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文字数 631文字

 短い方を持つと良三君、振り回してみた。
中々重いが、クワほどではない。何とか振り回せた。長い方を持ってみた、確かにズッシリ重いが、まあ何とか振り回せた。
 良三が長い方を振り回していると、

「お前、素振りも出来ないのか?貸してみろ」

と藪千代さんが、鉄の棒を良三から受け取った。すると、ガクンと手が下に落ちる程重たかった。

「お前・・・、こんなものを振り回していたのか?怪力だな」

と言うと良三が満更でもない笑顔を見せた。
 藪千代さん短い方を持つと、

「こうして両方の手でしっかり持つ。
右上、左下な」

と説明すると良三君、長い方で真似をしていた。そして、

「こうして振る」

と素振りの実演をしてやり。良三君に教えていた。元々怪力だから?飲み込みは速い。
直ぐに様に成ってきた。
 ウンウンと頷く藪千代さんは、今度は横に棒を薙ぎ払い。下から上とか、まあ基本的な剣さばきを教えてやった。
短い棒でもかなりの重さで、元より剣術が得意でない藪千代さんは、腕がパンパンになってしまった。
 
 良三君、藪千代さんが疲れて止めても、止めずにブンブンやっていた。
それを見て藪千代さんは、
(こいつ本当に剣豪に成るかもな・・・)
と思ったそうな。

 さて、二三日して藪千代さんは牢から出してもらったそうな。
 一人になった良三君は、暇潰しに鉄の棒を振り回していたが。直ぐに物足りなくなり、ならばと短い方を左の手に長い方を右手に持ち。
二刀流で振り回していた。
これが!世に言う二天一流の始まりであった!
(ほんとかよ〜)
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