輝羽の転機
文字数 809文字
祈祷師 昇龍 導光は、ここ最近、娘の輝羽 の
背後に薄っすらと浮かび上がる光の気配を感じ
ていた。
(もしかしたら。。。
とうとうその時がやって来たのかもしれ
ない。。。)
あの時。
『赤いバラの花の女神 マリア』からの
依頼で、あるミッションを託されたあの時。
その『マリア』が予言した輝羽 の転機。
導光は、あの場では、あえてそれには深く
言及しなかった。
そうしてはいけなかったからである。
これは、あくまで輝羽 の問題。
輝羽自身が、まず、それに気づかなければ
ならないこと。
その夜、導光は、イギリスのロンドンに
滞在している妻の『澄子 』に電話をかけた。
「導光さんの言うとおりだと思うわ。
いよいよその時が来たのね。」
「ああ。
輝羽が生まれた時。
いつかはこの日がやって来る。。。
そう思ってはいたが。。。
とうとうその時がやって来たようだ。」
「そうね。
あなたの腕の見せ所ね。
輝羽は、あなたに願いを託し、あなたを
父親として選んだのだから。
すぐには無理だけど、一週間以内には
日本に戻れると思うわ。
『縁成 』は里帰りする気はないみたいよ。
イギリスで気の合う友人がたくさんできた
らしくて。
みんな日本が大好きな子たちらしいの。
嬉しいわね。
≪日本人≫として誇りに思うわ。」
「そうだな。
私は、この≪日本≫という国に生まれ、
≪日本人≫として生きてきたこと、誇りに
思うよ。」
「あらっ?
私は、あなたが夫であることが何よりの
誇りよ。」
「Flattery will get you nowhere!」
(日本語訳:お世辞を言ってもダメだよ。)
「まあ。
いつの間にそんな英語を覚えたの?」
「もう昔のことさ。
大学生だったころ、何かでこの言葉を耳に
して。。。
面白い表現だと思って。
ずっと頭にあったんだが、なかなか使う
機会がなくてね。
今、君にそう言われて、
(あっ、やっと使うチャンスが来た!)
そう思っただけさ。」
背後に薄っすらと浮かび上がる光の気配を感じ
ていた。
(もしかしたら。。。
とうとうその時がやって来たのかもしれ
ない。。。)
あの時。
『赤いバラの花の女神 マリア』からの
依頼で、あるミッションを託されたあの時。
その『マリア』が予言した
導光は、あの場では、あえてそれには深く
言及しなかった。
そうしてはいけなかったからである。
これは、あくまで
輝羽自身が、まず、それに気づかなければ
ならないこと。
その夜、導光は、イギリスのロンドンに
滞在している妻の『
「導光さんの言うとおりだと思うわ。
いよいよその時が来たのね。」
「ああ。
輝羽が生まれた時。
いつかはこの日がやって来る。。。
そう思ってはいたが。。。
とうとうその時がやって来たようだ。」
「そうね。
あなたの腕の見せ所ね。
輝羽は、あなたに願いを託し、あなたを
父親として選んだのだから。
すぐには無理だけど、一週間以内には
日本に戻れると思うわ。
『
イギリスで気の合う友人がたくさんできた
らしくて。
みんな日本が大好きな子たちらしいの。
嬉しいわね。
≪日本人≫として誇りに思うわ。」
「そうだな。
私は、この≪日本≫という国に生まれ、
≪日本人≫として生きてきたこと、誇りに
思うよ。」
「あらっ?
私は、あなたが夫であることが何よりの
誇りよ。」
「Flattery will get you nowhere!」
(日本語訳:お世辞を言ってもダメだよ。)
「まあ。
いつの間にそんな英語を覚えたの?」
「もう昔のことさ。
大学生だったころ、何かでこの言葉を耳に
して。。。
面白い表現だと思って。
ずっと頭にあったんだが、なかなか使う
機会がなくてね。
今、君にそう言われて、
(あっ、やっと使うチャンスが来た!)
そう思っただけさ。」
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