第29話:地球温暖化の現状1

文字数 1,488文字

 2012年4月、村井次郎も70歳になり引退して村井産業の顧問となる事を会社の会議で決定。その後、息子の村井孝一が社長になり、若手の風力発電会社の清水君が、村井産業に入り、副社長となり54歳の下地君が専務となって会社経営をしていく事に議決した。村井紘一は、環境省と通産省の政治家と親しくなりパーティーに出かけるようになった。

 その代わり京浜工業地帯で空地を手に入れる様に空き情報があれば、すぐ情報をもらえる様にした。さらに環境省には地球温暖対策補助金の申請、対象となる事業の詳細の情報を得た。特に水・大気環境局に、自分達のしている事業に対しての補助金の申請の方法の情報をもらい優遇を受けるようになった。つまり政治家と、お付きあいするだけの見返りは、十分に手に入れた。

 この席には、必ず、54歳代の下地さんを同行して政治家を入れて3人で自分の望む方向へ話を持っていく努力をして、必要な時は政治献金も支払った。その努力が、実って川崎の東扇島に500坪の貸地を借りて太陽光発電所を設置の権利を得た。2012年10月に工事を着工。その費用は2億円で賃借料が、年間1千万円かかった。

 2013年、扇島に700坪の更地を借りて太陽光発電所を設置の権利を得て2013年7月に工事を着工。その費用は2億円で賃借料が年間1千万円かかった。そして東扇島と扇島で作った電力は、全て近隣の工場へ売却する契約を結んだ。そのために村井産業では、技術系の中途採用社員を随時募集し、優秀な人間を見つけては採用した。

 その他、アルバイト学生も随時募集。そして2013年には、合計4億の投資をし最短5年、最長7年で回収できると踏んだ。その頃、蓄電装置の装置のサイズが小型でき4トントラックに乗るようになった。その小型蓄電装置と太陽光発電装置と5台用屋根付き駐車場をセットにして電気自動車やプラグイン・ハイブリッド用の2口の充電スタンドを作り始めた。

 2014年、川崎、鶴見、横浜で倒産した商店の跡地を借り上げて8ケ所で2億円を投資して事業を開始。投資回収には24時間体制の営業で3年から4年と見込んで始めた。すると24時間体制の設備が繁盛した。また気象の会社と契約して随時、最新の気象データをノートパソコンで見れれるシステムを作り、村井孝一は、携帯電話で社員全員に細かく指示した。

 この頃になると、アジアや日本で大雨と洪水被害がひどくなった。2015年9月7日から11日、台風から変わった低気圧に向かって暖湿気流が流れ込み、西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨。14人死亡。鬼怒川の堤防決壊で家屋が流出等するなどして7千棟以上の家屋が全半壊、床上・床下浸水1万5千棟以上。

 台風から変わった低気圧に向かって暖湿気流が流れ込み、西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨。14人死亡。2010年代は、甚大な自然災害が相次いだ。大型ハリケーンが襲った地域は一変した。ますます強烈になる熱波は、各地に危険な暑さをもたらした。森林火災は広大な土地をまたたく間に焼け野原にした。

 観測記録は次々と塗り替えられた。年間平均気温の最高記録も年間平均海水温の最高記録も北極の海氷面積の最小記録も更新された。こうした変化の背後にあるものは明らかだ。主に人間が化石燃料を燃やすせいで、大気中の温室効果ガスの濃度が上昇。

 そのガスが、地表付近の熱を逃がさないことで、地球全体を温める。そうして上昇した気温は、信じられない程、複雑な結果をもたらし、海洋、大気、土壌、岩石、森林、そして地球上のすべての生き物に段階的に影響が及んでいく。
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