本気? それとも天然?

文字数 449文字

 「輝羽。よくやったわね。」

 「ああ。()(むすめ)ながら 立派だった。」

 「私たちは、本当に幸せね。

 あんな素晴らしい娘に恵まれて。」

 「ああ。」

 「もう一度、皇帝陛下にお逢いしたいわ~。

 あんなステキな方、きっと どこを探しても

見つからないわよ。

 『麗ら』さまがうらやまし~い~。」

 「君は、私が傷つくようなことを あっけら

かんと言うところがあるんだよな。」

 「あ~ら。

 私は、ただ正直に 思ったことを言った

だけよ。

 どちらにしろ、相手は 人間じゃないし。

 結ばれることはないわよ。」

 「そうか?」

 「あらっ、そうよ。」

 「それも 当人同士次第だろ?」

 「でも、たとえ陛下にプロポーズされても

私、首を縦には振らないわ。」

「どうして? 

 言ってること、矛盾してるんじゃないか?」

 「してないわ。

 やっぱり 導光さんが 一番好きよ。」

 「は~~~? 

 君は いつもそうやって 私をからかうんだ

よな~。」

 「からかってないわよ。

 私は、いつも本気よ。」

 「ああ、そうだよ。 

 君は、いつも 本気だよっ。」

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登場人物紹介

昇龍 導光《しょうりゅう どうこう》


代々続く祈祷師の家系に生まれた。昇龍家第四十八代当主。五十歳。

非常に高い霊能力を持つ。

ダンディで背が高く、スポーツマン。 

物腰柔らかで一見祈祷師には見えない。

導光が愛するものは何といっても龍と家族そしてスイーツ。

持って生まれた類まれなる霊能力と格の高い魂で、様々な視えざる存在と対峙しながら

迷える人々を幸福へ導くことを天命の職と自覚し、日々精進を重ねるまさに正統派の祈祷師。

昇龍 輝羽《しょうりゅう てるは》


導光の娘。ニ十歳。 

聖宝德学園大学 国際文化学部二年生。両親譲りの非常に高い霊能力の持ち主。

自分の霊能力をひけらかすこともなく、持って生まれたその力に感謝し、

将来は父のような祈祷師になりたいと思っている。

龍と月に縁がある。

龍を愛する気持ちは父の導光に劣らない。

穏やかな性格だが、我が道を行くタイプ。

自分の人生は自分で切り拓くがモットーで、誰の指図も受けないという頑固な面がある。 

昇龍 澄子《しょうりゅう すみこ》


導光の妻。四十七歳。 

元客室乗務員。導光とは、機内で知り合った。

現在は、息子の縁成とともにイギリスに滞在中。

かつて偉大な巫女であったという前世を持つ。

導光同様、非常に高い霊能力と癒やしの力で多くの人々を内面から支え、癒やしながら心を修復し、

本来の自分を取り戻せるよう救える人物。

桜と龍に縁がある。

性格は、かなり天然で、かなりズレている。

どこまでが本気で、どこまでが冗談なのか、家族との会話がかみ合わない面がある。 

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