第16.3話 少女、現る。

文字数 790文字

私は引き続き連れ去られたガイくんと、テレパシーを通じて交信している。

この辺りじゃ一番大きそうな家の前で止まったぞ。

家はデカくて、かなり目立っているな。

あの公園の近くで、大きなおウチってことは……?
ガイくんの言うことが事実だとすると、

あのあたりにある目立つ家は市長さんのお宅以外に考えられない。

市長さんのおウチにガイくんを連れていって、いったいどうする気なんだろう……?

ま、まさかと思うけど、ガイくんって市長さんのお家の子なの?
え、いや、そんなことないと思うぞ。

こんな場所見覚えないしな。

……よかった。

それじゃあ、そこに向かうからもうちょっと待っててね。

ソアラ、しゃべれないのに大丈夫なのか?
大丈夫だよ。

ガイくんを助けるためだし。

俺様もなんとか隙をみて出るとしよう。

む、室内に入るよう……だ……ぞ。

伝わってくる言葉が途切れ途切れになる。

距離があって、屋内だとやっぱりうまくテレパシーが使えなくなるみたいだね。

……な、な……んだ、この……。
え、なに、ガイくん?

大丈夫!?

もしかして、なにかされてるの……!?

とにかく急がなきゃ。

……。
あぁ、ダメだぁ……。

うまくテレパシーが通じないや……。

でも急いで自転車で走ったから、そろそろ市長さんのお家に着く。

緊急事態だし、入り口に自転車を停めさせてもらおう。

市長さんのお家の門は顔認証で門が開くんだよね。
門の前に立つと、認証システムが起動して門が開く。
よかった。

ちゃんと、開いた。


このまま、玄関前まで急いで向かう。

玄関前で市長さんに要件を言う必要があるのだけど……。

……。
笑顔でいられる状況じゃないけど、笑顔で手を振った。

これが、私と市長さんとの合言葉みたいなもの。

おぉ、蒼愛か。

ようきた。くるしゅうない。

……。
早く市長さんに事情を説明しなきゃ。
まっておれ。

いまそこを開けるでの。

私は駆け足で市長さんのところへ向かった。

待っててね、ガイくん……!

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登場人物紹介

猫。

態度が大きい。記憶がないようだ。

天界に住んでいる。

下界の様子を見ることができる。

神の忠実な僕(しもべ)。

神を侮辱、愚弄する輩を許さない。

転生する前の姿。

本人は太っているとは思っていない。

ナイスガイだと思っているようだ。

好奇心旺盛な男の子。

どうやら、姉がいるようだ。

男の子の姉。

どうやら、不思議な力があるみたい。

二人の子供のお母さん。

優しく料理が得意。

謎の二人組のウチの一人。

もう一人の女の子と組んで、何やら活動をしているらしい。

謎の二人組のウチの一人。

喋る時、ねこ語という独自の言葉を使う。

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