第15.3話 二人組、譲渡先へ。
文字数 964文字
俺は後部座席にお猫様を乗せて、急ぎエンジンをかける。
ちょっと型は古いが、ワンボックスカーだからお猫様も窮屈な思いはしないですむだろう。
ミーコも助手席に乗ったし、いそいで車を出す。
目的の家は、この街の市長が住む家だ。
市長は資産家なので裕福だし、動物好き有名だ。
ミーコは接点はないが、俺はちょくちょくお世話になっている。
こんなやり取りしてる場合じゃない。
もう市長の家の前に着くし、いそがねーと。
お猫様を後部座席から連れて出る。
この家の門は防犯カメラが設置されていて、顔認証で門が開く。
俺は以前に登録してもらっているので、そのまま入れる。
玄関の前では、要件をいう必要がある。
玄関の映像が家の主の元へ送信され、申請が通れば自動でドアが開く。
確かに、市長って妙な言い回しが多いんだよな……。
こういうのは、古典的っていうのかね。