第10.7話 ゴッド、転生させた理由。
文字数 553文字
彼は身代わりに谷から身を投げて、猫の再生を願ったわけですが、
当然ながら肉体はダメージを受けて即死でした。
谷というからには、それなりに深い場所なんでしょうね。
よくもまぁ、そんなところに飛び込みましたね、アイツは。
本人的には鉄壁の防御のつもりだったのでしょう。
なにしろ全身を防具で固めてましたから。
そういう問題ではないでしょう。
アイツ、ホンモノのバカなんじゃないですか……。
ま、まぁ、そう言わないであげないでください。
そういった背景もあり谷から落ちる選択をしましたが、そもそも彼は謎の自信で、死ぬつもりなど全くなかったようです。
ええ、そこは否定できませんけどね……。
結果として、私が猫の肉体と彼の精神を掛け合わせ、
今回のような特例の転生を行った、というわけなのです。
一応、純粋に猫を救いたいという彼の気持ちに偽りはないですからね。
彼はもう、自分が猫のために死んだことも、
その猫になっていることも覚えてないでしょう。
意味のない転生というか、
意味のない生命などないと私は考えます。
わかってもらえれば良いのです。
では、引き続き様子を見ましょう。
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