第15.3話 二人組、譲渡先へ。

文字数 964文字

とりあえず、車に着いたな。
俺は後部座席にお猫様を乗せて、急ぎエンジンをかける。

ちょっと型は古いが、ワンボックスカーだからお猫様も窮屈な思いはしないですむだろう。

このまま、直接あの家に行くのにゃ?

たいした距離じゃないにゃよね。

ミーコも助手席に乗ったし、いそいで車を出す。
そうするつもりだぜ。

距離はたいしたことないんだが、あんまり目立つわけにもいかないからな。

にゃーにゃー。
お猫様がなにかいってるな?
トイレかにゃ?
えっ、マジか。

早く連れていかないとヤベエな。

にゃーにゃー。
うわわっ。

窓をひっかきはじめた。

もしかしたら、外に出たいのかもにゃね。
もうちょっと、もうちょっとだけ我慢してください。
なーご、なーご。
すっごい不満そうにゃよ。
もう着きますから……。
目的の家は、この街の市長が住む家だ。

市長は資産家なので裕福だし、動物好き有名だ。

ミーコは接点はないが、俺はちょくちょくお世話になっている。

いきなり連れていって大丈夫なのにゃ?
わからん。

懐の広い人だから、大丈夫だと思うが……

ダメなら見切り発車もいいとこにゃね。
そうは言うけどよー。

野良猫らしきお猫様をみかけちまったら、助けないわけにはいかねーだろう?

まぁ、にゃんでもいいから、引き渡ししてくるといいにゃ。
なに言ってんの?ミーコも来るんだよ?
めんどくさいにゃー。

ちかりたにゃー。

ワガママ……。
こんなやり取りしてる場合じゃない。

もう市長の家の前に着くし、いそがねーと。

に゛ゃー。に゛ゃー。
だいーぶ不満そうにゃよ。
それじゃ、俺がお猫様抱いていくから、ミーコは一緒についてきてくれ。
いってくるといいにゃ。
一緒に行くんだよ!!
ふ~~にゃ~~。
お猫様を後部座席から連れて出る。

この家の門は防犯カメラが設置されていて、顔認証で門が開く。

俺は以前に登録してもらっているので、そのまま入れる。

にゃーお、にゃーお。
玄関の前では、要件をいう必要がある。

玄関の映像が家の主の元へ送信され、申請が通れば自動でドアが開く。

俺です。ヨージです。

お願いがあってきました。開けてください。

ヨージか。

くるしゅうない。はいるがよいぞ。

くるしゅうないってなんにゃ?

苦しんでるのにゃ?

俺だって知らねーよ。

細かいことは気にするな。

確かに、市長って妙な言い回しが多いんだよな……。

こういうのは、古典的っていうのかね。

失礼します。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

猫。

態度が大きい。記憶がないようだ。

天界に住んでいる。

下界の様子を見ることができる。

神の忠実な僕(しもべ)。

神を侮辱、愚弄する輩を許さない。

転生する前の姿。

本人は太っているとは思っていない。

ナイスガイだと思っているようだ。

好奇心旺盛な男の子。

どうやら、姉がいるようだ。

男の子の姉。

どうやら、不思議な力があるみたい。

二人の子供のお母さん。

優しく料理が得意。

謎の二人組のウチの一人。

もう一人の女の子と組んで、何やら活動をしているらしい。

謎の二人組のウチの一人。

喋る時、ねこ語という独自の言葉を使う。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色