テーマは選ばない

文字数 3,223文字


なるほど、(しゃべ)るといろいろと差しさわりがあるから文書なんですね

(上京して無口になった大学生みたいだな)


(文書でもあまり変わってないと思うけど・・)


自分語りは個人ブログでやれば良いことだ、それを講談社公式のサイトでやって良いのか?ふーん、そう・・じゃあ自分も書こうかな、って思い書き始めたんだよ、

何かヘンな方に向かっている気がしてね


ヘンな方向?


そもそも投稿なら「新人」が多いだろ、まだチャレンジも失敗経験もたいしてないだろうに、受ける書き方は何ですか?賞とれるのはどんなテーマですか?PV増やすにはどうしたら?等々、楽して稼ぐ思考、としか思えんな(まあ古株で投稿歴長くて、そんな考えならもっとヤバイけどな)


・・・・・


そういった人たちは、他人に聞いて小説を書くのか?編集者と偉い先生がこれを書けと言ったら、言われた通りに書くのか?小説って自由なものじゃなかったか?マニュアル?こつ?長文=大作と勘違いして◯◯賞ゲットだぜ、とか本気で思っているのか、

どうなんだ?


(これは(きび)し目タイプの人だな・・うーんどうしよう?)


・・ぜ、全部がそうだとは思いませんけど、あるていどの書き方、ノウハウは知っておいたほうが良いのでは?通りやすくはなるでしょうし


けっきょくそこかよ?〇〇に受かる方法とか、△△賞をもらうノウハウ、そう思った瞬間から、行動は審査員のごきげんとり、忖度(そんたく)に変わるんだよ!賞の傾向を調べ、会社を調べ、審査員作家のタイプを調べ始めるんだよ!


そ、そうなの?


少し古いがリデビュー座談会は読んだか?あのチャットのな。編集者が入ると『御社ではどのようなジャンル・傾向の作品を望んでますか?求めてますか?』と、いうような会話になっていただろう、つまりは聞き出そうとしてるわけだよな


えっ、そうですか?普通の会話じゃなかったですか


遠まわしに聞き出そうとしてる感がありありとわかる、あたりさわりのない会話から入って?ジャンルとは?テーマとは?とはとは・・で、修飾語を全部取り払い平たく言えば『けっきょく何が受けるんですかねえ?』だろ


そこですか?


自分の書きたい小説より、人気なもの、(しゅん)なもの、賞に通りそうだと思うものに変えてしまうのだよ。重い、軽い、ミステリ、あやかし、探偵もの、あの賞はファンタジー性が強い、この賞は推理モノが得意、って感じで、クククク・・


はあ?


バレバレなんだよ、ジャンルを言ってくれなきゃ書けないのかよ?一応プロだろあんたら


いやいや、まずいでしょ、その言い方は・・


じゃあ「クライアントに要望を(うかが)っている下請(したう)けの皆さま?」

そういうことにしときますね


ヒヤヒヤ・・()


(その例えは当たらずとも遠からずだけどぉ・・)(いやいや)


それでも、なんとか食い下がる鎌出


し、しかし傾向というのは必要でしょ、まさか「青い鳥文庫」に官能的な話を書くことはできないですし・・


べつにいいじゃねーか「青い鳥文庫」なら読者は思春期だ、軽~いエッチな話は逆に興味を引きつけると思うぞ。キャラでダイナマイトボディのお姉さんを出すとか、ゲームやアイドルとかティーンズが喜びそうなネタは入れた方が良いだろ。これは話を変えろって意味じゃないぞ、思春期読者が興味もちそうなアイテムや設定を入れて話を作れ!ということだ、そして目覚めさせろ!


(なにを目覚めさせるんだよ?)


あくまで軽くだ、極端なエロはダメだ、でもそういうのがワンポイントになるんだよ。

キャラ付け、魅力、どうしてそうなったのかでストーリーとからめても良い


う~、それってノウハウじゃないですか?


そうか?オレが言いたいことは「受けるテーマをあれこれ捜すんじゃなくて、書きたい物語を書けってことだよ、それを補完するために流行りを使うのはアリ」ってことだよ


うー・・・(困惑する鎌出)


何なら政治談議を書いても良いんだぞ、子どもに受けるかどうかは別だけどな()


受けるわけないでしょ!


じゃあこうすれば・・・


ジャポンどうぶつの森、ジミーン村ではひさしぶりにそんちょうをきめることになりました。

ジミーンむらのそんちょうは「ソーサイ」と呼ばれます、ジミーン村は大きいので、ソーサイはけっきょくどうぶつの森のゆくすえをきめる、ソーリとよばれるえらい第二形態(だいにけいたい)にへんかするのです。

