第16.2話 二人組、誤算。

文字数 628文字

その妖精は、猫であろう?

今時、野良の猫などはおらぬはずじゃが……?

おそらく最初にこのお猫様を見つけた人が、勝手に飼い始めたんだと思います。
勝手に……のう。
お金持ちで地位もある市長に面倒をみていただいたほうが、

このお猫様も幸せなんじゃないかと思ったんですよ。

なにしろ希少ですし、身の危険も少ないと思いまして。

そうじゃのう。

そちのいうことも理にかなっておる。

市長がしゃべるとミーコは意味がわからなさそうに首を傾げ、小さくアクビを漏らす。
退屈だにゃー。
そちはわれが無類の動物好きなのは、当然ながら存じておるじゃろう?
はい、ですから、お願いできないかと!
では問うが、その猫は元の家主から然るべき手続きを経て譲渡されたのものなのか?
えっと、それは……。
なーご。
にゃはは!

また不満そうに返事してるにゃ。

世は、元の飼い主が理由があって手放すのであれば受け入れる。

だが、私利私欲のために奪って面倒をみるなどありえぬ。

で、でも、市長の家で飼ってもらった方が絶対幸せだと思うんです。
ヨージよ。

動物とはそういうものではない。

言葉は通じぬとも、情で繋がれたソウルメイトなのだ。

ソウルメイト……。
仮にじゃ。

いきなり知らぬ相手にそちの相棒であるミーコが連れていかれたとして、

それを良しとできるのか?

……オレが間違っていました。

しゅん……。

ミーコは、ヨージが連れていかれてもいいけどにゃ。

面白いし。


いいのかよ!
ヨージよ。良かれと思ってとった行動であろうが、それは否じゃ。

出直してまいれ。

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登場人物紹介

猫。

態度が大きい。記憶がないようだ。

天界に住んでいる。

下界の様子を見ることができる。

神の忠実な僕(しもべ)。

神を侮辱、愚弄する輩を許さない。

転生する前の姿。

本人は太っているとは思っていない。

ナイスガイだと思っているようだ。

好奇心旺盛な男の子。

どうやら、姉がいるようだ。

男の子の姉。

どうやら、不思議な力があるみたい。

二人の子供のお母さん。

優しく料理が得意。

謎の二人組のウチの一人。

もう一人の女の子と組んで、何やら活動をしているらしい。

謎の二人組のウチの一人。

喋る時、ねこ語という独自の言葉を使う。

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