剣豪誕生・2頁

文字数 621文字

 その悲鳴に、あっちかと佐々木小次郎さん、近寄りますと。丁度、上から見下ろす様な場所に出ました。
一馬さんも良三も、佐々木小次郎さんには気が付きません。

「まずいな、今更、中には割って入れないよな。よし良三が殺られそうになったら、こいつでも投げるか」

と近くに落ちていた、大振りの石を掴んだのでした。

「ヤー!トウー!逃げるな、宮本武蔵!」

一馬さん道場とは違って動きが良い。
最早、良三殺られるか?と思ったら。
良三君、自分も刀を持っている事に気が付いた。そして慌てて抜くと振り返り、

「来るな!斬るぞ!」

と叫んだ。
だが元より、剣の修業は一切していない良三君持ち方がおかしかった。
 一馬さんニヤリと笑うと、

「刀だけは本物か。何処で盗んできたのやら。成敗してやる」

と刀で斬ると見せ掛けて、足で良三君の刀を蹴り落とした!
刀はくるりと良三君の脇の方、3メート程先へと落ちた。

「フフフ、我が吉岡一門も柔術ぐらいやっておるわ。さて年貢の納め時、念仏でも唱えろ」

と襲ってくる一馬さん。良三、刀を拾おうとしたが間に合わない。
そのまま刀を跨いで逃げようとした時だぁ!
奇跡が起きた!
 良三の刀が石の上に乗っかっており。その持ち手を良三が踏んだので。テコの原理で刃が持ち上がり上を向いたぁ。
と、そこへ一馬さんが良いタイミングで突っ込んで来たので。暗がりで刃先が見えずズブリ!
と腹に刺さってしまったぁ!
一馬さんも驚いたが良三も驚いたぁ。
薮影から見ていた小次郎さんも驚いていたぁ。
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