第25話:電気自動車用の電気供給スタンドをつくれ

文字数 1,567文字

 3月下旬にコンテナー式の蓄電装置が搬入された。この設備も10年賃貸で年間100万円のリース契約にしてもらった。4月初め、鉄塔の高さ3メートルと5メートルにプロペラ式の小型風力発電機1つずつ計2個と根元には200W単結晶ソーラーパネル2枚がついた発電機が50本立った。その後、充電設備と接続して実用実験をして蓄電した電気を工場で使う事にした。

 すると、木村さん、ちょっと良いですかと言い、村井を呼んだ。まだ秘密情報ですが、2010年か2011年までに電気自動車を発売するが売電してくれる所がなくて困っていると話した。こちらの大型蓄電池から新型の電気自動車に充電してもらえないだろうかと言うので思わず本当ですかと聞くと事実ですと答えた。

 しかし、充電する施設が、全く足りてないのが問題なのですと言った。その情報は、村井商会とっては、ビジネス・チャンスですと答えた。木村さんも、ここの設備が、電気自動車の蓄電スタンドに、ぴったりだと言った。その話を蓄電装置の専門家のM電工の山下さんと話したいと言うので、村井と木村さんの3人で事務所の応接室で話を始めた。

 実は2011年までに、日産は、実用できな電気自動車を発売する予定だが、そのための電気を供給する場所がなくて困っていたと木村さんが打ち明けた。その電気自動車の売れ行きによっても違うが、全国には、まだ、電気自動車用の電気補充スタンドが、ほとんどないと話した。これが、ビジネスチャンスかもしれないと言った。

 しかし、町中に、大きな太陽光パネルや風力発電所は作りにくいと言った。京浜工業地帯では、既に大手の鉄鋼メーカーが、太陽光発電設備、巨大な風車を使った風力発電設備が横浜、川崎に完成したと言った。首都圏は、京浜工業地帯で、巨大な設備が作れるが、我々の規模では、とても太刀打ちできないと、村井が言った。

 それなら風が強くて日差しの強い三浦半島の湾岸地域の小さな灌木と草木が生い茂る畑の隣の所に風力と太陽光パネルを組み合わせた発電装置を作り電線を引き蓄電装置につなげば、この工場の様に電気を作れると言い、話を始めませんかと告げた。日産でも資本参加する用意はある様で、今度発売予定の電気自動車の一番弱点は、電気充電スタンドが、少ない事だと語った。

ちなみに、充電装置は、どの位、必要かと聞くと理想的には1つの電気供給スタンドに4つの電気出力口で横浜に最低100ケ所は必要だろうと言った。そして2010年12月を迎えた。2010年12月、日産自動車で電気自動車「リーフ」の新発売を発表。この車は、エンジンを搭載せず排気ガスを一切排出しない、ゼロ・エミッションカーとして開発された。

 そして、滑らかで静かな走行性能を誇る革新的で未来的な電気自動車として大々的に宣伝。一見、普通の5ドアハッチバック・スタイルだが、航続距離を延ばすために徹底した空力特性の追求や低消費電力ヘッドランプの採用。その他、電気自動車ならではの実用性を高めるためのアイディアが詰め込まれていた。

 大出力リチウムイオンバッテリーの実用化と高効率協調回生ブレーキの採用。大人5人が、ゆったり移動できる室内空間を実現し、1回の充電で200kmの航続距離を実現し、高い実用性と優れた居住性を両立していた。また、先進の専用ITシステムを搭載した。さらに24時間接続可能なグローバルデータセンターと繋がり遠隔地から指定時間のバッテリー充電予約ができる。

 また、残りバッテリー残量から充電可能なステーションの位置情報や到達可能エリアなどの情報を得ることができるアシスト機能を備えていた。日本以外にも英国・サンダーランド工場や米国・スマーナ工場でも生産され、北米、欧州をはじめ、南アフリカなど世界各国で発売された。その後、2011年があけた。
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