第十五話 たくさんお医者さんに行かないでね

文字数 1,005文字

 『医療保険』である社会医療保険について、正社員や非正規社員(一定の条件を満たした場合に限る)が加入することができるものであることは以前説明した。
 今回は前回よりもう少し深く説明する。
 
 年金事務所の回答に私は肩を落とした。とうてい、納得などできるはずもない。
 なぜ、会社側は罰を受けないのだろう。実際は管理義務違反だ。忙しいからできなかった。とりあえず保険証は発行してもらったんだからいいじゃない――では済まされない。
 福利厚生は企業が従業員に対して通常の賃金・給与にプラスして支給する非金銭報酬(企業側が半分は負担して加入するものであるから)なのだ。
 それをおろそかにすることはすなわち、社員を雑に扱っているのと同じなのである。

 このときの冗談は本当に笑えなかった。いや、冗談だってこんなことを言うべきではないはずだ。それに加えて、この人物が経営しているのは人を助ける事業である。しかも健康に不安を抱えるお年寄りたちなのだ。相手の立場になって考えろ、行動しろ、寄り添えという姿勢で仕事をさせられるのに、当の従業員はそういうものを上司からいっさいうけられないとはこれいかに――である。

 ちなみに私がケアマネの研修をうけたときにこんなことを言っていた講師の方がいた。

「いいケアを上司に受けた経験がある人、または受けている人は、利用者さんに対しても同じようにいいケアを返すことができる」

 この言葉を私は今でもすごく覚えている。おそらくこれは上司だけではなくて、家庭においても同じことが言えるだろう。両親からいいケアを受けて育てば、子供は同じことを自分たちの子供に返していく。反対につらい経験(DVなど)も連鎖していってしまうのは、まさにこれなのだと思う。
 だからこそ会社においても、自分たちを大事にしてくれるところを選ばねばならない。大事にしてくれる会社だったら一生懸命に働きたくなるものだ。

 話を戻す。とにかく給与明細に雇用保険料が取られていることが明記されているのは一大事。これは違法になるのではないかとかすかな希望を抱きながら、私はハロワへ相談に向かうのである。

※社会医療保険は『扶養家族』分の金額は別にとられることはない。本人が加入すれば、扶養家族制度を利用するだけでいいのである。ここが国民保険との違い。無職になって、国民保険か社会保険課悩んだときはどちらがより安く済むのか検討することをおススメする。

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