第30話 付録 市販の焼き芋の研究 元祖つくば石焼き芋屋(紅はるか)
文字数 1,706文字
つくば市内にある焼き芋専門店では、恐らく、一番古い焼き芋屋です。
店名は、「石焼き芋屋」ですが、これでは、識別できないので、ここでは、看板にある「元祖つくば石焼き芋屋」を店名とします。
この店は、薪で焼く石焼き芋専門店です。
NHKの「ドキュメント72時間」(2021年1月22日放送)で、取り上げられたようです。
写真1が、お店ですが、写真にみるように、山小屋のような佇まいで、非常に印象的です。
写真2が、石焼き芋です。外側が焦げています。
筆者が開発中の羊羹焼き芋の作り方では、サツマイモをアルミホイルでくるみます。
アルミホイルの中に水分が十分ある限り、オーブンの温度にかかわらず、アルミホイル内の温度が100度を越えることはありません。
アルミホイルがないと、サツマイモの表面は100度を越えて、焦げてしまいます。
サツマイモを加熱すると皮の近くの温度が上がります。皮の近くの温度が100度近くなると、水分が水蒸気になって気化熱を奪いますので、水蒸気が発生している限りは、サツマイモが焦げることはありません。皮の近くの水分が全て気化してしまうと、次に、サツマイモの温度が100度を越えて焦げ始めます。この状態になった場合には、サツマイモを温度の上がらない場所に移動する必要があります。この調整は、火力、サツマイモのサイズ、サツマイモの水分量で異なりますので、調整は容易ではありません。羊羹焼き芋で、アルミホイルを使う大きな理由はこの調整を不要にするためです。
写真3が、石焼き芋の断面です。ペクチン軟化が進んで、焼き芋の内部は、ジャム上になっています。
加熱時間は、2から3時間と長めらしいです。
表面に少し、蜜が出て、中がとろとろの焼き芋は、見た目は、素晴らしい出来栄えです。
しかし、サツマイモの甘さは、壺焼き芋の方が甘いと感じました。
これは、壺焼き芋の方が、温度調整がしやすいためと考えます。
皮の周辺は、焦げていて、この焼き芋では、皮は食べられませんでした。
このお店では、焼き芋を2本購入しましたが、もう1本は、焦げが少なく、皮の部分も食べられました。
以前、このお店に、焼き芋を買いに行った時には、男性1人で、全て行っていましたが、今回は、2人の助手がいましたので、焦げた焼き芋は、助手が、練習不足で焼いたのかもしれません。
焼き芋は、ストックの中から、選んで購入できます。後から考えると、表面の、焦げ目が強いものは、避けた方がよかったです。
もちろん、焦げ目がついている焼き芋が好みの人もいます。焦げ目は、石焼き芋の醍醐味ですので、これは、好み次第ではあります。
「さわけん氏のゴゴスマ焼き芋」と同じように、元祖つくば石焼き芋屋の焼き芋を170度で60分追加加熱し、保温箱で、2時間保温しましたので、結果を追加しておきます。
写真4の左が、追加加熱をしていない焼き芋です。中央と右が、追加加熱をした焼き芋です。
左の追加加熱をしていない焼き芋に、対応する追加加熱をした焼き芋の個体は、中央です。
右の焼き芋は、左・中央とは別の個体になります。
左・中央と右では、芋が異なりますが、大きな違いは、左・中央に比べて、右の方が焦げ目が強くついている点です。
左と中央を比べると、中央の方が、光って見えますが、これは、追加加熱により、麦芽糖が増えた影響です。
右も、追加加熱により、麦芽糖が出て、光っていますが、中央に比べると、その量は少ないです。
食味をした結果では、左より、中央は更に甘くなっていました。
一方、右は、左に、比べ、明確な甘さの違いは判りませんでした。
その違いは、右は、焦げ目がついていますので、βアミラーゼが、かなり失活していたためと考えました。
左・中央の焼き芋は、焦げ目がついていませんので、βアミラーゼの失活の割合が低く、その結果、追加加熱で、糖化が更に進んだと考えられます。
石焼き芋は、つぼ焼き芋に比べて、弱火の調整が難しいので、糖化の促進が不十分であったことが、追加加熱で、差が出た原因と考えます。
写真1 石焼き芋屋
写真2 石焼き芋
