3ー5 ハーレの告白

文字数 7,603文字

 白髪混じりの金髪を耳元で切り揃え、小柄だが歳に似合わぬぴんとした背筋と、何より強い意志を蓄えた青い瞳のお陰で、見かけ以上の存在感を放つ老女。
 ハーレにとってドリー・ジェスターとは、経験に裏打ちされた自信をごく自然にまとう、堂々たる女性であった。
「診察結果を見る限り、あなたの身体(からだ)はもう星間旅行に十分耐えうるはずよ」
 ジャランデールに向かう直前のこと、ミッダルト総合学院で最後の診察を終えたハーレは、研究室でデスクチェアに座るドリーから太鼓判を押されて心底胸を撫で下ろした。
「ありがとうございます。本当に導師様には、いくら感謝してもしきれません」
 それはハーレにとって嘘偽りのない謝辞であった。ドリーが開発したというオルタネイトの存在がなければ、彼女はこのミッダルトに置き去りにされるところであったのだ。
 スツールに腰掛けたまま深々と頭を下げるハーレに、ドリーは小さく頭を振った。
「礼を言うのはこちらの方よ。あなたも含めて九人全員が進んで治験を引き受けてくれるなんて、普通なら有り得ない幸運だからね」
「きっとスタージアの祖霊が引き合わせてくれたんですね」
 ハーレにしてみれば幼い頃から繰り返し用いてきた口上が、ごく自然に口を突いて出たに過ぎない。だがその瞬間にドリーが思わず苦笑を零したのを、彼女は見逃さなかった。
「済みません。そういえば導師様はスタージア嫌いだったんでしたよね」
 その言葉にドリーは最初軽く目を見開いて、それから顔をしかめながら呟いた。
「ブライムから聞いたのね。彼は優秀だけど、調子に乗ると余計なことを口にしがちなところが欠点だわ」
 額に軽く手を当ててため息をついてから、ドリーは困ったような笑顔を浮かべた。
「出来れば口外しないでね。私がスタージアや博物院を苦手にしてるって、この学院内ではとっくに知れ渡っているみたいだけど、だからって大っぴらにすることでもないから」
「それはもちろん。ああ、でも」
 ドリーの懇願に頷きながら、ハーレは一言付け足した。
「ブライムから聞いたわけじゃないんです」
「あら、それは彼には濡れ衣だったわね。でも、それじゃ学院内の噂話でも耳にしたのかしら」
「いえ、あの」
 ハーレは一瞬口元に手を翳し、それからおそるおそると言った体で告げた。
「初めてお会いしたときから、導師様からはスタージアが苦手というか、反発みたいなものが凄く伝わってきました。オルタネイトも、よくわかりませんけどスタージアに対抗するために作られたんですよね」
 そのときのドリーの表情の変化を、ハーレは今でも忘れられない。
彼女の言葉に耳を傾けていた老導師は、最初は訝しげにひそめていた眉を徐々に大きく開いて、それ以上に青い瞳が限界まで見開かれていった。
 ドリーはしばらく無言のままハーレの顔を凝視していたが、やがて瞼を伏せるとおもむろに深呼吸を始めた。二度三度と、彼女の小さな肩が上下する。だがなおも冷静を欠くと思ったのだろうか、彼女はジャケットの内から愛用のベープ管を取り出した。
「いつもは研究室では吸わないんだけど、今だけは失礼するわ」
 デスクチェアに小さな身体(からだ)を深々と沈めて、ベープ管の吸い口を咥える。何度か吸っては吐き出される水蒸気煙が室内に漂うのを、ハーレはただ黙って眺めていた。ようやくドリーが落ち着きを取り戻すまでに、ベープ管の中のリキッドが三分の一は消費されたことだろう。
 やがてベープ管をデスクの上に置くと、ドリーはハーレの顔を改めて見返した。
「ぼかした尋ね方をしても無意味だろうから、はっきりと尋ねます。あなたは私の心の内が読み通せるの?」
 ハーレはなんと答えるべきか一瞬考えたが、結局正直なところを口にした。
