第二十四話 不交付申請したいんです
文字数 1,027文字
雇用保険、国民健康保険、国民年金免除とさまざまな申請を行い、雇用保険説明会にも参加。
一月の半ばに会社を辞めて、これらのことをやっている間に二月へと突入。
しかしながら12月分の給与明細は一向に届かないのである。
月末締めの25日払い。本来なら給与が振り込まれると同時にもらっているべきものである。いや、これまでは給与明細を遅れてもらうなんてことがなかったのだ。辞めた会社であろうとも、給与が振り込まれて2~3日もすれば自宅のポストに書類が届いていた。にもかかわらず、1週間近く経ってもまだ届かないのである。
所得税の件もある。雇用保険料の件もある。できることならしっかりと明細を確認したいというのに、書類が手元へやってこないということで、私のイライラは募るばかりだった。
そこでどうにか会社へ圧力をかけられないかと思って、管轄の税務署へ相談の電話を入れてみた。
『不交付申請をしていただければ結構ですよ』
と、今回は案外簡単に解決方法を教えてもらえたので、いざ税務署へ。
前回と違って働き盛り30代半ば中堅職員さんといった感じの男性だったが、とにかく淡白なしゃべり方なのだ。こちらがどれほど熱く訴えても、一瞬で熱を凍らせるほどだった。
それでも私は粘り強く交渉する。
いろんな役場に行って、いろんな職員さんに同じことを何度も説明してきたのだが、人が変わっているにも関わらず、対応は皆同じなのである。
塩対応というのか、そうすることがクレーム回避になるのか、マニュアルにそって対応しているのか、私にはちっともわからないのだけれど、とにかく情に訴えようとも響かないのである。
むしろ、そうやって熱弁を振るえば振るうほど、対応してくれなさに苛立ちと悲しみが増幅されていく。
彼らが悪いわけではない――そんなことはわかっていながらも、公務員め、こんちくしょう! と怒鳴りつけてやりたくなる衝動に駆られてしまうのだ。
しかしどれほど嫌な思いをしたとしても、相手から親切に教えてくれることはない。なんでも自分からやりたいと言わねばならないし、動かさねばならないのだ。それが役所である。
マスクを外して笑いさえすれば、きっとイケメンであろう冷徹な職員さんの対応に、私はぐっと怒りをかみ殺した。明らかに面倒くさいといった様子にも目をつむった。それどころか「お手間おかけしてすみません」と頭を下げていた。こうしてやっと不交付申請することに納得してもらえたのである。
一月の半ばに会社を辞めて、これらのことをやっている間に二月へと突入。
しかしながら12月分の給与明細は一向に届かないのである。
月末締めの25日払い。本来なら給与が振り込まれると同時にもらっているべきものである。いや、これまでは給与明細を遅れてもらうなんてことがなかったのだ。辞めた会社であろうとも、給与が振り込まれて2~3日もすれば自宅のポストに書類が届いていた。にもかかわらず、1週間近く経ってもまだ届かないのである。
所得税の件もある。雇用保険料の件もある。できることならしっかりと明細を確認したいというのに、書類が手元へやってこないということで、私のイライラは募るばかりだった。
そこでどうにか会社へ圧力をかけられないかと思って、管轄の税務署へ相談の電話を入れてみた。
『不交付申請をしていただければ結構ですよ』
と、今回は案外簡単に解決方法を教えてもらえたので、いざ税務署へ。
前回と違って働き盛り30代半ば中堅職員さんといった感じの男性だったが、とにかく淡白なしゃべり方なのだ。こちらがどれほど熱く訴えても、一瞬で熱を凍らせるほどだった。
それでも私は粘り強く交渉する。
いろんな役場に行って、いろんな職員さんに同じことを何度も説明してきたのだが、人が変わっているにも関わらず、対応は皆同じなのである。
塩対応というのか、そうすることがクレーム回避になるのか、マニュアルにそって対応しているのか、私にはちっともわからないのだけれど、とにかく情に訴えようとも響かないのである。
むしろ、そうやって熱弁を振るえば振るうほど、対応してくれなさに苛立ちと悲しみが増幅されていく。
彼らが悪いわけではない――そんなことはわかっていながらも、公務員め、こんちくしょう! と怒鳴りつけてやりたくなる衝動に駆られてしまうのだ。
しかしどれほど嫌な思いをしたとしても、相手から親切に教えてくれることはない。なんでも自分からやりたいと言わねばならないし、動かさねばならないのだ。それが役所である。
マスクを外して笑いさえすれば、きっとイケメンであろう冷徹な職員さんの対応に、私はぐっと怒りをかみ殺した。明らかに面倒くさいといった様子にも目をつむった。それどころか「お手間おかけしてすみません」と頭を下げていた。こうしてやっと不交付申請することに納得してもらえたのである。