第2話 サツマイモの選び方 2022/03/27改訂
文字数 2,533文字
焼き芋の味は、材料が半分、調理法が半分で決まります。料理の味を決める、2者の比率は、料理の種類で異なります。お刺身のように、材料の比率が高いものもあります。焼き芋の場合、試行錯誤を繰り返した結果、その比率は、50%、50%と推定しています。
1)サツマイモの基礎知識
スーパーなどで売られているサツマイモは、品種名で表示されている場合と、登録商標の商品名で売られている場合があります。商品名が違っても、品種が同じ場合があります。非常に、ややこしいです。
商品名の焼き芋は、ノーブランドの品種名の焼き芋より、品質が良く、味のばらつきが少ないことをセールスポイントにしたいようです。
サツマイモの場合、収穫後、収穫時の傷口を塞ぐキュアリング処理をした後で、保存庫で温度と湿度管理をして、保存します。共同で使う保存庫ことが増えた結果、ブランド化が進んでいます。JAなどで、保存庫を共有したブランドの場合、箱で購入すれば、箱には、生産者の名前が書かれています。ブランドが同じでも、生産者が異なると、当然、味も異なりますが、生産者を選ぶことはできません。
サツマイモは、保存すると糖質が増え、水分が減少します。つまり、甘くなりますが、その変化は少しです。サツマイモは一年中、売られていますが、収穫時期が限定されているので、購入時期で、保存期間の長さの異なるサツマイモを購入していることになります。
旬のサツマイモが美味しいわけではないので、芋の選別を間違えなければ、いつでも、美味しい焼き芋が作れます。
2)サツマイモの品種
筆者は、「生糖度が高い方が、焼き芋の糖度があがる」(生糖度仮説)と考えています。
この仮説では、 サツマイモの品種では、べにはるかがベストです。
べにはるかが手に入らない場合には、次点で、安納芋を選びます。
品種名でなく、ブランド名で販売されていることもあります。
品種とブランド名の関係は、「第11話 付録 品種の検討『品種の概観』 」で、整理しています。
なお、以下の品種は、羊羹焼き芋には、向いていません。
べにあずま、シルクスート、金時系。
紫芋系は、アントシアニンが、β アミラーゼの活性を阻害するために、甘くなりませんので、不適です。
紅はるかのブランド名は、以下も参考になります。
極上の焼き芋の焼き方(46) 紅はるかのブランド(その1:茨城県編)
https://computer-philosopher.hatenablog.com/entry/2020/11/29/000000
極上の焼き芋の焼き方(47) 紅はるかのブランド(その2)
https://computer-philosopher.hatenablog.com/entry/2020/11/30/000000_2
注:シルクシートは、羊羹焼き芋に向いていないことがわかったので、推薦リストからはずしました。詳細は、第13話 付録 品種の検討「シルクスイート」を見てください。(2021/11/26)
3)サツマイモのサイズ
サツマイモの箱には、サツマイモのサイズが書かれています。スーパーで、バラ売りしている場合でも、サツマイモの箱に入れた状態で、販売されていることも多く、その場合には、サツマイモの箱を見れば、サイズが分かります。
ただし、問題は、サイズには統一規格はなく、JA、品種、時期で異なります。つまり、箱に記載されたサイズは、調理には参考になりません。
この本では、大まかに、100gをS、200gをM、300−350gをLとしています。この基準で見た留意点は、次です。
(1)2Lサイズのべにはるか:べにはるかは、べにあずまに比べると大きなサイズに育ちにくいようです。2Lサイズと箱に書かれた500g以上あるべにはるかを購入したことがあります。このサツマイモが本当にべにはるかかは疑問です。べにあずまの可能性もあります。調理した食感は、しっとりでなかったので、べにあずまと判断しました。スーパーのサツマイモの品種表記が間違っていたと思われます。ただし、箱には、べにはるかと書かれていたので、スーパーの責任というより、出荷側の責任と思われます。焼き芋にすると、べにはるかの方が、べにあずまより人気があります。誤表記で出荷されている可能性もあります。
2L、または、500g以上のべにはるかは怪しいので、購入しないことをお勧めします。
(2)350g以下であっても、Lサイズのサツマイモは調理が難しいです。理由は、加熱は、サツマイモの表面から行うため、中心部ほど、熱が伝わりにくくなります。サツマイモのサイズが大きくなるほど、均一に加熱することが難しくなります。加熱時間も長く取る必要があります。
逆に、サツマイモが大きいと良い点は、ラップしなくても、水分が飛びにくいこと、皮を除いた場合でも、食べられる部分が多く残ることです。しかし、羊羹焼き芋では、ラップするので、水分は飛びません。また、皮は簡単に剥けるので、小さなサツマイモでも、みの部分を100%食べることができます。
したがって、初心者には、Sまたは、Mサイズがお勧めです。
サツマイモのサイズは、詳しくは、以下を見てください。
極上の焼き芋の焼き方(60) 焼き芋のサイズの規格
https://computer-philosopher.hatenablog.com/entry/2020/12/19/132109
4)ブランドと生産者
サツマイモの品質は、見かけである程度は、判断可能ですが、最終的には、焼き芋にして判断するしかありません。そのためには、ブランドまたは生産者を選ぶことになります。サツマイモの生産地に、近い小売店では、生産者を選ぶことが可能ですが、それ以外の場合には、自分の好みにあったブランドを選ぶことになります。
両方選べる場合には、生産者を選ぶ方が良いです。
これは、ノーブランドがダメと言っているわけでは、ありませんが、ノーブランドの場合には、出来上がった焼き芋の品質のばらつきを覚悟する必要があります。
