第三十三話 交渉するなら得をしろ

文字数 546文字

 団体交渉をする日時も決まった――となると、交渉するテーマを考えなければならない。
 元々の目的は一矢報いることだった。
 しかし、どうやるか。なにをもって叩きのめすか。厚労省と国税局の考えという秘策は持っている。この武器をどう活かすべきなのか。これが最重要ポイントになる。

 労務をきちんと行うことによって、労働環境はよくなるのである。これは厚労省に確認した労働安全衛生法第71条の3第1項の改善提案にもなるわけだ。
 これまで給与明細がすぐに出ないとか(私以外の人たちはあまりにも日常化されていたため遅れたところでいつものことと気にも留めていなかったが)保険証が一ヵ月も先になるとか(たった一回のことなのでもらえば忘れるけれど)離職票の手続きがとにかく遅くて困るとか(過去辞めていった人たちもたいへん苦労したらしいが苦情は出なかったらしい)いうことが今後いっさいなくなるとしたらどうだろう。今なお、会社に残って働く人たちは少なくとも私に嫌な感情は抱かないのではないだろうか。
 どうせやるならとことん自分得になるようにすべきだ。そうでなければ辞めたあとにわざわざ交渉する意味がない。

 会社に向かう前にユニオンさんと合流。そこで話し合いについての打ち合わせをして、ついに会社へ向かうことになったのだ。

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