第13話:薫子がテニス部に入部、世界的不況

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 試合をしてみると闘争心に火が付き負けると悔しがった。もともと運動神経が良く負けず嫌いの性格で、めきめき上達した。今年1年生が4人入り計9人になったので顧問の先生が県大会に出てみようと提案。真っ先に薫子が、名乗りを上げて1年生のダブルス・チームの中に選手として入った。

 毎日、朝晩、熱心に素振りの練習をしていた。7月上旬から千葉県の予選が始まった。その中の新人戦に出て初戦で、勝利を飾った。しかし、2回戦目で、惜しくも敗れた。世界に目を向けるとメキシコや米国で豚由来の新型インフルエンザが発生。

 多くの死者を含む感染者が出ていることが4月に判明。感染は、瞬く間に世界中に拡大した。世界保健機関「WHO」は同月末、警戒レベルを6段階の3から「4」「5」に立て続けに引き上げた。さらに6月11日には世界的な大流行「パンデミック」を意味する6を宣言。

 WHOの発表によれば、11月29日時点での世界全体の累計死者数は8768人。ただ、個別の感染件数算定作業を停止した国が多く、実際の死者数はもっと多いと思われる。今回の新型は、比較的症状の軽い弱毒型で、各国でのワクチン接種も10月ごろから本格化した。

しかし北半球が流行期の冬本番を迎え感染者急増が心配された。日本では、5月9日、カナダから米国経由で帰国した大阪府立高生ら3人が新型インフルエンザに感染したと発表。5月16日に神戸市の高校生8人の国内感染が確認され、8月、沖縄県で初の死者が出た。国立感染症研究所は12月4日、累積推計患者数が1264万人に上ると発表。

 感染者の死亡は疑い例も含め百人を超えた。また、治療薬タミフルに耐性ウイルスが検出された。ワクチン接種後に感染し死亡例も出た。当初、水際対策に重点を置いた。しかし、感染拡大に伴い運用指針を改定、重症化の恐れがある患者を除いては自宅療養にした。

 ワクチン接種を高校生以上、原則1回とし接種スケジュールを前倒した。また、国民には、手洗いの徹底などを呼び掛けた。この結果、他の国よりも大きな被害が起きずに感染が流行が、終了した。如月家では、子供たちは、地元の小学校で親しい友達ができた。

 自転車に乗って、江戸川、利根川の河川敷で、日が暮れるまで走り回った。その他、スポーツを楽しんだりしていた。そして、車の中で、カーテンを閉めて着替えることができる様になり重宝した。その後、夏、九十九里の海水浴場へ2回、出かけた。

 進学塾は、20人を父が、教え、食べるのにも困らずに過ごしていた。こうして秋が来て冬になり今年もクリスマスパーティーを企画。パーティーには、如月薫子の友達2人が来て、華やかになった。そして、大きな事故や病気もなく過ごして2010年を迎えた。

 初詣に行った時、長男の如月勝男が、携帯電話が欲しいと言い、中学に上がったら買ってやると答えた。その他、パソコンも欲しいと言うので、それも中学に上がったら買ってやると答えた。でも成績が、悪いと買わないと注文を付けた。

 しかし、既に2年前、如月達夫は、自分用のパソコンと光インターネットを導入していた。そして、奥さんと一緒にインターネットを使用し始めた。2010年、日本では、日本航空が1月19日、会社更生法の適用を東京地裁に申請、経営破綻した。負債額は約2兆3千億円と事業会社では過去最大であった。

 そのため、経営の神様と呼ばれる京セラ創業者の稲盛和夫氏を会長に迎えた。そして政府が出資する企業再生支援機構の下で日本航空の再建を目指した。事業規模を3分の2に圧縮。内外45路線からの撤退やグループで約1万6千人の人員削減など抜本改革に着手。

 パイロットや客室乗務員の退職数は目標に届かず、最大2百人を整理解雇。その後、更生計画は債権放棄に応じた銀行団などの合意を得て11月末に確定。政府が出資する企業再生は、公的資金3500億円を出資した。

 世界に目を向けると欧州16カ国で構成されるユーロ圏では、財政赤字急拡大に見舞われたギリシャが5月、アイルランドも11月に欧州連合「EU」や国際通貨基金「IMF」などの緊急融資を仰いだ。そして、信用不安は残りポルトガルなど南欧諸国への波及が懸念された。金融危機をきっかけに財政が悪化した一部ユーロ圏諸国では、国債利回りが急上昇。
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