第10.7話 ゴッド、転生させた理由。

文字数 553文字

彼は身代わりに谷から身を投げて、猫の再生を願ったわけですが、

当然ながら肉体はダメージを受けて即死でした。

谷というからには、それなりに深い場所なんでしょうね。

ええ、

落ちたらひとたまりもないでしょう。


よくもまぁ、そんなところに飛び込みましたね、アイツは。
本人的には鉄壁の防御のつもりだったのでしょう。

なにしろ全身を防具で固めてましたから。

そういう問題ではないでしょう。

アイツ、ホンモノのバカなんじゃないですか……。
ま、まぁ、そう言わないであげないでください。

そういった背景もあり谷から落ちる選択をしましたが、そもそも彼は謎の自信で、死ぬつもりなど全くなかったようです。

思慮が浅すぎますね。
ええ、そこは否定できませんけどね……。

結果として、私が猫の肉体と彼の精神を掛け合わせ、

今回のような特例の転生を行った、というわけなのです。

そうでしたか。
一応、純粋に猫を救いたいという彼の気持ちに偽りはないですからね。
そこは評価しますが。
彼はもう、自分が猫のために死んだことも、

その猫になっていることも覚えてないでしょう。

この転生には、意味があるのでしょうか……?
意味のない転生というか、

意味のない生命などないと私は考えます。

仰るとおりです。ピレーの失言でした。
わかってもらえれば良いのです。

では、引き続き様子を見ましょう。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

猫。

態度が大きい。記憶がないようだ。

天界に住んでいる。

下界の様子を見ることができる。

神の忠実な僕(しもべ)。

神を侮辱、愚弄する輩を許さない。

転生する前の姿。

本人は太っているとは思っていない。

ナイスガイだと思っているようだ。

好奇心旺盛な男の子。

どうやら、姉がいるようだ。

男の子の姉。

どうやら、不思議な力があるみたい。

二人の子供のお母さん。

優しく料理が得意。

謎の二人組のウチの一人。

もう一人の女の子と組んで、何やら活動をしているらしい。

謎の二人組のウチの一人。

喋る時、ねこ語という独自の言葉を使う。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色