第14.1話 二人組、忍びこむ。
文字数 744文字
よし。
これであの家の人間は全員家を出たな？
くぁ〜。
にゃんで夜通し張ってる必要があるのにゃ？
だってよ、そのほうが探偵ぽくね？
バカにゃの？
辛辣……。
口ではそうは言うけど、ミーコは徹夜は嫌いだなんて言いながらも、ちゃんと付き合って夜通し張ってくれてたんだぜ。
勘違いしないでほしいにゃ。
ミーコは、ヨージを見張ってたのにゃ。
心の声を読んだ上で、見張ってた対象が俺かよ……。
コスプレした青年に付きまとわれるいたいけな美少女！
自ら美少女って言うなよ……。
ヨージが逮捕される瞬間が見たかったのにゃ。
理由ェ……。
それともかく、あんまりモタモタしてられない。
誰にも気付かれずに家に忍びこむ必要があるからな。
よし、俺がちょっと忍び込んでくる。
ミーコはちょっと待っててくれ。
うにゃ。
この手の家は、大体二階のベランダに付属してる窓には鍵が掛かってないんだぜ。
よっし、ちょっくら登りますか！
ロッククライミングで鍛えたテクニックを駆使すれば、こんなの楽勝だぜ。
無事、ベランダに侵入成功。
さて、窓の鍵はっと……。
……。
しっかり施錠されてる。
アレェ……。
何してるのにゃ？
ミーコの声がする。
目の前で。
窓の反対側、いわゆる室内から。
ちょ、おま……。
どっから中に入ったんだよ！？
玄関のドアの鍵開けて入ったにゃ。
鍵開いてたのかよ！
ミーコがツール使って、開けたのにゃ。
俺の労力、無駄じゃねーか。
いや、ロッククライミングで鍛えたテクニックを披露したいのかにゃーって。
そうそう、そうなの！
やめて。悲しくなるから……。
いい機会だったのににゃあ。
とりあえず、窓開けてくれ。
どうしようかにゃあ。
放置しないで下さい。
仕方ないにゃねー。
窓を開錠してもらい、中へ入る。
サンキュー。
ターゲットはいたか？
一階で寝てるようにゃよ。
よし、じゃあ行きますか。
