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文字数 658文字

 過去に育児放棄や虐待などで子供が死んだりねじ曲がった性格になったりした為だ。
それと大人は仕事があり、子育てでノイローゼに成ったりするのを防ぐ為でもある。
つまり俺の親父とお袋は本当の父母ではない。

 だがそれが当たり前で、300年も世の中が続いていて、何の問題も起きないのだから、
俺達には当然の事だった。
 ちょっと寒気がした。
俺は会ってはならない人達と接触しているのだなと認識したのだ。
 若い汚い男の人は、俺の前に来ると、

「そこは開かないよ。あんた迷子の奴かい?
出るんなら、俺達専用の通用口まで行かないと出られないよ。付いて来な」

と、川とは反対の方の堤防を下りると。
草むらを歩きだした。俺は急いで追いかけた。
草は背丈よりも高かった。
多分、虫やバイ菌がイッパイいるのだろうな。植物園や公園ではないのだからと、俺はとても嫌だった。

 案の定、昆虫園で見たようなバッタが俺の前を飛んでいった。
ひっ!と声を挙げると笑われた。
更には草で手や顔を切っているのが分かった。
 何て危険な所を、と思ったが。仕方無く俺は手を諦めて、顔を庇って先を進んだ。
 しばらく歩くと広い道に出て広場の様な所に案内された。

 金網に門があって、IDリーダーとゲートがあった。ロボット警備が立っていた。
武装したやつだ。警察や政府関係の門番以外で見たのは、初めだった。それだけ、ここは危険な者達がいる場所なのだなと思えた。

「さて、お前さんのIDが通じるかな?
じゃぁな」

と言って、男はもと来た道を去っていった。
 俺はポケットからIDを出すと、リーダーにかざした。
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