第20話 ナイスガイ、自己紹介する。
文字数 625文字
自称神コスプレしたオッサンからも、特に口止めされてないから話しても大丈夫か？
信じるかどうかは任せるが、俺様は元々人間だ。
ううん……？
キミは猫でありながら人間だと認識しているのかい？
いや違うぞ。
俺は元々人間だったんだ。
ハハ、記憶の刷り込みというやつか。
小さい頃に人間に育てられたりすると、親だと勘違いするケースがあるようだよ。
俺様はカモじゃねーぞ。
鳥と一緒にすんな。
……バ、バカな。
もしや、本当に言葉の通りだっていうのかい？
俺様からしたら、アンタのその豊かな発想がもはや人間のソレにしか見えねーよ。
そうかい？
それは嬉しいねぇ。
それよりも俺様を呼んだ理由はなんだ？
あー、そうそう。
そうだったねぇ。
本当にアンドロイドなのか、アンタは……。
もちろん有能なアンドロイドさ。
ひとまず本題に入る前に、自己紹介をしておかないとねぇ？
律儀だな、アンタ。
ワタシの名前は、ヤトだ。
覚えておいてくれたまえ。
ヤトだな。
俺様はナイスガイだ。
ナイスガイ……？
ん、あぁ……。
人間だったときの名前、思い出せないんだ。
そんなことがあるのか……？
もしや、そういう設定か……？
んな、設定いらねーだろ。
アハハ、それはそうか。
さすがに恥ずかしくて、ナイスガイなんてフツーは名乗らないよな。
恥ずかしくないだろ！
俺様はナイスガイなんだ。
え……？
え？
……マジで言ってるのかい？
なんだ？
マジのマジだぞ？
ううむ。
生まれ変わりが発生すると、こう言ったエラーが出ることがある……のか？
エラー呼ばわりかよ……。
