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文字数 749文字
だが、こやつ騙り(かたり)かもなと一馬、
「貴様!あの肥後の柔術家宮本武蔵か!?」
と聞きました。
良三、いい気になりアホやから、
「いかにも」
と答えてしまいました。
まさか師匠の名が京の都まで轟いているとは思ってもいなかったので。良三、騙ってしまったのです。
それを聞いて藪千代、慌てて走り寄り、
「申し訳御座いません。こやつは頭がおかしゅう御座います。どうかお許しを」
と書状を返してもらおうと、手を差し出しました。すると、
「騙りか、日の本一と称される柔術家、
宮本武蔵を名乗るのなら、何か気の利いた武芸でも習っておるのであろう。
道場へ来い!そこで書状は返してやろう。
一手ご教授願った後に、酒でも進ぜよう。
あははは!」
と笑って去って行ってしまったのです。
焦る藪千代ですが、良三は師匠は凄いと、
まったく気にしておりませんでした。
藪千代、これには堪忍袋の緒が切れて。
「馬鹿者!どうするんだ!書状を持っていかれたぞ!万々寺に行っても、俺達が使いの者とは思ってもらえないぞ」
と怒ったので御座います。
すると良三君、まったく気にもとめずに、
「酒奢ってやると言ってたぞ良い奴なんじゃ?追い掛けよう、腹減った」
と言いました。
流石にここまでアホか!と藪千代、血の気が引き、いや待て待て、こいつは武家の仕来りを何も知らないんだ。そう知らないんだ、怒るな怒るな、子供を相手にしているつもりで。
と深呼吸をしていると。吉岡一門が向かった先へと、トボトボ良三君歩いているではないか!
藪千代、思わず柔術の蹴りで尻をドカン!
と蹴り上げました。
それが股間に当たって、良三君もんどり打って倒れました。
そして気を失いながら、地面で振り返ると、
「卑怯な・・・」
と武士の如く言ったのでした。
その時、初めて良三に勝ったと思った藪千代さんでした。
「貴様!あの肥後の柔術家宮本武蔵か!?」
と聞きました。
良三、いい気になりアホやから、
「いかにも」
と答えてしまいました。
まさか師匠の名が京の都まで轟いているとは思ってもいなかったので。良三、騙ってしまったのです。
それを聞いて藪千代、慌てて走り寄り、
「申し訳御座いません。こやつは頭がおかしゅう御座います。どうかお許しを」
と書状を返してもらおうと、手を差し出しました。すると、
「騙りか、日の本一と称される柔術家、
宮本武蔵を名乗るのなら、何か気の利いた武芸でも習っておるのであろう。
道場へ来い!そこで書状は返してやろう。
一手ご教授願った後に、酒でも進ぜよう。
あははは!」
と笑って去って行ってしまったのです。
焦る藪千代ですが、良三は師匠は凄いと、
まったく気にしておりませんでした。
藪千代、これには堪忍袋の緒が切れて。
「馬鹿者!どうするんだ!書状を持っていかれたぞ!万々寺に行っても、俺達が使いの者とは思ってもらえないぞ」
と怒ったので御座います。
すると良三君、まったく気にもとめずに、
「酒奢ってやると言ってたぞ良い奴なんじゃ?追い掛けよう、腹減った」
と言いました。
流石にここまでアホか!と藪千代、血の気が引き、いや待て待て、こいつは武家の仕来りを何も知らないんだ。そう知らないんだ、怒るな怒るな、子供を相手にしているつもりで。
と深呼吸をしていると。吉岡一門が向かった先へと、トボトボ良三君歩いているではないか!
藪千代、思わず柔術の蹴りで尻をドカン!
と蹴り上げました。
それが股間に当たって、良三君もんどり打って倒れました。
そして気を失いながら、地面で振り返ると、
「卑怯な・・・」
と武士の如く言ったのでした。
その時、初めて良三に勝ったと思った藪千代さんでした。