第29話 付録 さわけん氏のゴゴスマ焼き芋

文字数 1,486文字

料理研究家のさわけん氏のHPに焼き芋の作り方がのっているので、試してみました。

上手く、解読できませんが、筆者なりの理解は以下です。

1)理論

1-1)理論の要約

- 麦芽糖生成はさつまいもデンプンの糊化し始める60度くらいからで、ピークは75度です。

- βアミラーゼは65度を過ぎると失活が始まり、85度で完全に働かなくなります。(ちなみに75度でのβアミラーゼの残存率は30%前後)

これから、60度~75度の温度帯で時間をかけて麦芽糖を増やしてやると甘くなります。

オーブンで、130度で15分で内部が70度、130度で30分で内部が80度に到達します。

これが、βアミラーゼは失活しない最大加熱時間です。

オーブンで、180度で焼き始めて12分で96度(繊維が崩れて柔らかくなっていく温度)なので、20分加熱します。


1-2)疑問点

130度で、糖化、180度で、ペクチン化を狙っているように見えます。

つまり、180度では、βーアミラーゼが失活して、糖化が進まないと考えているようにみえます。

また、糖化の前にペクチン化が必要とは、考えていないようにみえます。


2)調理法

1. 直径5,5cm~6cmのさつまいもを買って10度~15度で乾燥しないように紙で包んで袋に入れて2週間~1ヶ月間置きます。(とろけるのがいいならシルクスィート、最大の甘さを求めるならクイックスィート推奨。)


2. 芋を洗ってラップで包み、200wの電子レンジで2分半~4分(芋の大きさによって変化)加熱して芋の温度を65度位にします。


3. ラップをとってクシャクシャにしたホイルで包みなおしてレンジに入れ、オーブンモード130度に設定して余熱します(余熱中も芋は入れっぱなし)。



4. 余熱でき、温度が130度になったら30分加熱し糖化させます(芋の大きさによって時間は違います)

5. 温度を180度に設定し直し余熱します。


6. 180度になったら20分加熱して完成です。


7. 余裕があればホイルを開けて10分程度水分を飛ばすと尚良いです。



3)調理

3-1)基本調理結果

7.は省略しています。

1.も、省略していますが、12月下旬のサツマイモなので、収穫から、1か月以上貯蔵されているはずなので、問題がないと考えました。

さわけん氏は、とろけるのがいいならシルクスィート、最大の甘さを求めるならクイックスィート推奨していますが、ここでは、紅はるかをつかいます。


写真1が、調理後のサツマイモです。糖蜜が、少し出ています。

写真2が、焼き芋の断面です。

食べてみて、甘いですが、各段に、甘い訳ではありません。

3-2)追加調理結果

180度加熱で、βーアミラーゼが失活しているのであれば、追加加熱をしても糖化はすすまないはずです。

ここでは、170度で60分追加加熱してみました。その後、120分、保温箱で、保温しました。

写真3が、追加加熱の結果です。明かに、写真1よりも、糖化が進んでいます。

写真4が、追加加熱した焼き芋の断面です。

食べてみた結果は、追加加熱で、甘さが増しています。

これから、次の点が、推測できます。

1. 糖化の前に、ペクチン軟化が必要です。

2. βーアミラーゼは、85度以上でも、全ては失活しません。


- ゴゴスマ焼き芋補足 時間が足りなさすぎ!! 2016/02/23 さわけん

https://ameblo.jp/bloken/entry-12131966438.html

- 加熱調理のショミュレーション 香西みどり 2013 光生館


写真1 基本調理結果


写真2 基本調理結果


写真3 追加調理結果


写真4 追加調理結果


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