ある男2

文字数 992文字

カランコロン




....






店の入口で立ち尽くす男













ママ「、、、、なに? また来たの?」




ママ「話すことなんて、もうないわよ」












男「.........」







ママ「なに? 何も用事ないなら帰ってよ」







男「...ゆみ、ゆみに会いたくて。顔見たくなって..」













ママ「、、、、あら、、そう... わがまま言わないって約束するなら、、いいわよ 」














うなずく男





ママ「..座る?」





カウンター席に、座ってと、促すママ












おすぃぼりと温かい緑茶を出すママ










.......












........








.




.......














ボコボコボコボコ.........シュッ シュッ......










お鍋に火をかけていて、沸騰しているお湯の音だけが、聞こえてくる








何も話してこない男に、ママが話しかける

ママ「..最近は、どうなの? いそがしい..? 仕事はがんばってるの..?」






男「、、、変わらずだよ。」




ママ「みーちゃんは げんき?」












みーちゃんとは、ママがこの男と同棲していた時に、飼っていたキジトラの猫で、 ママが当時可愛がっていた











男「あぁ。げんきだよ」









ママ「そう。よかった。 ちゃんとご飯もあげてるのね。 網戸閉めておかないと、あの子、いつの間にか、外に出てってちゃうのよね。 」








ママがみーちゃんの事を思い出して、下向きかげんに、微笑む。














男「、、、ゆみ、、。 戻っきてくれないか」





ママ「、、、、、、、、、、、、、、、」















沈黙











ママ「、、前も言ったでしょ? 無理だって.. 私この仕事してるし、、あなたが思い通りにはいかないし、あなたが想像してるような女じゃないのよ。 」









男「わかってる。 俺も前とは違う。 理解してる」




そう言うと、男はカウンター越しに身を乗り出し、ママの肩を抱き、ママの唇を奪った






ママ、抵抗するが、力強く離れられない。



そのうち、ママは
(この人、そういえば、キスが優しくて上手だったな、、)と思い出して、
みーちゃんと三人で過ごした楽しかった頃も
思い出して、
その気持ちよさに、
ママは抵抗しなくなっていった。








あらららららら....ママ。。。









カラン..

善次郎 「こんに.. あっ!失敬..(小声)」




二人は善次郎に気づかず、
善次郎すぐ店のドアを閉める







商店街を抜け歩く善次郎

父親みたいな温かみのある表情で少し微笑みながら独り言をつぶやいた。



「久々に、依子さんのとこに電話でも、してみるかなぁ」








( 幸せになれ ) と
皆の日々の幸せを願う善次郎だった







つづく









ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み