始まりの召喚2

文字数 1,087文字


ところで鎌出さん、ずいぶん言葉使いがていねいになったのね、仕事して丸くなったのかしら?


もともとこうだよ、無職のころは荒れてて素行(そこう)が悪かっただけさ

自慢にはならないわね


でも、この身体(からだ)になってからは落ち着いたし、あまり眠らなくても良いみたいなんだ。

不思議だけど・・・


そうね、死神だって神のひとつよ。神様は24時間年中無休の世界なのよ、

眠るときは悠久の時間で1000年~1万年くらい眠るか、または封印されたときくらいかしらね


そうだったのか、実は眠れなくてヒマだから、投稿小説にはまってしまってね


えっ、学校に入ったの?


ガタッ、とイスから崩れる鎌出


そ、その登校じゃなくて、小説や文章をネットの投稿サイトに送る投稿だよ(汗)


あら、そっちの投稿ね


でもやってみると意外に難しくて、異世界モノとか簡単に書ける、とか思っていたんだけど、なかなか進まなくてね・・


ふ~ん・・


そうだ!


(鎌出は何か気づいたらしい)


ならば小説家とか編集者とか・・そういった人に聞けば良いんだよ!


えっ?どういうこと


そういう仕事をしている人たちに聞けば、人気が出る話とか書き方を、知っているかもしれないじゃないか?


そうかしら、でもどうやって呼ぶの?


「召喚術」を使うんだよ!


召喚術なんて、できるの?


この本を見て覚えたんだよ


そういって鎌出が懐から出したのは、

ミハエル・シュティーフェル著(16世紀ドイツの数学者)『魔方陣の研究』だった。


(魔方陣って、ほんらいは数学の一種じゃなかったかしら?)


女神の疑問もよそに、鎌出はカウンター(すみ)の丸椅子にマジックで何やら描き始めた。


ちょっとおー、店のイスに描かないでよ!


模様だよもよう、綺麗に描くから大丈夫だって、輪郭が丸いから簡単さ


(そうこう言ってる間に、鎌出は描き切ってしまった)


できたぞ、じゃあ早速やってみよう


鎌出は人差し指を、陣の中心に置く


~エロイムエッサイム、エロイムエッサイム・・


何か古い映画みたいな呪文ね


我は求める・・人間界の作家・編集者・業界人を召喚せよ、オーム!!


(ピカッ!魔法陣が光った!)


(単純すぎるわ?)

ピカッ!ボウン、パららら~~✨きらきら~・・


音と白い煙が舞い上がった、そして煙が晴れると・・


・・ヘンな四角い形をした人間の言葉を話すモノが出てきた。


・・あれ?\(゜ロ\)ココハダレ?
(
/ロ゜)/オレハドコ?


(人物と場所がゴッチャになってるわ)


キョロキョロと周りを見渡す四角いヘンな物体だった・・・


                              ~つづく~

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

鎌出狩夫(かまでかるお)

元人間の死神、転生の後、神の世界で1000年の修業期間中である。

「鎌出」というのは仮名、ほんらい神に名前はない、人間がそう呼んで分けているだけである。

豆知識だが、神々はすべて変身能力を持っている。

女神ちゃん(イナンナ)

再生神の一人である。「ひとり」というのは再生の部署にいる女神たちは皆「イナンナ」と呼ばれるから。

部署名と言っても良いのだが、女神ちゃんは源氏名として使っている。

大矢 直(おおやなお)

作者、元映像業界人。関西人っぽいが、新橋駅の烏森《からすもり》口を知っていたり、存在しない駅下の焼きそばうめえ!とか言ったり、現実と違う言い分が多々あるのは、違う世界だから。

正体は異世界から来た手相のお化け、人ではない。四角い見た目はHDD(ハードディスクドライブ)で、その中に大矢直の記憶が入っている、性格も似たようなモノ、鎌出の魔方陣によりD-26世界から召喚された。

バッカス神

ワインの神様だけど、一般的にはお酒の神。若いころはヤンチャしてました(てへぺろ)

今は落ち着いてバーテンをやっております。経験値はあるので、若い神様がときどき相談に訪れるという。

アッセン先輩

あっせん所の先輩だから「アッセン」、女神ちゃんと同じく部署名を呼び名として使っている。

少々のオタク気質あり、90年代のオタク悪評判に詳しい。空間をつなげる能力を持つ。

占い師

いろいろな占いにも詳しく、カウンセラーみたいなこともできる。よく考えたら占い師って凄いなあ

女神長・オーナー・占い師 【ペルセポネー 】

神話の時代から存在する第1級女神-創成と破壊の能力を用いて、宇宙空間に世界を構築した、

他の神々からも一目を置かれている。

「アマテラス」ではお世話になりました―! m(-_-)m

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色