写真3 石焼き芋(断面)
写真4 追加加熱の結果(左:追加加熱なし、中央、右:追加加熱あり)
店名は、「石焼き芋屋」ですが、これでは、識別できないので、ここでは、看板にある「元祖つくば石焼き芋屋」を店名とします。
この店は、薪で焼く石焼き芋専門店です。
NHKの「ドキュメント72時間」(2021年1月22日放送)で、取り上げられたようです。
写真1が、お店ですが、写真にみるように、山小屋のような佇まいで、非常に印象的です。
写真2が、石焼き芋です。外側が焦げています。
筆者が開発中の羊羹焼き芋の作り方では、サツマイモをアルミホイルでくるみます。
アルミホイルの中に水分が十分ある限り、オーブンの温度にかかわらず、アルミホイル内の温度が100度を越えることはありません。
アルミホイルがないと、サツマイモの表面は100度を越えて、焦げてしまいます。
サツマイモを加熱すると皮の近くの温度が上がります。皮の近くの温度が100度近くなると、水分が水蒸気になって気化熱を奪いますので、水蒸気が発生している限りは、サツマイモが焦げることはありません。皮の近くの水分が全て気化してしまうと、次に、サツマイモの温度が100度を越えて焦げ始めます。この状態になった場合には、サツマイモを温度の上がらない場所に移動する必要があります。この調整は、火力、サツマイモのサイズ、サツマイモの水分量で異なりますので、調整は容易ではありません。羊羹焼き芋で、アルミホイルを使う大きな理由はこの調整を不要にするためです。
写真3が、石焼き芋の断面です。ペクチン軟化が進んで、焼き芋の内部は、ジャム上になっています。
加熱時間は、2から3時間と長めらしいです。
表面に少し、蜜が出て、中がとろとろの焼き芋は、見た目は、素晴らしい出来栄えです。
しかし、サツマイモの甘さは、壺焼き芋の方が甘いと感じました。
これは、壺焼き芋の方が、温度調整がしやすいためと考えます。
皮の周辺は、焦げていて、この焼き芋では、皮は食べられませんでした。
このお店では、焼き芋を2本購入しましたが、もう1本は、焦げが少なく、皮の部分も食べられました。
以前、このお店に、焼き芋を買いに行った時には、男性1人で、全て行っていましたが、今回は、2人の助手がいましたので、焦げた焼き芋は、助手が、練習不足で焼いたのかもしれません。
焼き芋は、ストックの中から、選んで購入できます。後から考えると、表面の、焦げ目が強いものは、避けた方がよかったです。
もちろん、焦げ目がついている焼き芋が好みの人もいます。焦げ目は、石焼き芋の醍醐味ですので、これは、好み次第ではあります。
「さわけん氏のゴゴスマ焼き芋」と同じように、元祖つくば石焼き芋屋の焼き芋を170度で60分追加加熱し、保温箱で、2時間保温しましたので、結果を追加しておきます。
写真4の左が、追加加熱をしていない焼き芋です。中央と右が、追加加熱をした焼き芋です。
左の追加加熱をしていない焼き芋に、対応する追加加熱をした焼き芋の個体は、中央です。
右の焼き芋は、左・中央とは別の個体になります。
左・中央と右では、芋が異なりますが、大きな違いは、左・中央に比べて、右の方が焦げ目が強くついている点です。
左と中央を比べると、中央の方が、光って見えますが、これは、追加加熱により、麦芽糖が増えた影響です。
右も、追加加熱により、麦芽糖が出て、光っていますが、中央に比べると、その量は少ないです。
食味をした結果では、左より、中央は更に甘くなっていました。
一方、右は、左に、比べ、明確な甘さの違いは判りませんでした。
その違いは、右は、焦げ目がついていますので、βアミラーゼが、かなり失活していたためと考えました。
左・中央の焼き芋は、焦げ目がついていませんので、βアミラーゼの失活の割合が低く、その結果、追加加熱で、糖化が更に進んだと考えられます。
石焼き芋は、つぼ焼き芋に比べて、弱火の調整が難しいので、糖化の促進が不十分であったことが、追加加熱で、差が出た原因と考えます。
写真1 石焼き芋屋
写真2 石焼き芋
写真3 石焼き芋(断面)
写真4 追加加熱の結果(左:追加加熱なし、中央、右:追加加熱あり)