第17.1話 二人組、焦る。
文字数 863文字
お猫様のためと思い、良かれと思ってやったことが完全に裏目に出てしまった……。
ピンポーンと、急に部屋の中に来客のチャイムが響く。
市長は席を立ってモニターごしに来客者を確認している。
俺たちはそろそろこの場を去った方がよさそうだな。
俺が声をかけて離れようとした瞬間。
お猫様は、俺の手から離れて逃げてしまった……。
市長の娘さんの部屋のドアが少し開いていたので、お猫様はその中に入って行ってしまった。
そうこうしてるうちに、市長の来客者と思われる女の子が入って来た。
そもそも、俺たちがお猫様を連れて行ったのも見られてないし、
俺たちの姿も知っているハズがないから堂々としてりゃ平気だろ。
なんだ?
この女の子、さっきから喋らないぞ?
まさか、気づいて……るのか?
女の子が首を振る。
退出しなくてもいいってことなのか?
少女が両手で〇を作ってジェスチャーしている。
市長が筆記用具を渡している。
女の子はそれを受け取ると、ペンで紙に記入しはじめた。
たまたまにしても、ここに来るかー!?