第5話:豊子の彼氏がやって来た

文字数 1,628文字

 母が、ご出身は、と聞くと横浜の南部、金沢と言う海沿いの町ですと言った。父と息子の敏和も昼食を食べにやってくると八橋さんを豊子が紹介した。そして、焼き魚とみそ汁で、昼食を食べ始めた。こっちの魚は、うまいですねと八橋が言った。自分の実家の方では、小アジ、イワシとシャコ、ガザミが取れる位で大きな漁港ではない。

 もっぱら釣り船に乗り、東京湾に出て、東京、横浜の団体客が釣りに行く程度だと話した。すると、シャコ、カザミってと、敏和が聞いた。シャコと言うのはカニとエビのあいの子みたいな形をして、煮つけにしたり寿司ネタになると答えた。カザミは、15センチ程の、やや大きい、磯にいる海のカニ。カザミを入れたみそ汁は、だしが聞いて美味しい。

 さらにカニを開いて身を食べるのですと話した。母が、へき地ばかり赴任してみて、どうでしたかと聞くと、金が溜まりましたと笑いながら言った。地元の農家の方が親切で、米、きのこ、タケノコをくれて食費が、かからなかったと告げた。それに、空気もうまいし、山にハイキングに行けば楽しいし、雪以外は最高でしたねと言った。

 津南の時は、松之山温泉に入り、素晴らし景色を堪能。南魚沼では、八海山にスキーに出かけ、地元の名酒「八海山」も美味かったと語った。やなで取れる鮎も最高の味で、こんな所で暮らしたいと思った程だと感想を述べた。でも、私は、三男で将来、横浜に帰って開業し、今まで世話になった両親に楽させたいと思っているんですよと、宙を見つめて、しみじみと話した。

 ごめんなさいね、突然、お邪魔して、勝手な事ばかり話しましてと言い、頭をかいた。糸魚川では、何に興味を持ってらっしゃるのと母が聞くと、翡翠「ヒスイ」ですと答えた。ここにいる間に、小さくても構わないから川沿いの翡翠「ヒスイ」を記念に拾ってきたいと思っていますと答えると両親は驚いていた。ところで、ここの名物の魚はと、母に聞いた。

 そうね、ここ鬼舞では、サザエが、有名。その他、アオリイカの刺身なんて最高と言った。そりゃすごい、是非、一度、ごちそうになってみたいと笑った。その後、15時頃、帰っていった。帰った後、母が、豊子に、格好良くて、ハンサムで、もてそうだねと笑いながら言うと、それが心配なのよねと答えた。そして1997年も秋を迎えた。

 これから稲刈りで、両親も近所の農家の稲刈りを手伝いに行った。それが終わると給金、代わりに30キロの玄米をもらってくる。11月、寒くなり始めると、空がどんよりとなり、しぐれ始める。その後12月になり雪となり周り一面が、銀世界になり朝晩の寒さが増してくる。そして、今年も終わり1998年となった。年始、豊子が、母と一緒に五霊神社に初詣に行った。

 すると、母が、豊子に、あんた八橋さんを好きなんでしょと言った。すると顔を赤らめ、そう、何とか、彼と結婚したいと話した。ところで、彼を正月に、招待しても良いと聞くと嫌とは言えないでしょと笑った。1月3日、八橋さんが、横浜名物のシュウマイを人数分、買って、手土産として持ってきた。その後、新年の挨拶をし、今年もよろしくお願いしますと挨拶した。

「少しして、昼になり、いただいたシュウマイと地元の冬の味覚のアンコウ鍋で豪華な昼食」。
「八橋さんが、アンコウ鍋、体が温まり最高ですと語った」。
「お母さんの料理最高にうまいので、また来たいと言うと、OKよと回答」。
「刺身も美味いですから召し上がれと言うと、食べて、旨いと、うなった」。
 父が、今度は、泊まり込みで来いと言った。

「旨い酒を用意しておくと言うと、八橋が楽しみですと、笑いながら答えた」。
 その後、豊子さんが、両親に、八橋さんを3月21日、22日の連休に泊まりに呼んで、良いでしょうと聞いた。父が、大歓迎と言い、母も了解した。そして1998年3月21日、15時頃に八橋さんがやってきた。
「すると父が、来たなと言い、地元の名酒と言い『月見の池』を出した」。
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