『さえずり』の悲しき人生
文字数 729文字
力尽き、横たわったまま動かなくなった
傍 へなる者。
『せせらぎ』は、『さえずり』の幼馴染 み
であった。
≪月界帝国≫皇帝の娘として生を受けた
『さえずり』。
その瞬間に、その人生は、すでに決められ
ていたのである。
選択肢は二つ。
皇帝の決めた相手と結婚し、帝国の安泰と
繁栄に寄与するか、人間として転生し、人々
の幸せを願うか。
『さえずり』は、迷わず後者を選んだ。
自らの意に沿わない結婚など絶対にしたく
はなかったからであった。
皇帝の元に嫁いだ皇后、『さえずり』の母、
『麗 ら』は、そんな『さえずり』の想いを理解
してくれた。
いつまでも変わらぬ悪しき慣習。
相思相愛なれど叶わぬ願い。
いったい後 どれほどの時が経てば、この帝国
に新しい風が吹くのか。
帝国に存在する全ての者が、皇帝に絶対
服従であった。
勇気よりも同調を重んじ、改革・革新を叫
び、前へ突き進む者はいなかった。
「行きたいのでしょう。
『せせらぎ』の元へ。
お行きなさい。
あなたは、『せせらぎ』と一緒にいる時が
一番幸せそうでした。
この母にはわかります。
もはや共に生きるためには、地球へ赴 く
以外にありません。
祖国と縁を切ることになっても、それは
あなたが決断したこと。
私は、あなたの決断を尊重します。
これは私が嫁ぐ前、母より譲り受けた
我 が一族の宝。」
「おばあさまから?」
「そうです。」
『さえずり』は、母方の祖母が大好きで
あった。
『さえずり』を、ことの他 可愛がってくれた
のである。
「この宝が、あなたをずっと護 ってくれるで
しょう。
ただし、これは宝であると同時に、帝国と
の絶縁を招きかねぬもの。
それでもそれがあなたの想いならば。。。
その時、この宝がきっと願いを叶えてくれる
でしょう。」
『せせらぎ』は、『さえずり』の
であった。
≪月界帝国≫皇帝の娘として生を受けた
『さえずり』。
その瞬間に、その人生は、すでに決められ
ていたのである。
選択肢は二つ。
皇帝の決めた相手と結婚し、帝国の安泰と
繁栄に寄与するか、人間として転生し、人々
の幸せを願うか。
『さえずり』は、迷わず後者を選んだ。
自らの意に沿わない結婚など絶対にしたく
はなかったからであった。
皇帝の元に嫁いだ皇后、『さえずり』の母、
『
してくれた。
いつまでも変わらぬ悪しき慣習。
相思相愛なれど叶わぬ願い。
いったい
に新しい風が吹くのか。
帝国に存在する全ての者が、皇帝に絶対
服従であった。
勇気よりも同調を重んじ、改革・革新を叫
び、前へ突き進む者はいなかった。
「行きたいのでしょう。
『せせらぎ』の元へ。
お行きなさい。
あなたは、『せせらぎ』と一緒にいる時が
一番幸せそうでした。
この母にはわかります。
もはや共に生きるためには、地球へ
以外にありません。
祖国と縁を切ることになっても、それは
あなたが決断したこと。
私は、あなたの決断を尊重します。
これは私が嫁ぐ前、母より譲り受けた
「おばあさまから?」
「そうです。」
『さえずり』は、母方の祖母が大好きで
あった。
『さえずり』を、ことの
のである。
「この宝が、あなたをずっと
しょう。
ただし、これは宝であると同時に、帝国と
の絶縁を招きかねぬもの。
それでもそれがあなたの想いならば。。。
その時、この宝がきっと願いを叶えてくれる
でしょう。」
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