッ」


(シュールすぎるかしら?・・・ええい、ままよ、新境地開拓よー)

決意をして書き進めるジョー


か~ま~で~・・(またまた、こわい雰囲気の直さん)

何だこれは!親子愛、姉妹愛とか言ったくせに、何で「受け」と「攻め」があるんだよ?

い、いやそれは・・と、特定の購買層を狙ったもので・・・

ど~の購買層を狙っているのかなあ~?頭にBLがつくのが好きな購買層じゃないかなぁ~?(顔を近づけて圧力)

やっと今日、地元新聞社に納品してきたわ、四コママンガにでも使ってくれないかしら?

だけどお母さまは、わたしが小説家になるのは反対らしいの、帰って早々に親子ケンカよ。


「ジョー、物書きになるのなんておやめなさい。あなたは女の子なのよ、ブンヤなんて不規則で身体こわすし、嫁にも行くなと言われるのよ!」


「ブンヤじゃないわよ、作家よ、小説家よ!」


「おなじ物書きじゃないの?作家なんて無職がなるものです、不良です」


「無職=不良なんて偏見はヤメテよ、全国のニートやヒッキーの人たちがカワイソウでしょ」


母(その言い方はかわいそうじゃないの?)

「ジョー、お向かいの三軒となりにOHya(オーヤー)氏って人が住んでるでしょ、あの人も仕事はフリーランスなんて言ってるけど、平日の昼間からぶらぶらしてるのよ、あんなオッサンが小学校や中学校の近く歩いてるだけで不審者よ、通報ものだわ!」


「(ひどい言い方ね)そんなことないわ、きっとテレワークなのよ、ほら今感染症で危ないから・・」


「違うわ、きのう道端で会ったので『こんにちは、今日はおやすみですか?』と聞いたら」


「いやーこれからスタバで執筆なんですよ、あそこのラテが好きなんでね。まあフリーは忙しいものです、それじゃ、ヤーハハハハ・・(カンラカンラ)」


「なんて笑っていたけど、ウソね。スタバで見かけた近所の奥さんの話では、ず~っとユーチューブを観ていたらしいわよ、要するにスタバでパソコンを広げるのがステイタス、だと思っているんじゃないの?」


「やめてよ、図星は傷つくのよ!」


「ほとんどの作家なんて、兼業バイトしなきゃ食べていけないボンビー職なのよ!だからダメです、単発デー万(2)仕事もロクにないくせに、翌々月払いでやっていけるわけないでしょ!」


「に、2並びくらい、ちゃんとあるもん」


お母さまのバカァ・・(暴露しちゃダメじゃない!)


ダダダッ、と部屋を出てゆくジョー


「あっ、待ちなさい」



~ジョーの部屋~


窓際の机でうなだれ、落ち込んでいるジョー


「お母さまはわかってくれない(そして、なぜ詳しすぎるのお母さま?)


「ああ、こんなとき、お父さまがいてくれたら・・」


机にうっぷすジョー


「お父さま、今ごろどうしているのかしら・・・」


傷心のジョーは、窓から空を見上げるのであった。


~つづく~

「バサッ」・・と原稿用紙をカウンターに置く直さん、右手を頭に当て「う~むむ…」と悩んでいるようだ。

えーっと、なあ鎌出、ぶっ飛んでる内容は良いとして・・・

(えっ、良いんだ?)

ネタが思い浮かばないから二次創作に走るのも、素人だからしょうがないとして・・・

(しょうがないのか?)

もっとわからないようにやれ・・

はぁ??

例えば、キ〇ツって鬼退治の話だろ、何かジョ〇ョにも似ているという噂も・・

ワーワー(両手を前に出し、さえぎるしぐさの鎌出)

ドラゴ〇ボールは孫悟空な、神様より強くなったらどうすりゃええねん?という話、戦いがいつまでも終わらないと、ああなる

ワン〇ースは海賊の話で、不思議の国のアリスのように、不思議な能力を持つ相手とバトルでクエストをクリアして進んでゆく話だな・・

ジャンプ系ばかりですね(もうあきらめた)

すまん、じゃあ雄弁会で・・ってそっちのほうが(まず)いだろ

バレたか、あははは

(おまえも、たいしたタマだな)

つまりな、ビフォーアフターで例えるなら、土台は昔ばなしでも現代風な家は建つわけで、えっ、これ元は同じモノ?てな感じで「なんとゆうことでしょう、あの古典みたいな話が最新の未来話に・・」ってことだ


わからないですよ


(いちいち古いのよね・・)

わかれよ、鬼退治、孫悟空、海賊・・・要するに昔話や有名な話を土台にしても、組み合わせ、二次創作のさらにリニューアル・・って感じで作れば良いんだよ。


だから女性の活躍や自立などをテーマとした話は、遠回しに‟若草物語”のリニューアル版、といえなくもないんだよ、それが「元が古典でもわからないように書く」ということなんだ


はあ?そういうものですか?


うーむむむ・・(わかってない)

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登場人物紹介

鎌出狩夫(かまでかるお)

元人間の死神、転生の後、神の世界で1000年の修業期間中である。

「鎌出」というのは仮名、ほんらい神に名前はない、人間がそう呼んで分けているだけである。

豆知識だが、神々はすべて変身能力を持っている。

女神ちゃん(イナンナ)

再生神の一人である。「ひとり」というのは再生の部署にいる女神たちは皆「イナンナ」と呼ばれるから。

部署名と言っても良いのだが、女神ちゃんは源氏名として使っている。

大矢 直(おおやなお)

作者、元映像業界人。関西人っぽいが、新橋駅の烏森《からすもり》口を知っていたり、存在しない駅下の焼きそばうめえ!とか言ったり、現実と違う言い分が多々あるのは、違う世界だから。

正体は異世界から来た手相のお化け、人ではない。四角い見た目はHDD(ハードディスクドライブ)で、その中に大矢直の記憶が入っている、性格も似たようなモノ、鎌出の魔方陣によりD-26世界から召喚された。

バッカス神

ワインの神様だけど、一般的にはお酒の神。若いころはヤンチャしてました(てへぺろ)

今は落ち着いてバーテンをやっております。経験値はあるので、若い神様がときどき相談に訪れるという。

アッセン先輩

あっせん所の先輩だから「アッセン」、女神ちゃんと同じく部署名を呼び名として使っている。

少々のオタク気質あり、90年代のオタク悪評判に詳しい。空間をつなげる能力を持つ。

占い師

いろいろな占いにも詳しく、カウンセラーみたいなこともできる。よく考えたら占い師って凄いなあ

女神長・オーナー・占い師 【ペルセポネー 】

神話の時代から存在する第1級女神-創成と破壊の能力を用いて、宇宙空間に世界を構築した、

他の神々からも一目を置かれている。

「アマテラス」ではお世話になりました―! m(-_-)m

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