第103悔 トラウマ克服の余波
文字数 2,218文字
《 イヴァノフの膣とアヌスに挿入されたプラグ型の貞操帯『黒鉄のコルセット(オリジナル)』は、もはやひとつのファッションと言っても良かった。それは、あたかも“後悔”によって進化した新人類――現代人にとっての未来人の様相を呈していた。 》
~メルモモ・カベルスキー著 『ルーム後悔議:女股と一物の祭典』より抜粋~
そんな彼女とファニチャードが議場に戻ってくると、観客の盛大な拍手によって迎えられた。
先に特別誂えのゲートに戻って守りを固めていた矛先クリムと後楯カスティリョが近衛騎士団副長に両手で敬礼をすると、今まで以上の威厳をもって彼女は返礼して行った。
「イヴァノフ副長……またひとつ、いや二つも三つも大きくなられたな」とクリムが呟くと、カスティリョも同意せざるを得なかった。
「ああ……。今後の括約 ――いや、活躍が益々楽しみだ」
「おお! イヴァノフ! ご苦労でした! よくぞ、戻って来てくれましたね! さぁ、ファニチャードも、もう一度、席へ」
エンリケ皇子が腰を上げることなく、首を振り向かせるだけの動作でもってふたりを歓迎した。円卓の下で“十三センチ砲”を露出しているためである。
ファニチャードは、皇子の様子に異変を感じつつも淑女式の膝を屈伸させる挨拶をしてから自分の席に着いた。
イヴァノフはエンリケに両手で敬礼してから――自分の席にトスカネリが座っていたので――後悔卿の耳元で一言「コルセットの件、ありがとうございました。この御恩返しはのちほど……」と、礼を言って一般招待枠席に向かった。
トスカネリは黙って頷 いていた。
彼女は下半身を丸出しにしたまま、『黒鉄のコルセット(オリジナル)』を装着した腰を円卓の椅子に落ち着かせた。
《 彼女の新しい姿は、最初こそ人々に淫らな印象を与えたが――女股神輿のおり、近衛騎士に脱がされ円卓のそばの床に放置されていた制服のズボンとブーツの中から――ブーツだけを取り出して履くと、これが異常に様 になった。
彼女の褐色の肌と、黒鉄のコルセット、そして、黒革のブーツの組み合わせが見事なグラデーションを奏でていた。 》
~メルモモ・カベルスキー著 『ルーム後悔議:女股と一物の祭典』より抜粋~
このイヴァノフの均整の取れたカラダと異様な姿は、エンリケ後悔皇子にも“後悔”と“人類革新”に関する新たなヒントを与えていた。
「なるほど、そうか……。今のイヴァノフは、まるで“後悔”を通して革新した『新人類 』のようにも見える。ということは……」そこまで言ってから、エンリケは家庭教師に判断を仰いだ。
「トスカネリ先生、逆に考えてみますと……誰しもが、イヴァノフのようなコルセットを装着すれば……あるいは、ニュー・イェアに近づける、という見方もできますね?」
これに後悔卿は大いに頷 いた。
「皇子! それはまさに見事な仮説であり推論です」
実際、先ほどの即興演説で提示した『新人類 』の定義に至る考え方――イサベラ様とファニチャード嬢の関係性から、新人類を「心の底からYeah!と叫ぶことの出来る者」と導き出したやり方――は、数学的な素養がないと不可能なものだった。イサベラ様が登場し、『皇女股 』を御開帳あそばせたことが皇子本来の能力を引き出したのかも知れん。
胸中で驚きを隠せないトスカネリに、さらにエンリケが提案した。
「ならば、先生! 全皇民にコルセットの装着を奨励するというのはどうでしょう?」
ところがこれに、当の本人、と言って良いイヴァノフが謙遜の観点から疑義を呈した。
「エンリケ様、甚 だ僭越 ながら申しますれば……私が新人類に見えると仰るのであれば、それは単にトラウマを克服したからに過ぎません。この『黒鉄のコルセット(オリジナル)』は、私にだけ意味があるものであって、万人に効果があるとも思えません」
書記ノギナギータの速記の腕が鳴った。彼女は、にわかに議論が熱を帯び始めたことを感じていた。
「ようやく私の出番ということね!」と、老年の書記が隣にいる若き角笛吹きにウインクした。その艶やかなる男は、厳しい顔で再び円卓の下を注視していた。
ここで、最年少のファニチャードが口を挟んだ。
「だったら、こうしたらどうですの? 一度、イヴァノフさんのトラウマの原因となったモノと同じ体験を全皇民に強いてから、改めてコルセットの装着を奨励するというのは。国民の多くはどう“後悔”したら良いものか悩んでいるのですから、この際、荒療治が必要だと思いますの!」
「何という壮大な考え!」トスカネリは思わず身震いをしながら少女を讃えた。
これにエンリケ皇子も同調した。
「ダ、ダメ、イッ――イェア! ファンティーゴッ!」
後悔三銃士ロニーは、落涙しながら角笛を強く握りしめていた。
