第6話 ナイスガイ、新たな出会い。
文字数 788文字
何にもないな、このあたり。
道路に街路樹が続いている。
さっき走ったから、水分補給がしたいんだが……。
かすかに感じる感覚に間違いがなければ、どうやら近くに水があるらしい。
無人の公園に小さな池がある。
人の手が入った公園なので、池も人工池だ。
変に草が生い茂ったりしてないぶん、池には近づきやすい。
夢中になって水を飲んでいると、水面に人影が映り込む。
また新しい人間か。
小僧よりは大人しそうに見えるが……。
言葉が通じる相手がいた!
だが、なにか違和感?を感じる。
この娘、どうも変だ。
話す時に口の動きがあまり言葉と合っていないような?
小僧には手話でやりとりしている。
そうか、この小娘喋れないんだな。
テレパシーだと……?
実際にそんな力が存在するとは……!
手話で返事している。
俺様にはなんて言ってるのかワカラン。
俺様の、名前……、名前……。
ダメだ。思い出せないぞ……!?