第17話:2011年の東日本大震災と何かせねば

文字数 1,666文字

 震災発生直後のピーク時においては避難者は約47万人、停電世帯は800万戸以上、断水世帯は180万戸以上等の数値が報告されている。日本政府は、震災による直接的な被害額を16兆円から25兆円と試算。この額は、被害が大きかった岩手・宮城・福島の3県の県内総生産の合計に匹敵する。世界銀行の推計では、自然災害による経済損失額としては史上1位としている。

 この震災での犠牲者の死因のほとんどが、津波に巻き込まれたことによる水死。津波の中には、大量の砂や海底のヘドロ、港湾施設の重油などの有害物質などが含まれていた。砂が肺に入れば気管を詰まらせ有害物質が肺に入れば身体を侵す。水死に至る経緯は、これらで呼吸困難になったり、がれきが当たり意識を失ったり、3月の雪の舞う中で低体温であった。

 圧死・損傷死・焼死も、ほとんどが津波によるがれきが要因となっている。建造物の倒壊や土砂崩れ、天井の非構造部材の落下、高所からの落下など、地震の揺れそのものが原因による犠牲者は、福島県36人・茨城県18人・宮城県13人・東京都7人など、分かっているだけで90人に上る。東日本大震災では避難所の不衛生や寒さなどが原因で避難後に死亡する例が高齢者を中心に相次いだ。

 地震から約1時間後に遡上高14、15メートルの津波に襲われた東京電力福島第一原子力発電所は、1から5号機で全交流電源を喪失。原子炉を冷却できなくなり1号炉・2号炉・3号炉で炉心溶融が発生。大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展。その他、火力発電所などでも損害が出たため、東京電力の管轄する関東地方は深刻な電力不足に陥った。

 震災直後の一時期には日本国内では65年ぶりに計画停電が実施された。建造物の倒壊については、岩手県・宮城県・福島県の沿岸部では、津波によって多くの住宅が流され、全壊戸数は岩手県で1万9508戸、宮城県で8万3005戸、福島県で1万5435戸に上った。千葉県市原市の「コスモ石油千葉製油所」LPGタンクが爆発炎上。

 この影響で近隣の劣化ウラン保管施設に延焼したほか、東北地方や茨城などでは、多くの製油所や工場で被災して操業を停止。東北にある多くの工場が被害を受け操業停止を余儀なくされ、大手自動車、電機、機械、ガラス、ゴム、タイヤ、化学薬品、ビール、製糸の工業が長期間の操業停止で例えば、自動車の完成品を作れないというようなサプライチェーンの寸断が見られた。

 その他、太平洋沿岸に置いて、関東・東北地方の広い範囲で液状化現象が発生。千葉県千葉市美浜区・浦安市・香取市・我孫子市、東京都江東区・江戸川区、神奈川県横浜市の八景島周辺、茨城県ひたちなか市・潮来市、宮城県大崎市の江合川周辺などで、建築物の傾斜や断水、ガス供給停止、水田への土砂の堆積などの被害が生じた。

 東京湾岸の埋立地や千葉県北東部から茨城県鹿行地域南部にかけての利根川沿い「水郷地帯」での被害が目立ち、自治体により液状化の危険度が低いと認定されていた地域でも被害が発生。東北地方から関東地方北部の太平洋沿岸では地震に伴う地盤沈下により海岸や河口付近などで浸水や冠水のおそれが出ている。石巻市塩富町では、満潮時に町全体が水没。

 津波によって東北・関東の6県で2万3600ヘクタールの農地が流失、冠水し、塩害も発生し、農林水産省は3年後の完了をめどにがれきの撤去や土中の塩分の除去を進める方針を固めた。東北の道路網も寸断され、高速道、鉄道が大きな被害を受けた。そのため3月冬の灯油、ガソリンが不足したが、後日、日本海側の鉄道を利用し送ることに成功。

 日本の国の対策として、仮設住宅の早急な建設を始めた。一方、畑山敏和は、3月15日に関東に就職した新潟大学経済学部の友人3人と集まって会議をして、敏和と景子さんが中心となって作った有限会社を使って、クラウドファンディングと立ち上げようという話が出て大手銀行の佐藤友則、証券会社の岸田純一、ヤフーの友部信二と4人で会合を開き彼らを有限会社のメンバーにした。
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