写真は、良いサツマイモの例です。写真のように、蜜が固まったような模様があれば、良いサツマイモです。
写真2 よいサツマイモの例。
1)サツマイモの基礎知識
スーパーなどで売られているサツマイモは、品種名で表示されている場合と、登録商標の商品名で売られている場合があります。商品名が違っても、品種が同じ場合があります。非常に、ややこしいです。
商品名の焼き芋は、ノーブランドの品種名の焼き芋より、品質が良く、味のばらつきが少ないことをセールスポイントにしたいようです。
サツマイモの場合、収穫後、収穫時の傷口を塞ぐキュアリング処理をした後で、保存庫で温度と湿度管理をして、保存します。共同で使う保存庫ことが増えた結果、ブランド化が進んでいます。JAなどで、保存庫を共有したブランドの場合、箱で購入すれば、箱には、生産者の名前が書かれています。ブランドが同じでも、生産者が異なると、当然、味も異なりますが、生産者を選ぶことはできません。
サツマイモは、保存すると糖質が増え、水分が減少します。つまり、甘くなりますが、その変化は少しです。サツマイモは一年中、売られていますが、収穫時期が限定されているので、購入時期で、保存期間の長さの異なるサツマイモを購入していることになります。
旬のサツマイモが美味しいわけではないので、芋の選別を間違えなければ、いつでも、美味しい焼き芋が作れます。
2)サツマイモの品種
筆者は、「生糖度が高い方が、焼き芋の糖度があがる」(生糖度仮説)と考えています。
この仮説では、 サツマイモの品種では、べにはるかがベストです。
べにはるかが手に入らない場合には、次点で、安納芋を選びます。
品種名でなく、ブランド名で販売されていることもあります。
品種とブランド名の関係は、「第11話 付録 品種の検討『品種の概観』 」で、整理しています。
なお、以下の品種は、羊羹焼き芋には、向いていません。
べにあずま、シルクスート、金時系。
紫芋系は、アントシアニンが、β アミラーゼの活性を阻害するために、甘くなりませんので、不適です。
紅はるかのブランド名は、以下も参考になります。
極上の焼き芋の焼き方(46) 紅はるかのブランド(その1:茨城県編)
https://computer-philosopher.hatenablog.com/entry/2020/11/29/000000
極上の焼き芋の焼き方(47) 紅はるかのブランド(その2)
https://computer-philosopher.hatenablog.com/entry/2020/11/30/000000_2
注:シルクシートは、羊羹焼き芋に向いていないことがわかったので、推薦リストからはずしました。詳細は、第13話 付録 品種の検討「シルクスイート」を見てください。(2021/11/26)
3)サツマイモのサイズ
サツマイモの箱には、サツマイモのサイズが書かれています。スーパーで、バラ売りしている場合でも、サツマイモの箱に入れた状態で、販売されていることも多く、その場合には、サツマイモの箱を見れば、サイズが分かります。
ただし、問題は、サイズには統一規格はなく、JA、品種、時期で異なります。つまり、箱に記載されたサイズは、調理には参考になりません。
この本では、大まかに、100gをS、200gをM、300−350gをLとしています。この基準で見た留意点は、次です。
(1)2Lサイズのべにはるか:べにはるかは、べにあずまに比べると大きなサイズに育ちにくいようです。2Lサイズと箱に書かれた500g以上あるべにはるかを購入したことがあります。このサツマイモが本当にべにはるかかは疑問です。べにあずまの可能性もあります。調理した食感は、しっとりでなかったので、べにあずまと判断しました。スーパーのサツマイモの品種表記が間違っていたと思われます。ただし、箱には、べにはるかと書かれていたので、スーパーの責任というより、出荷側の責任と思われます。焼き芋にすると、べにはるかの方が、べにあずまより人気があります。誤表記で出荷されている可能性もあります。
2L、または、500g以上のべにはるかは怪しいので、購入しないことをお勧めします。
(2)350g以下であっても、Lサイズのサツマイモは調理が難しいです。理由は、加熱は、サツマイモの表面から行うため、中心部ほど、熱が伝わりにくくなります。サツマイモのサイズが大きくなるほど、均一に加熱することが難しくなります。加熱時間も長く取る必要があります。
逆に、サツマイモが大きいと良い点は、ラップしなくても、水分が飛びにくいこと、皮を除いた場合でも、食べられる部分が多く残ることです。しかし、羊羹焼き芋では、ラップするので、水分は飛びません。また、皮は簡単に剥けるので、小さなサツマイモでも、みの部分を100%食べることができます。
したがって、初心者には、Sまたは、Mサイズがお勧めです。
サツマイモのサイズは、詳しくは、以下を見てください。
極上の焼き芋の焼き方(60) 焼き芋のサイズの規格
https://computer-philosopher.hatenablog.com/entry/2020/12/19/132109
4)ブランドと生産者
サツマイモの品質は、見かけである程度は、判断可能ですが、最終的には、焼き芋にして判断するしかありません。そのためには、ブランドまたは生産者を選ぶことになります。サツマイモの生産地に、近い小売店では、生産者を選ぶことが可能ですが、それ以外の場合には、自分の好みにあったブランドを選ぶことになります。
両方選べる場合には、生産者を選ぶ方が良いです。
これは、ノーブランドがダメと言っているわけでは、ありませんが、ノーブランドの場合には、出来上がった焼き芋の品質のばらつきを覚悟する必要があります。
写真は、良いサツマイモの例です。写真のように、蜜が固まったような模様があれば、良いサツマイモです。
写真2 よいサツマイモの例。