「なんとなくなら。導師様のその感情はとても強かったので、初対面のときからも察することが出来ました」
 ハーレは決して迂闊に口を滑らせたわけではなかった。ドリーであれば聞く耳を持つだろうと考えて、これまでの違和感をぶつけることにしたのである。
「導師様、私はこの歳までほとんど村を出ることなく暮らしてきました。村ではこの程度の読心術は珍しくもないんです」
「もしかしてあなたの村は、全員が同じように心を読み合うわけ?」
「そういうわけじゃありません。ある程度読み取れるのは、私を含めて三人。でも昔から大抵ひとりやふたりは読心者はいたそうです」
 半ば訴えるような口調で、ハーレはドリーに全てを打ち明けた。
「でも治療を受けるために街に出て、初めて知りました。街中には私たちのような読心者はひとりもいない、それどころか読心術の存在すら誰も知らない。もしかしてこれも、N2B細胞欠損のせいなんでしょうか?」
 その問いを耳にしたドリーが、はっと息を呑む。
「導師様?」
「……そんなはずがない」
 ドリーは再び「そんなことがあるの?」と呟きながら、不意にデスクチェアを回転させた。デスク上で端末棒(ステッキ)からホログラム・スクリーンを引き出し、据え付けのモニタと何度も見比べて、コンソールの上で激しく指を叩きつける。その合間に何かを振り払うように大きく頭を左右に振る。
 急速に回転するドリーの思考は、それそのものが難解すぎてハーレにはとても理解出来ない。ただドリーにとっての大前提が大いに動揺しているということは、読心するまでもなく伝わってきた。
「もしかしてあなた以外の読心者も、全員オルタネイトの治験対象者なのかしら」
 なおもモニタを食い入るように覗き込みながら、ドリーは背を向けたまま問いかける。
「……はい」
「あなたの言う読心術とは、世間一般では精神感応力と言うの。確かに希有な能力だけど、これまでも観測されなかったわけじゃない。精神感応力学なんて分野もある程度にはね」
 そこまで言ってからドリーはモニタから顔を上げ、再びデスクチェアを回転させてハーレに向き直った。
「精神感応力とはN2B細胞に由来する――まだ完全に証明されたわけではないけれど私はそう確信しているし、これまでそのつもりで研究を進めてきた。それが、N2B細胞欠損症のあなたが精神感応力を発揮するということは、どういうことかわかる?」
「もしかして、導師様の研究に支障を与えることに……」
 自分の告白は、ドリーのこれまでを否定する一言だったのかもしれない。ハーレの脳裏にはそんな恐れが一瞬よぎったが、すぐに彼女はその可能性を振り払った。
「そんなことはどうでもいいの」
 なぜならハーレに読み取れるドリーの心は、驚愕以上に大きな歓喜に包まれていたからである。
「つまり精神感応力の可能性は、N2B細胞由来だけじゃないってことよ!」
 そう言ってハーレの細い肩を両手でつかむと、ドリーは興奮冷めやらない口調で捲し立てた。
「あなたはN2B細胞に由来しない、より天然に近い精神感応力の持ち主だってこと。あなたという存在そのものが、人類の新しい可能性を証明しているの。彼ら(﹅﹅)の目の届かないところで、彼ら(﹅﹅)の思いもよらない多様性を育んでいけば、いずれ人類は《スタージアン》の軛からも脱することも出来るわ」

「私のようにひとつの惑星に閉じ込められていた天然の精神感応力者を、この銀河系に解き放つ――その助けとなるだけでもオルタネイトを開発した意義はあったと、ジェスター師は仰ってました」
 ハーレのとりとめもない昔語りに対して、リバーはどう反応すれば良いのかわからなかった。
「それどころかジェスター師は、ブライムにも私と一緒にジャランデールに移り住むよう説得してくださったんです。例の『銀河系は広い、人類は拡散すべし』という言葉まで繰り返して、ジャランデールに教育の種を播くようにと送り出してくださいました」
