第9話:信州への夏旅と俊美とオリバーの結婚

文字数 1,892文字

 この年の1月下旬、村井俊美が、友人達とグアムに3泊4日で旅行に出かけ、家族にお土産を買って帰ってきた。帰ってきた時、母の聡子さんが、俊美を呼んで話をした。
「俊美が、グアム・シティバンクの銀行員のオリバーに一目ぼれし、結婚したいと告げた」
「それもオリバーの転勤が1997年の12月なので、それまでに結婚したいと言うのだ」

「オリバーが10月10日に日本に来て結婚しするという事になったと母に白状した」
「オリバーの父は、ベトナム戦争で戦死。母は一人で、シアトルに住んでると話した」
「シアトル・シティバンクに1997年12月に転勤するというのだ」
「その話を聞いて、兄の孝一は、おめでとうと言い、父、次郎は、複雑な顔をした」

 その後、夏休み、村井孝一と仲間の4人で、信州、白馬に2泊3日の旅行に出かけた。8月11日早朝5時、横浜を出て中央高速に入った。途中、山梨のサービスエリアでトイレ休憩を入れて、8時過ぎ、豊科インターチェンジで降りた。その後、近くのファミレスで一休みして、運転を交代。そして、途中、穂高の碌山美術館に到着。

 オープンして間もない時間で、混んでいなくて、じっくりと見学できた。チャペルの様な博物館で、胸像をはじめ多くの彫刻が展示されていた。1時間ほど見学して、また、出発し11時前に、大町山岳博物館に入った。そこには、北アルプスにいる雷鳥、カモシカが展示してある。または博物館の上層階の窓からアルプスの峰々の美しい景色が眺められた。

 そこに、望遠鏡が、設置されており、交代で、その素晴らしい景色を見て感動した。また、カメラの望遠を最大にして多くの写真をいろんな角度から撮りまくった。その後、ちょうど昼食時間になり、近くのレストランに入り昼食を食べて12時半過ぎに出発。そして道を北上して20分ほどで木崎湖と青木湖で一休みし景色を見た。

 13時半頃、出て、14時半には、予約した宿に到着し、チェックインした。その後、荷物を部屋に置き、宿の人に教えてもらった天然温泉に徒歩で出かけた。天然温泉を楽しんで、宿にもどり、仮眠。18時過ぎに起きて夕食を食べに行った。そして、途中で購入したウイスキーとビールをあけて、酒盛りを始めた。その時、明日の予定を村井が発表した。

 明日は、栂池のゴンドラに乗って栂池高原を散策して回る。その後、白馬の高原を散策して、帰る予定で、時間があったら安曇野ワサビ園に立ち寄ろうと考えていると話した。その後、22時過ぎに床に就いた。翌朝、9時に起きて朝食後、9時半過ぎに宿を出た。10時半、栂池高原スキー場のリフトを乗り継いでゴンドラ乗り場へ着き乗り込んだ。11時過ぎに頂上駅に到着して、水ばしょうの湿原から栂池自然園を散策。

 12時過ぎ、ゴンドラとリフトを乗り継いで、栂池スキー場の近くのレストランで昼食を食べた。13時半過ぎ栂池を出て、14時半に大王わさび農園に到着。その後、きれいなワサビ田や綺麗な水が流れる川の岸には昔ながらの水車小屋が見えた。川には水草が水面に揺らいでいた。名物のワサビアイスクリームを食べ、散策を終えて15時過ぎに農園を後にした。

 そこから20分で豊科インターから中央高速に入り一路、横浜へ。途中、山梨県恩大きなサービスエリアでトイレ休憩し運転を交代。その後3人の仲間を下ろして18時半に村井は自宅に帰った。1997年も夏が過ぎ10月になり証券会社の担当者から連絡が入り村井次郎さんに2株、孝一さんに2株の計、4株の新規公開株を手に入れたと教えた。

 6株の約束じゃなかったかと、村井次郎が、興奮して言うと、勘弁してください。これだけの公開株を手にれるのも大変だったので我慢してくださいと言われた。その後、オリバーが10月8日、来日し村井家を訪問。村井次郎と聡子、孝一に挨拶した。
「オリバーが英語で話し始めると、じっと、次郎が、その話を聞いていた」

「そしてオリバーが話を終え、何か質問ありますと聞いた」
「すると、父が、お前は、俺の娘の村井俊美を幸せにできるかと質問した」
「それに対し、オリバーが、最大限の努力することを約束しますと言った」
「それを聞き、幸せに、できならかったら承知しないぞと怒った顔をした」

「その緊張した場面で、孝一が、最大限努力するって、言ってるのだから、許してあげなよと、言うと、父がOKと了承した」
「オリバーは、孝一の顔をまじまじと眺め、サンキューと言った」
「そのやり取りを聞いた、俊美は、父がOKと言った瞬間、大粒の涙を流し母に抱き着いた」
「母は、俊美に、シアトルから成田直行便があるから来てねと告げた」
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