第16話:勝男が中学生になる

文字数 1,734文字

 こうして、波乱の2011年が終了した。2012年、センター試験で千葉大の受験できるようになった薫子が、2月、千葉大経済学部を受験し合格を勝ち取った。2012年9月の暑い日、光化学スモッグが、千葉県でも発生。

 如月勝男が、大学のサッカー部の練習で、最初、目がチカチカするして痛くなり涙が流れ、咳も出て喉が痛くなり息苦しさ吐き気頭痛で6人が体調を崩し救急車で病院に運ばれた。入院後、翌日精密検査を受けて、大丈夫とわかり自宅に戻った。

 その時、以前の信州旅行を思い出し自然豊かな土地に住みたいと両親に訴えた。それを聞いた両親も資金ができたら、あっちに別荘を買いたいねと言うと勝男が、いや、自然豊かな所に住みたいと言い出した。松本なら特急列車か、高速道路で、2時間で東京に出られると訴えた。

 そうね良いかもしれないわねと、母が、同意。その後、薫子は、ソニーのVIOZをメモリを増設して15万円で、父に買ってもらった。この年、日本の家電大手の2012年3月期、連結決算でパナソニック、ソニー、シャープがそろって過去最大の赤字を計上。

 韓国勢などとの価格競争激化や円高でテレビ事業が不振を極めた。大手3社合計の赤字額は、1兆6千億円超と膨大な数字になった。日本の産業界をけん引してきた家電大手の落日ぶりが、鮮明となった。パナソニックとシャープは、2013年3月期も巨額赤字が続く見通と発表。

 いずれも大規模な人員削減などで苦境脱出を図るが、改善の見通しは、ついていない。一方、地上デジタル放送への移行による特需の反動で、収益が、悪化した家電量販店の業界では再編が加速していった。ビックカメラがコジマをヤマダ電機がベスト電器を買収。

 その様な、弱肉強食時代に突入した。北朝鮮は4月13日と12月12日に、それぞれ人工衛星打ち上げと称して長距離弾道ミサイルを発射、1年に2回の発射は異例。4月は、発射直後、爆発、失敗したが、12月は通告通りフィリピン東沖へ到達。

 直前には発射延期のそぶりを見せ国際社会をかく乱していた。日米韓3カ国などは国連安保理決議違反と見なし北朝鮮への制裁圧力を強める構えだ。しかし、北朝鮮は、さらにミサイル発射を続け、核実験に踏み切る可能性もある。

 北朝鮮は核弾頭を搭載する大陸間弾道ミサイル「ICBM」の開発を目指しているとされる。ミサイルの射程は既に米本土全域に届く1万3千キロ以上との分析もあり国際社会は警戒を強めた。欧州債務危機は、ユーロ圏の崩壊といった最悪の事態は回避したが、依然としてくすぶり続けた。

 震源地ギリシャでは、5月の総選挙で緊縮財政反対派が躍進し連立交渉に失敗。6月の再選挙で、ユーロ残留を目指す緊縮派が過半数を確保した。しかし、国際通貨基金「IMF」や欧州連合「EU」との第2次支援の交渉は年末までもつれ込んだ。

 ただ、欧州中央銀行「ECB」が、9月、スペインなどの国債を無制限に買い上げる方針を表明した。10月、危機国に最大5千億ユーロの支援融資を実施できる欧州安定機構「ESM」も発足させた。そのため、危機国の国債利回りはやや低下、ユーロ相場も反発に転じている。

 そのうちに2013年が明けた。2013年2月、ウクライナで、親ロシア派のヤヌコビッチ政権が反政権デモで崩壊した。そして、親欧州連合「EU」派政権が発足したのを受け、ロシア系住民が多数を占める南部クリミア半島にロシアが軍事介入し、3月に編入に踏み切った。

 武力を背景に領土拡大を強行したロシアの行動に、冷戦後の国際秩序は大きく揺らいだ。その後ウクライナ東部でもロシアが後ろ盾の親ロ派武装勢力と政府軍が激しい戦闘を続け、死者は4千人を超えた。

 7月には東部上空でマレーシア機が撃墜され298人が死亡する悲劇も起きた。欧米や日本は、ロシアが事態収拾に応じていないとして制裁を発動している。この年、如月達夫は、エスティマ・ハイブリッド8人乗りでキャンプに行こうと考えた。

 そこで、7月20日、早朝、家を出て柏インターから、高速道路に入った。9時頃、中央高速道路を走り八王子ジャクションから高尾インターで降りた。そして、右に津久井湖を見て、厚木方面へ南下し相模川を渡り左折。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み