《半神》として生まれ変わる

文字数 547文字

 それから『せせらぎ』は、ひたすら修練の
年月を過ごした。

 『せせらぎ』ほどの高潔な魂を持つ存在。

 何度も転生する機会はあった。

 だが、その度に『せせらぎ』は耐えた。

 転生の機をあえて自ら捨て去ってでも
《半神》でありたいと強く願い続けた。


 「「『さえずり』。。。

 すべては、そなたのため。

 (われ)が《半神》となることが、そなたを

(さいわい)へと導くことになる。」」


 『せせらぎ』は、一体どれほど一途(いちず)な想い
を『さえずり』に抱いているのか。

 二人は、共に歩んできた人生を通して、
もはや愛というものを越えた強き絆で結ばれ
ていたのである。


 「「『さえずり』。。。

 どれだけの時を重ねようと。。。

 今度こそ。。。

 今度こそ、きっとそなたを幸せにして

みせる。

 (われ)は誓う。

 再び、そなたの(かたわ)らに立つその日まで、

《半神》となるべく修練に励むと。

 たとえ、それがどんなに過酷な日々で

あろうと。。。

 たとえ、それがどんなに膨大な日々で

あろうと。。。

 そなたの(とな)りに正々堂々と並び立つことが

できた時。

 それこそが、我らにとって新たなる旅立ち

の時。


 (われ)に背中を預けるがよい。

 我が、必ずそなたを導く。

 我は、唯一の味方。

 この我を信じてほしい。

 共に歩めるその日まで。

 この我を待っていてほしい。」」

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登場人物紹介

昇龍 導光《しょうりゅう どうこう》


代々続く祈祷師の家系に生まれた。昇龍家第四十八代当主。五十歳。

非常に高い霊能力を持つ。

ダンディで背が高く、スポーツマン。 

物腰柔らかで一見祈祷師には見えない。

導光が愛するものは何といっても龍と家族そしてスイーツ。

持って生まれた類まれなる霊能力と格の高い魂で、様々な視えざる存在と対峙しながら

迷える人々を幸福へ導くことを天命の職と自覚し、日々精進を重ねるまさに正統派の祈祷師。

昇龍 輝羽《しょうりゅう てるは》


導光の娘。ニ十歳。 

聖宝德学園大学 国際文化学部二年生。両親譲りの非常に高い霊能力の持ち主。

自分の霊能力をひけらかすこともなく、持って生まれたその力に感謝し、

将来は父のような祈祷師になりたいと思っている。

龍と月に縁がある。

龍を愛する気持ちは父の導光に劣らない。

穏やかな性格だが、我が道を行くタイプ。

自分の人生は自分で切り拓くがモットーで、誰の指図も受けないという頑固な面がある。 

昇龍 澄子《しょうりゅう すみこ》


導光の妻。四十七歳。 

元客室乗務員。導光とは、機内で知り合った。

現在は、息子の縁成とともにイギリスに滞在中。

かつて偉大な巫女であったという前世を持つ。

導光同様、非常に高い霊能力と癒やしの力で多くの人々を内面から支え、癒やしながら心を修復し、

本来の自分を取り戻せるよう救える人物。

桜と龍に縁がある。

性格は、かなり天然で、かなりズレている。

どこまでが本気で、どこまでが冗談なのか、家族との会話がかみ合わない面がある。 

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