「なあ、あんた。なんでそんなことを、俺に話そうと思ったんだ?」
 操縦席に着席していたリバーは、心持ち背後を振り返りながらそう尋ねた。
 リバーはほかの三人が就寝する中、当直としてブリッジでひとりきりで過ごしているはずの時間であった。ところが間もなくして姿を現したハーレはやおら会議卓に腰掛けると、なんの前触れもなくドリー・ジェスターとの思い出話を口にし始めたのである。しかもその内容足るや、リバーには到底信じがたい内容ばかりであった。
 N2B細胞に起因するという、精神感応力なるものの存在。さらにその枠外にある天然の精神感応力者なのだというハーレ。そして彼女の存在こそ新しい人類の可能性そのものと言い切るドリー・ジェスター。
 ブリッジでふたりきりという状況の中で聞かされるには、あまりにも突拍子のない話ばかりである。
 操縦席周りのコンソールに視線を注いだまま当惑顔のリバーに向かって、ハーレはなんでもないような口調で答えた。
「ブライムが言っていたでしょう、ジェスター師の言葉を切欠にジャランデール行きを決めたって。あれだけじゃ言葉足らずだったんじゃないかと思って」
「旦那もビコも寝入ったタイミングをわざわざ狙ってか?」
 するとリバーの背後で、ハーレがくすりと笑ったような気配が感じられた。
「船長さんは《スタージアン》にスカウトされたことがあるんでしょう?」
 なぜそのことを知っている――一瞬全身を強張らせたリバーは、そう言いかけて思いとどまった。束の間思考を巡らせてから口にしたのは、努めて理屈の通った解であった。
「ビコから聞いたのか? あいつめ、余計なことをぺらぺらと……」
「ビコさんは気さくな方ですけど、そこまで口は軽くありませんよ。船長さんだってそこのところはよくご存知でしょう」
 リバーが彼の常識の範囲内で捻り出した口上を、ハーレはあっさりと否定する。これ以上抵抗しても無駄だと、リバーはついに観念した。
「それがあんたの読心術ってわけだな。ただひとつ訂正しておくと、俺が誘われたのは博物院だ。《スタージアン》とやらじゃない」
「ジェスター師によれば、博物院とは《スタージアン》という大きな集団に含まれるほんの一部だそうです」
「ああ、そうかい」
 投げやりな返事を返しながら、リバーは上半身を捻って今一度背後を振り返った。彼の視界には、会議卓に両肘を突いて、栗色の細い顎先を両手で支えながらこちらを見るハーレの姿がある。かすかに小首を傾げた彼女の表情からは打算や悪意は感じ取れず、そこにあるのはただ好奇心だけだ。リバーの警戒心に満ちた眼差しにも、屈託のない笑顔を向けている。
「なんか企んでるって顔じゃねえな」
「何も裏なんかありませんよ。ただジェスター師以外に《スタージアン》を知る人から、お話を聞いてみたかったんです。その前に私のことも知ってもらわないといけないと思って、ついつい話が長くなりました」
「スタージアなんて巡礼研修の一週間立ち寄ったことがあるだけだ。あそこは人の出入りは激しいが、貿易商人なんかにはたいして旨味もないから、それ以来ご無沙汰だよ。話すこともない」
「でも船長さんは、スタージアが何か普通と違うってことをご存知なんですよね? 失礼ですけど、船長さんからは読心術の素養は感じられません。それなのにどうしてわかったんですか?」
「面倒だから、そいつもその読心術で読み取ってくれ」
「いくらなんでもそこまで細かく読み取るのは、私には無理です」
 心持ち顔を前に突き出して、ハーレはリバーの回答を促してくる。この無邪気な若奥様は、さっさと答えないことには退散してくれないのだろう。リバーは彼女から視線を逸らして前を向くと、乱暴に赤毛頭を掻き毟った。
