第14話:畑山敏和一家が横浜MM21地区へ

文字数 1,614文字

 その頃、米国では、低所得者向け高金利型「サブプライム」住宅ローンの焦げ付きが多発。これをきっかけに世界の金融市場が大きく動揺、リスクに対する警戒感が急速に高まった。8月以降、信用の収縮、株価急落、ドル安などが一気に加速。ローン債権を証券化した金融商品に投資していたヘッジファンドや金融機関は相場の急落で巨額の損失を計上。

 資金繰り難に直面し一部は破たんに追い込まれた。米国や欧州の中央銀行は市場に巨額の資金を供給。米国は利下げ英国は住宅ローン会社への緊急融資に踏み込み事態の沈静化を図った。今迄の所、実体経済に大きな影響はないもののサブプライム問題を発端とした市場混乱を理由に2008年の景気見通しは米国、欧州、日本いずれも下方修正された。

 その影響で2008年9月15日リーマンショックが起こり、みなとみらいのマンションを買った中国の富裕層の一部が、売りを出してると言う情報を入手した。そのため、敏和は、みなとみらい地区のMMタワーという高層マンションの優良な物件をみなとみらい地区の不動産屋に電話をして売り物とその価格を調査。

 ちょうど、その頃、10月9日証券会社の担当者からファナック株が6500円を切ったから、そろそろ買い時だと思うと連絡があった。そして翌10日早朝も電話がありファナック株5510円の気配値で買いでしょうと言われた。そこで4万株成り行き買いを指示、2.2億円で買え、残金が5億円となった。その後10月下旬の土・日、横浜に出向いた。

 そして2LDK78平米が7800万円と3LDK88平米が8800万円の2つの物件が候補となった。しかし考えることは一緒で首都圏の人からも買いたいと言う電話が入っていると言うので、すぐ7800万円と8800万円の物件に購入希望を出した。そして5人の購入希望者がいると言われ心配したが、3LDKの8800万円の物件を買えた。

 11月20日引渡しで支払うと残金が約4.1億円となった。そこで現在溜まっている有給休暇が、畑山敏和さんが18日と奥さんの景子さんの有給休暇が12日と判明。そこで11月19日に2人が退職願いを会社に提出届を出した。これで12月1日付、つまり冬のボーナスをもらった後、退職することになる。その案を実行し11月20日から出社しない事にした。

 その後、2008年11月20日、早朝、畑山敏和の一家3人奥さんの両親の5人で車に乗って関越高速道路を抜けて、昼頃にみなとみらいのMMタワーマンションの部屋のドアを開けた。地上23階で、奥さん両親が、すごく高いと歓声を上げていた。残念ながら、窓の向こうは海と言うわけにはいかなかったが近代的な作りできれいであった。

 その後、ランドマークタワーからクイーンズスクウェア、インターコンチネンタルホテル、パシフィコ横浜、けいゆう病院を見学してきたが、義理の母は、感激し、すごいを連発していた。元気なうちは、ちょくちょく遊びに来るよと喜んでくれた。その日の夜は疲れたので風呂に入って、ショッピングモールで買ってきたパンや弁当で夕食をとり床についた。

 翌日は、智一を義理の両親に預けて、必要な物を近くのワールドポーターズなどで買って、車で運び込み置く場所を決めて配置した。極力広く使いたいので大きな家具は入れない事にした。また、机椅子も折りたたんで収納できるようにしたがソファーだけは良い物を買った。その晩は、車で横浜中華街に行き雑誌で見た有名な店に入った。退職金が入り残金合計が4.3億円となった。

 前菜が出て、酢豚、シュウマイ、北京ダック、回鍋肉「ホイコーロー」、「青椒肉絲」チンジャオロースー、海鮮そば、チャーハンなどを食べ、翌22日朝、上越新幹線で高田に帰った。翌朝、思いがけず姉の八橋豊子から電話が入り、みなとみらいの一等地にマンション買ったと言い、明日、家族4人で、ちょっとお邪魔してよいかと聞くので了解した。
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