第16.3話 少女、現る。
文字数 790文字
私は引き続き連れ去られたガイくんと、テレパシーを通じて交信している。
ガイくんの言うことが事実だとすると、
あのあたりにある目立つ家は市長さんのお宅以外に考えられない。
市長さんのおウチにガイくんを連れていって、いったいどうする気なんだろう……?
伝わってくる言葉が途切れ途切れになる。
もしかして、なにかされてるの……!?
とにかく急がなきゃ。
でも急いで自転車で走ったから、そろそろ市長さんのお家に着く。
緊急事態だし、入り口に自転車を停めさせてもらおう。
門の前に立つと、認証システムが起動して門が開く。
このまま、玄関前まで急いで向かう。
玄関前で市長さんに要件を言う必要があるのだけど……。
笑顔でいられる状況じゃないけど、笑顔で手を振った。
これが、私と市長さんとの合言葉みたいなもの。
早く市長さんに事情を説明しなきゃ。
私は駆け足で市長さんのところへ向かった。
待っててね、ガイくん……!