「俺は昔から他人の目が気になる性質(たち)でな。だから大勢で行動するのも苦手で、こういう商売を選んだぐらいだ」
 操縦窓越しに見える宇宙空間を見るとはなしに、リバーは仕方なく語り始めた。
「あの星じゃ周りに誰もいないはずなのに、どうしてか俺を見る誰かを感じた。まあ〝人類始まりの星〟を名乗るぐらいだ。そういう不可思議な力なり存在なりがあってもおかしくない、そう考えただけさ」
「それだけで《スタージアン》の正体を見破ったんですか?」
「見破ったかどうかなんて知らねえよ」
 ハーレの驚いた声に、リバーはふんと鼻を鳴らす。
「正体なんてどうでもいい。その《スタージアン》て呼び名だって、あんたから初めて聞いたんだ。俺にとっては無駄に干渉しすぎな鬱陶しい輩って程度の認識さ。いったい《スタージアン》ってのは、そんな大層な連中なのか?」
「《スタージアン》は互いに精神感応的に《繋がって》いて、スタージアを訪れる人々の知識を吸い上げながら銀河系を監視していると、ジェスター師はそう仰ってました」
「だが実際に今の銀河系で一番力を持つのは銀河連邦だし、スタージアはその加盟国のひとつに過ぎない。そこまで危なっかしい奴らなら連邦に任せて、俺たちは遠巻きにしてりゃいいんだよ」
「……なんだか船長さんにそう言われると、そんな気もしてきますね。《スタージアン》が船長さんをスカウトした理由もわかったような気がします」
 そう言ってハーレがしたり顔で頷く様が、背後からも伝わってくる。リバーは操縦席の中でどうでもいいと言わんばかりに肩をすくめた。
「ドリー・ジェスターは《スタージアン》嫌いが高じて、連中の精神感応力とやらの肝であるN2B細胞に頼らずに済むよう、オルタネイトを開発したんだって?」
「乱暴にまとめると、そんな感じですね」
「俺にはそんな大した奴らには思えないがね。俺が会った博物院長はもっともらしいことを言っていたが、奴の言葉はちっとも役に立たなかったぜ」
 あの無駄に広々とした院長室から去ろうとする間際に、博物院長が口にした忠告めいた言葉を、リバーは思い返していた。他者との交わりの重要さを強調する、その言葉を少しでも噛み締めた結果が、今でも彼の心の(ひだ)に残滓としてこびりついている。
「フーゴさんって方のことなら、それは船長さんが少々繊細なだけだと思いますよ」
 いきなり胸の内を言い当てられて、リバーは半開きの瞼を一瞬大きく見開き、すぐに不機嫌な顔になった。
「おい、余計なことまで読み取るな。俺にだって触れられたくないことはあるんだよ」
「ごめんなさい。フーゴさんのことはビコさんから聞いてたので、つい口に出してしまいました」
 顔をしかめるリバーの脳裏に、ビコのお調子者顔がよぎった。
「あの野郎、やっぱり口が軽いじゃねえか。後でよく言い聞かせてやらないとな……」
「でもフーゴさんとの縁は、船長さん自身が大事になさってるじゃないですか」
「ああ?」
 ハーレのその一言は、リバーにとって聞き捨てならないものであった。
 わずかな沈黙を挟んで、リバーが操縦席からゆらりと立ち上がる。不穏な気配を漂わせながら振り向いた彼は、そのまま磁石靴の底でカンカンと床を鳴らしながら会議卓の側に歩み寄った。
「どういう意味だ。俺があいつとの縁にしがみついているって、そう言いたいのか?」
 会議卓の前に仁王立ちになったリバーは、威圧的な目つきでハーレの顔を睨みつける。
 だがハーレは微笑をたたえたまま、彼の視線を真正面から受け止めた。
「だって本当に船長さんがその縁を断ち切りたいというのでしたら、とっくにビコさんのことを船から追い出してるでしょう。その方の紹介だから、船長さんも彼のことをなんだかんだ面倒見てあげてるんじゃないですか」