《 こうして、この『ルーム後悔議』のあと――全皇民を凌辱する計画と、それを実行する隊の結成が発表されたのだった。
その隊を指揮するのは他ならぬグンダレンコ・イヴァノフであり、近衛騎士団の中でも特別、精力に自信があるものが凌辱隊のメンバーとして選出された。
皇民の男にはイヴァノフ自らの女股をもって凌辱し、女にはヒューゴやサントーメらによる輪姦が待ち受けていた。 》
~メルモモ・カベルスキー著 『ルーム後悔議:女股と一物の祭典』より抜粋~
第103悔 『トラウマ克服の余波』 おわり。:*+゜゜+*:.。.*:+☆
~メルモモ・カベルスキー著 『ルーム後悔議:女股と一物の祭典』より抜粋~
そんな彼女とファニチャードが議場に戻ってくると、観客の盛大な拍手によって迎えられた。
先に特別誂えのゲートに戻って守りを固めていた矛先クリムと後楯カスティリョが近衛騎士団副長に両手で敬礼をすると、今まで以上の威厳をもって彼女は返礼して行った。
「イヴァノフ副長……またひとつ、いや二つも三つも大きくなられたな」とクリムが呟くと、カスティリョも同意せざるを得なかった。
「ああ……。今後の
「おお! イヴァノフ! ご苦労でした! よくぞ、戻って来てくれましたね! さぁ、ファニチャードも、もう一度、席へ」
エンリケ皇子が腰を上げることなく、首を振り向かせるだけの動作でもってふたりを歓迎した。円卓の下で“十三センチ砲”を露出しているためである。
ファニチャードは、皇子の様子に異変を感じつつも淑女式の膝を屈伸させる挨拶をしてから自分の席に着いた。
イヴァノフはエンリケに両手で敬礼してから――自分の席にトスカネリが座っていたので――後悔卿の耳元で一言「コルセットの件、ありがとうございました。この御恩返しはのちほど……」と、礼を言って一般招待枠席に向かった。
トスカネリは黙って
彼女は下半身を丸出しにしたまま、『黒鉄のコルセット(オリジナル)』を装着した腰を円卓の椅子に落ち着かせた。
《 彼女の新しい姿は、最初こそ人々に淫らな印象を与えたが――女股神輿のおり、近衛騎士に脱がされ円卓のそばの床に放置されていた制服のズボンとブーツの中から――ブーツだけを取り出して履くと、これが異常に
彼女の褐色の肌と、黒鉄のコルセット、そして、黒革のブーツの組み合わせが見事なグラデーションを奏でていた。 》
~メルモモ・カベルスキー著 『ルーム後悔議:女股と一物の祭典』より抜粋~
このイヴァノフの均整の取れたカラダと異様な姿は、エンリケ後悔皇子にも“後悔”と“人類革新”に関する新たなヒントを与えていた。
「なるほど、そうか……。今のイヴァノフは、まるで“後悔”を通して革新した『
「トスカネリ先生、逆に考えてみますと……誰しもが、イヴァノフのようなコルセットを装着すれば……あるいは、ニュー・イェアに近づける、という見方もできますね?」
これに後悔卿は大いに
「皇子! それはまさに見事な仮説であり推論です」
実際、先ほどの即興演説で提示した『
胸中で驚きを隠せないトスカネリに、さらにエンリケが提案した。
「ならば、先生! 全皇民にコルセットの装着を奨励するというのはどうでしょう?」
ところがこれに、当の本人、と言って良いイヴァノフが謙遜の観点から疑義を呈した。
「エンリケ様、
書記ノギナギータの速記の腕が鳴った。彼女は、にわかに議論が熱を帯び始めたことを感じていた。
「ようやく私の出番ということね!」と、老年の書記が隣にいる若き角笛吹きにウインクした。その艶やかなる男は、厳しい顔で再び円卓の下を注視していた。
ここで、最年少のファニチャードが口を挟んだ。
「だったら、こうしたらどうですの? 一度、イヴァノフさんのトラウマの原因となったモノと同じ体験を全皇民に強いてから、改めてコルセットの装着を奨励するというのは。国民の多くはどう“後悔”したら良いものか悩んでいるのですから、この際、荒療治が必要だと思いますの!」
「何という壮大な考え!」トスカネリは思わず身震いをしながら少女を讃えた。
これにエンリケ皇子も同調した。
「ダ、ダメ、イッ――イェア! ファンティーゴッ!」
後悔三銃士ロニーは、落涙しながら角笛を強く握りしめていた。
《 こうして、この『ルーム後悔議』のあと――全皇民を凌辱する計画と、それを実行する隊の結成が発表されたのだった。
その隊を指揮するのは他ならぬグンダレンコ・イヴァノフであり、近衛騎士団の中でも特別、精力に自信があるものが凌辱隊のメンバーとして選出された。
皇民の男にはイヴァノフ自らの女股をもって凌辱し、女にはヒューゴやサントーメらによる輪姦が待ち受けていた。 》
~メルモモ・カベルスキー著 『ルーム後悔議:女股と一物の祭典』より抜粋~
第103悔 『トラウマ克服の余波』 おわり。:*+゜゜+*:.。.*:+☆