えらぶのはジミーンの村びとたちがとうひょう、というしくみで決めます、村びとひとり1ぴょうで、いちばんおおくのひょうをあつめたこうほが勝ちです。

こんかいのこうほどうぶつは4(ひき)です、みんな、ひょうを集めようと、むらびとに受けようと、やりたいこと(せいさく)を言いあっていました。


キジのキシー「森の食料(しょくりょう)は何がよいだろうか?まずはみんなのいけんをきいてみよう」

クマのコーノ「サケとハチミツにきまっとろーが」

きつねのノダー「ハチミツ食べたら体が黄色くなるわ(ウソ)、まるでくまの●ーさんね」ピー

キシー「いかん、その言葉はイカンざき(古い!)ディ●ニーを使うのは、ピー、ヤバイんだって」ピー

ねこのサナエ「このピー音はなにかしら?」

キシー「ぎじろくさくじょ、キツツキきろくがかりは止めてください」ピーピー

サナエ「じゃあ村の主食(しゅしょく)はすべて、コメからお好み焼きに変えますニャン」

ノダ―「なんで?イヤよ、同じ小麦ならパンケーキにしてよ」

サナエ「お好みやきは飲みものだニャン、タコ焼きと、くし焼きを合わせ、サナエのミックス焼きという、三本のヤきものをメインにしたしょくりょうせいさくを・・・」

コーノ「きゃっかだー、たんすいかぶつは地球に悪い!」

サナエ「なんでやねん、タコ焼きおいしいやろ?小麦サイコー」

コーノ「何で関西弁なんだよ」

キシー「おまえクマはクマでも、じつはパンダだろ?」

あわてるコーノくま、

コーノ「ち、ちがうぞ()これは温暖化の影響と環境破壊で、毛が突然変異を起こしただけだ、オレはかんきょうとはちみつ推しだ!太陽光発電サイコー!」

サナエ「粉もんや、こてこてなんやー」

ノダ―「ここは関東でしょ」

コーノ「だまれ、かませ犬が」

ノダー「犬じゃないわよ、キツネよー!」

キシー「ぶんしゅんほう、さくれつ!」


(び、びっくりしたぁー!いきなりだけど、話は書けるんだな、でも・・)


これは()・・いったいどこから突っ込んだら・・


あははは・・いいじゃない、これなら子どもでも読めるんじゃない?(わかる人しかわからないけど)


危険すぎるだろ、漢字も急に増えたし


な、アレンジすれば何だって書ける、だからテーマは何でも良いと言ったんだよ、なのに求めるテーマは何ですか?ジャンルは何ですか?と聞いてくる、情けない、それでもプロか?プロなら「オレが書いた、出せ、変更はない!100万部はいくはずだ、出せ!」と根拠がなくても言うものだろう?

根拠もなくって、なんだよ、そりゃ?


ブームに乗るんじゃなくて、ブームを起こすのが本当のプロフェッショナルってことさ。

これから流行るものなんて編集者にだってわからないのだよ、だから何でも良いです、って言うんだ、出版(むこう)だって新たなIPを捜しているのだから

(たしかに業界人の目線ね・・・)


だいたい「自分はファンタジーが得意だ!」なんてナゼわかるんだよ?

人から()められたからか?じゃあ歴史もの書いて他人が褒めたらそっちに変えるのか?


それは・・通りやすくはなるかも?だし・・


お前は賞を分析する仕事でもしてるのか!? 賞を調べて詳しくなれば、その賞が取れるとでも言うのか?今まで何十人(何百人)が同じことをしてきたと思っているんだ?それで彼らは全員、賞をもらったのかね?


「・・・・」  (黙り込む)


だろう、間違った方向への、頭のリソース無駄使いは止めるんだ。まずはそこからだ


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登場人物紹介

鎌出狩夫(かまでかるお)

元人間の死神、転生の後、神の世界で1000年の修業期間中である。

「鎌出」というのは仮名、ほんらい神に名前はない、人間がそう呼んで分けているだけである。

豆知識だが、神々はすべて変身能力を持っている。

女神ちゃん(イナンナ)

再生神の一人である。「ひとり」というのは再生の部署にいる女神たちは皆「イナンナ」と呼ばれるから。

部署名と言っても良いのだが、女神ちゃんは源氏名として使っている。

大矢 直(おおやなお)

作者、元映像業界人。関西人っぽいが、新橋駅の烏森《からすもり》口を知っていたり、存在しない駅下の焼きそばうめえ!とか言ったり、現実と違う言い分が多々あるのは、違う世界だから。

正体は異世界から来た手相のお化け、人ではない。四角い見た目はHDD(ハードディスクドライブ)で、その中に大矢直の記憶が入っている、性格も似たようなモノ、鎌出の魔方陣によりD-26世界から召喚された。

バッカス神

ワインの神様だけど、一般的にはお酒の神。若いころはヤンチャしてました(てへぺろ)

今は落ち着いてバーテンをやっております。経験値はあるので、若い神様がときどき相談に訪れるという。

アッセン先輩

あっせん所の先輩だから「アッセン」、女神ちゃんと同じく部署名を呼び名として使っている。

少々のオタク気質あり、90年代のオタク悪評判に詳しい。空間をつなげる能力を持つ。

占い師

いろいろな占いにも詳しく、カウンセラーみたいなこともできる。よく考えたら占い師って凄いなあ

女神長・オーナー・占い師 【ペルセポネー 】

神話の時代から存在する第1級女神-創成と破壊の能力を用いて、宇宙空間に世界を構築した、

他の神々からも一目を置かれている。

「アマテラス」ではお世話になりました―! m(-_-)m

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