 一片の迷いもない眼差しと共に発せられたその言葉に、リバーは言葉を詰まらせる。思わず唇を噛み締めた彼を見て、ハーレはその顔に一層笑みを広げながら言い足した。
「船長さんは、自分の気持ちに嘘つきです。そのせいで色々と損をしてますね」
「……余計なお世話だよ」
 かつて博物院長と対面したときのような、思考を読み取られることへの警戒心は湧かなかった。代わりにリバーの胸中に生じたのは、彼女を相手に虚勢を張ることの馬鹿馬鹿しさであった。
 全身から力が抜けたかのように腰を下ろしたリバーに、ハーレは穏やかな口調で語りかける。
「大事な人との絆を大切にしようとするのは、当たり前のことだと思います。私だってジェスター師から受けた恩や、彼女から言われたことは、ジャランデールに行っても忘れません」
「あんたの存在自体が人類の新しい可能性だって? 随分とスケールのでかい話だ」
 リバーの口調は、先ほどまでに比べれば幾分刺々しさに乏しい。彼の勢いに欠けた揶揄に対して、ハーレは大きく頷いてみせた。
「私にとってはこれ以上ない励みです。《スタージアン》がどういう人たちなのか、直接は知りません。でも私がミッダルトを飛び出してジャランデールに移り住む――ただそれだけでジェスター師が恐れるような人たちを出し抜いて、人類の新しい可能性を広げることになるなんて、痛快だと思いませんか?」
 与太話だと断じたいところだったが、現にハーレの読心術の力を思い知らされたばかりだ。もはや彼女の話を頭ごなしに否定することがナンセンスだということは、リバーも頭では理解している。
 ただ、だからといって素直に感心する気にもなれなかった。
「人類の可能性を広げるのもいいけどな。その前に旦那に読心術のことがばれないよう、せいぜい気をつけるこった」
 リバーの精一杯の嫌みにハーレが露ほども堪えていないことは、彼女の笑顔からも明らかであった。

『ボンバスティカ号』はその後も順調な航行を続けて、ジャランデールにはきっかり予定通りに到着した。
 ジャランデール宇宙港ではハーレの父親が、娘たちが姿を見せるのを今か今かと待ち構えていた。ハーレ同様に浅黒い肌の、がっしりした体躯の中年男性は、リバーの両手を力強く握り締めて何度も礼を言った。
「ハーレと婿殿を無事送り届けてくれて、ありがとう、船長」
 下船後に真っ先に妻の体調をチェックしたブライムが、彼女が至って健康体であることを告げて、ハーレの父はますます相好を崩す。
「娘が無事に宇宙を渡りきったことを知れば、村の連中も喜ぶだろう。こんな仕事を引き受けてくれて船長、あなたには感謝しかない」
「こっちも切羽詰まってたんで、やむを得ずですよ。残金もしっかり受け取りましたし、まあ喜んで頂けたなら何よりです」
「後は協会の支部で登録料を振り込むだけですね」
 リバーの横でビコが口にした台詞に、ハーレの父が片眉を上げながら訊き返す。
「協会とはなんの協会ですか?」
「ああ、貿易商人協会のことです。恥ずかしながら登録料の支払期日が迫ってまして」
 頭を掻きながらリバーがそう告げると、ハーレの父は浅黒い顔に考え込むような表情を覗かせた。
「貿易商人協会ですか、はて」
「あの、協会が何か?」
 目の前の相手の態度に、リバーが訝しげな顔で尋ねる。厳つい顎先にしばらく手を当てていたハーレの父は、やがて顔を上げて言った。
「ジャランデールにはまだ、貿易商人協会の支部はありませんよ」
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登場人物紹介

シンタック・タンパナウェイ:第一部に登場。

ドリー・ジェスター:第一部・第三部に登場。

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